遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

琉球漆器沈金蔓草紋食籠

2021年09月18日 | 漆器・木製品

琉球漆器の食籠です。

最大径 30.1cm、底径 18.3㎝、高 17.0㎝。江戸時代中期。

先回の中国竹編み取込盆と非常によく似ています。おそらく、中国の品を手本にして作られ物でしょう。

しかし、形がふっくらとしている事、竹編み容器が頑丈ではなく、陶磁器などの収容には適していない事などから、取り込み盆ではなく、食籠としました。

ところが、時代は先回の中国物よりも、今回の琉球の品の方が古いです。ですから、かなり昔から、中国ではこの手の品が作られてきたのですね。

編み方をみると、先回の品よりも、ずっと細い竹ひごを使っています。素朴な美しさがありますが、その分、品物の強度は小さくなります。所々に、経年の劣化による竹のほつれがみられます。

蓋の中央に、沈金技法で、蔓草が表されています。

中央や底の木部にも、沈金で装飾がなされています。

 

これは、瓜?

沖縄の植物?

蓋を開けてみると・・・

先回の中国取り込み盆とは異なり、非常にシンプルです。

 

本体の内側には、茶色の漆が塗ってあるのみ。大きなひび割れがあります。

蓋の内側も同様です。凸凹模様からすると、竹で編んだ物の裏側に直接漆が塗られているようです。強い力が加われば、竹編み籠は簡単に凹んでしまうので、これでは、漆の割れが生じるのは無理もない(^^;

以前紹介した琉球漆器太古石唐人図取込盆の籐作りもそうだったのですが、琉球漆器には、そこはかとしたひ弱さがあります。そこがまた、何ともいえない魅力でもあったりして(^.^)

 

 

 

 

 

 

コメント (4)
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