『茗荷谷の猫』木内昇 文春文庫

『漂砂のうたう』で直木賞を受賞した木内昇さんの小説です。
９つの短編から構成されています。

最初の物語を読んだ後で、少し物足りない終わり方だなと感じたのですが、
一つ一つの物語に登場した人物の影が、
歴史の流れの中の細い糸で繋がっているようにさりげなく現れてくるので、
次第に興味深く読むことができました。

春日武彦さんの解説が、この作品の魅力を十分に現していると思います。
とても良い作品でした。