私の日記帳

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『長いお別れ』中島 京子 文春文庫

2019-04-29 | 読書日記
中島京子さんの本を読むのは、
もう8年も前に「小さいおうち」を読んで以来のことです。
「小さいおうち」の映画は、最近になってHuluでようやく観ました。

この「長いお別れ」も5月に映画が公開されるそうです。
観に行くかどうかわかりませんが、楽しみです。

このお話は、認知症になった父親とその家族を描いたものです。
ですから、内容はもちろんシビアなものには違いないのですが、
明るく、ユーモラスにさえ感じられる文章で書かれていて、
認知症介護で思い浮かべる、暗い感じはあまりありません。

同じように認知症を描いたもので、「恍惚の人」も前に読みましたが、
時代が変わって介護も随分変わったものだと感じます。

この小説の家族構成は比較的恵まれていると思うので、
全体にあたたかい雰囲気が伝わってきます。
実際、介護とはそんな甘いものではないという読者もいらっしゃると思いますが、
小説という架空の物語なので、それは仕方がないですね。

認知症ではありませんが、昨年母親を亡くしたこともあり、
ラストでは、小説を読んでいて久々に涙が出ました。

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