今回は、竹で編まれた取り込み盆です。
最大径 34.7㎝、底径 30.0㎝、高 13.2㎝。清時代。
中国の合子です。本体は竹で編んであります。元々の用途は不明ですが、日本では煎茶道具をいれる取り込み盆(茶櫃)として用いられてきました。
黒漆の上に、いかにも中国風の絵が金で描かれています。
松の木の下で、隠者が琴を弾いています。傍らには、従者がひかえています。
琴棋書画は文人の嗜みでしたから、これは伝統の南画ということになりましょうか。
漆面には、断紋のような細かい皺が出ています。断紋は、漆と木部の収縮率の違いが皺となって現れたものです。このような形になるには数百年の年月を要します。今回の品はそこまでの時代はないでしょうから、断紋とはいえませんが、この皺が新物にはない味わいを加えています。
蓋を取ると、内側は全面竹で編まれています。
本体内側は、黒と暗赤色の竹を編みこんで、模様を出しています。
福の字ですね。
蓋の方はどうかというと・・
やはり内側には、福とそれを取り囲む模様が編まれています。
どのように造られているのかわかりませんが、表と裏、少なくともダブルで竹編みされています。そのためでしょうか、編み籠ではありますが、かなり丈夫です。煎茶道具を入れても安定感があります。
この品も、以前の茶籠と同じく、地元女性作家の持物であったものです。煎茶道具はどっさりあるので、この取り込み盆と合う道具を入れてみます(^.^)