遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

トイレ美術館25 和田まさし『藤椅子によれる』(油彩、4号)

2023年12月28日 | 絵画

今回は奇妙な品です。

和田まさし『藤椅子によれる』油彩、4号。キャンバス。1935年。

少女が籐椅子に座っている油絵です。

暗い絵です。

「M.WADA 1935」のサインがあります。

裏に、「(中村研一氏ノ〇・・・〇)藤椅子によれる 一 九 三 五 和田まさし」と書かれています。

中村研一は、従軍画家として活躍した洋画家ですが、何か関係があるのかな、と思い調べてみると・・・・

中村研一『弟妹集う』1930年(住友クラブ蔵)

何と、元になった作品が有りました。中村研一の代表作、第11回帝展帝国美術院賞を受賞した250号の大作です。暗い時代に入っていく予感が漂う画面です。

いよいよ時代がきな臭くなってきた5年後、和田まさしなる人物が、その一部を写し、『籐椅子によれる』と名付けたのです。

このような品をどう呼んでいいのでしょうか。

習作?

贋作?

わだかまりが残る絵はトイレにふさわしい!?

そのココロは?

水に流します(^^;

コメント (6)
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