遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

トイレ美術館20 矢橋六郎『キスゲ』(水彩、色紙)

2023年12月11日 | 絵画

岐阜出身の洋画家、矢橋六郎の水彩画です。

矢橋六郎『キスゲ』水彩、色紙。1981年7月。

矢橋六郎(やばしろくろう、明治三八(1905)年ー昭和六三(1988)年):美濃赤坂町(現、大垣市)生れ。岐阜県きっての素封家、矢橋家本家出身。洋画家。東京美術学校卒、梅原龍三郎に師事。モダンアート協会を創立。モダンアートの旗手の一人。矢橋大理石商店社長、岐阜県教育長なども歴任。

キスゲの花が大胆に描かれています。

モダンアートなる言葉は漠として何を意味するのかよくわかりません。巷間では、19世紀末から20世紀初頭にかけての時代に主流となった美術のスタイルを指すようです。しかし、その中には、印象派、ポスト印象派、表現主義、キュビスム、シュルレアリスムなど、いろいろあって、これまたわかりません(^^;

何となく、新感覚の洋画(^.^)

 

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よくやった!青枯病打破のピーマン

2023年12月09日 | ものぐさ有機農業

これまで何度か、青枯病についてブログを書いてきました。

というのも、ここ十年ほど、夏野菜のピーマン、シシトウ類が青枯病にやられ、何年間かは全滅の状態が続いたからです。

特に、ピーマン類が弱く、春先に苗を植えたらそのまま枯れてしまいました。他のトウガラシ類も、ようやく実り始めた頃に、バタバタと倒れました。

そこで、青枯病を克服すべく、いろいろな試みを行ってきました。

その中で、最も有効であったのは、土造りの段階でのカニ殻投入と枝を縛って育てていく垂直栽培法です。

カニ殻は青枯病菌をやっつける放線菌を増やします。垂直栽培は、青枯病のアタックを受ける作物の根を壮健にします。

今年は、12本植えた苗の内、9本が育ちました。夏のおわりまで、大量の実がなり続けました。9月中頃から順次枯れていきましたが、9本の中で飛びぬけて成績の良かった1本のピーマンは、12月の今日まで、健気に実をつけてきました。

盛期には、2m近くの大きさでした。人間と同じで、年をとると少し縮むのでしょうか(^^; 

幹は、下手な植木顔負けの太さです。これ1本で、10㎏以上の実を収穫しました。

しかし、寒くなってからは花をつけることもないし、霜にやられた葉枝は枯れてきて痛々しい。

もう、十分頑張ってくれたので、静かに眠っていただくことにしました。

葉の間に隠れていた実を回収したら、

まだ、これだけありました。

しかも、つやつやジャンボ。

来年も、カニ殻と垂直栽培で行きます。

そして、さらに生菌投入でパワーアップも計画中(^.^)

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トイレ美術館19 加藤栄三『くわい』(日本画、短冊)

2023年12月07日 | 絵画

日本画家、加藤栄三の小品(短冊)です。

加藤栄三『くわい』岩彩、短冊。昭和。

加藤栄三(かとうえいぞう、1906年(明治三九(1906)年-昭和四七(1972)年): 日本画家。加藤東一の兄。岐阜市生れ。東京美術学校卒、結城素明に師事。文展、日展で活躍。文部大臣賞受賞。日展理事。

独特の色調が印象的です。

色使いや画題は、弟、加藤東一とよく似ていると思います。

くわいの周りのブツブツが気になります。

粗い岩絵具をそのまま撒いたように見えます。

加藤栄三は、昭和47年、65歳の時に自死しています。

絵画制作に行き詰ったからだと言われています。が、本当の理由は不明です

芸術家の宿命でしょうか。

画壇で華々しく活躍する弟、東一に対する複雑な思いもあったでしょう。

空襲で、ほとんどの作品が焼失するという悲惨な体験もその生き方に影をとしていたのかもしれません。

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トイレ美術館18 加藤東一『洋梨』(日本画、色紙)

2023年12月05日 | 絵画

昭和の代表的日本画家の一人、加藤東一の小品です。

加藤東一『洋梨』、水彩? 色紙。昭和。

加藤東一(かとうとういち、大正五(1916)年ー平成八(1996)年):岐阜市生れ。日本画家。東京美術学校卒。山口蓬春に師事。日展理事長、芸術院会員、文化功労者。

独特の色使いが特徴的です。

私には水彩画のように見えます。しかし、濁りがあります。岩絵具も併用しているのでしょうか。

素人には窺い知ることができない技法で、独特の色調が作り出されているのかもしれません(^.^)

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トイレ美術館17 大橋翆石『水仙と薔薇』(日本画、色紙)

2023年12月03日 | 絵画

明治から昭和にかけて、虎の絵で一世を風靡した日本画家、大橋翠石の小品です。

大橋翠石『水仙と薔薇』色紙、昭和。

大橋翠石(おおはしすいせき、慶応元(1865)年ー 昭和二十(1945)年): 大垣生れ。渡辺小華に師事。動物画、特に細密な虎絵で人気を博した。明治三三年、パリ万国博覧会、「猛虎」で金牌受賞。

水仙と薔薇が描かれています。

薔薇の葉、

薔薇の花は、

たらし込みの技法で描かれています。

大橋翠石は、虎をはじめ、様々な動物画で有名です。

彼の描く動物は、生き物に魂を吹き込まれたような迫力に満ちています。

一方、木や草花は、ほとんどが動物の背景として描かれていて、動物の細密な描写を浮き立たせるかのようにサラリと描かれています。

今回の品もそのような植物画の一つといえます。

植物のみを描いた翠石の絵は少なく、今回の小品はその意味で価値がありそうです(^.^)

大橋翠石の動物画は大変人気が高く、必然的に、贋物が多く存在します(特に地元には)。私も多くの偽物を持っています(以前よりは少ない(^^;)。

その中で、今回のように地味な品は、何とか贋物掴みを免れた物ではないかと思っています(^.^)

 

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