『暗夜行路』 志賀 直哉 新潮文庫

この本を初めて見たのが親戚の家でした。
当時私は小学生でしたので、
ぱらぱらとめくって難しそうだったので読みませんでした。

でも、その後ずっと心の中でその題名が気になっていて、
あれから何十年か経って、ようやく読むことができました。

心理描写、風景描写が巧みです。
この小説は長編なので、前半は若干退屈気味になってしまいましたが、
後半は引き込まれるように読みました。

主人公の面倒くさい病的な性格にはうんざりしますが、
それでもこんな自分ではだめだと煩悶し、
努力しようとする姿にはエールを送りたくなります。

私にも馴染みが深い、鳥取県の名峰大山から、
主人公が夜明けに見た光景の描写は、素晴らしいと思いました。