日本画家、加藤栄三の小品(短冊)です。
加藤栄三『くわい』岩彩、短冊。昭和。
加藤栄三(かとうえいぞう、1906年(明治三九(1906)年-昭和四七(1972)年): 日本画家。加藤東一の兄。岐阜市生れ。東京美術学校卒、結城素明に師事。文展、日展で活躍。文部大臣賞受賞。日展理事。
独特の色調が印象的です。
色使いや画題は、弟、加藤東一とよく似ていると思います。
くわいの周りのブツブツが気になります。
粗い岩絵具をそのまま撒いたように見えます。
加藤栄三は、昭和47年、65歳の時に自死しています。
絵画制作に行き詰ったからだと言われています。が、本当の理由は不明です
芸術家の宿命でしょうか。
画壇で華々しく活躍する弟、東一に対する複雑な思いもあったでしょう。
空襲で、ほとんどの作品が焼失するという悲惨な体験もその生き方に影をとしていたのかもしれません。