戦隊シリーズの敵組織。
各作品ごとにもちろん恐ろしさはあるんだけど、「地球戦隊ファイブマン」の銀帝軍ゾーンは、次元が違う気がする。
特に恐ろしさを感じたのは、38話「偽兄弟先生」と39話「愛を下さい」。
~「偽兄弟先生」~
海水に触れることで猛毒を発生させることのできるアンモナイトンが地中に埋まっていることが判明。
その上にはとある小学校の分校が建っている。
アンモナイトンを発掘するため、ゾーンの面々が兄弟先生=ファイブマンに変装して子どもたちの注意をそらす。
ここまでなら、他作品でも見かける描写ではある。
でも、この人たちの凄いところは、児童のモノローグによれば1週間も「教師」として子どもたちと接している。
子どもたちに纏わり付かれても、からかわれても、激昂することなく笑顔で接し続ける。
子どもたちの信頼を勝ち得ているのを見ると、この人たちの怖さをひしひしと感じる。
~「愛を下さい」~
銀河剣士ビリオンの怖さが際立った。
命の恩人と、ビリオンを慕うソーラが地球にやって来た。
ビリオンと戦うファイブマンに対して、ソーラはビリオンに加勢する。
ソーラはとある薬を飲むことで、ダークソーラという怪人に姿を変えることが出来る。
そのパワーは圧倒的。
ビリオンは、ソーラの勘違いを利用して「ファイブマンがこの地球の平和を脅かす存在」とそそのかす。
そして、ソーラに「一度飲んだら、死ぬ間際まで怪人の姿のまま」という最後のカプセルを飲ませようとする。
それに対してソーラは、「怪人の姿になる前に、一度だけ一日でいいからビリオンと人間の姿でデートがしたい」と訴える。
それを受けて、ビリオンとソーラは人間に変装し、デートを楽しむ。
このときのビリオンとソーラの笑顔が素敵。
デートの描写も、放送された1990年という時代に流行ったであろうことを一通り網羅している感じ。
そして、24時間が経過し、ソーラは約束通りカプセルを飲む。
カプセルを飲ませるためだったら、何だってやるというビリオンの執念が怖い。
最終的には、ソーラはビリオンに利用されただけだということを知って散る。
どの組織でもやることかもしれないけど、最近のと違って、この人たちみんな顔出しの役者さんたちだから、怖さも増幅されてしまったのかもしれない。
いつかまた、顔出しの役者さんが多数いる悪の組織の作品を見てみたいなぁ。
1人くらいなら着ぐるみでもいいけど。