ジルとうなぎの 風に吹かれて気ままにキャンプ

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リン酸鉄リチウムバッテリーにバランサーをテスト

2019-06-03 |  サブバッテリー

今日もまたリチウムバッテリーの続きの話。

前に、ジルに12V 400Ahと大容量のリン酸鉄リチウムバッテリーを組込んだ。

リン酸鉄リチウムバッテリーは他のリチウムと違って、過充電、過放電しても火災は発生しないので大丈夫。

 

これまでの実験で、充放電の末期にバッテリーセル単体が電圧暴走することが確かめられた。

放電での暴走はキャンカーのバッテリープロテクターの電圧を調整すればいいが、充電はアルゴリズムを考えると意外に難しい。

取りあえずは一定の電圧になったときに充電を遮断すれば問題ないが、忘れた場合にはバッテリーが昇天する可能性が高い。

ネットでいいBMSがないか色々探したが、セル単体が400Ahの大容量をコントロールするものは中々見つからない。

 

 

そんな中でいくつか発注したBMSの一つが届いた。

発注はAliExpressが多いが、はやいものは10日くらいで届くが遅いものはいつまでたっても届かない。

さすが中国で、安いものはどうでもいいが高価なものは多少の手数料を払ってもエージェントを通したほうが安全だ。

今回届いたものはこれ。

 

 

アクティブセルバランサーというものだが、予備テストで何とか使えるかもと購入した。

価格的には送料を含めて9,000円弱。

他のBMSのように電圧による遮断やスマホ等のモニター機能は無く、だだ単にセルのバランスを取るというだけのもの。

詳しくは分からないが、バランス電流が6A程度取れるらしい。

細かい説明書等は無く、チラシのようなものが2枚あるだけ。

 

 

セル毎にパッケージされていて中の構造が見えない。

 

 

リン酸鉄リチウムバッテリーの仕様書を見ると、充電電圧のリミットは3.65Vでカットオフは3.80Vになっている。

なんとしてもこの電圧は守らなければならない。

 

 

バッテリーを充電して、充電末期の暴走したセルに電子負荷を噛ませてみた。

言ってみれば暴走するセルの電力を電子負荷に食わせてどれくらいで暴走が止まるのか、電力を見た。

 

 

約10Aで充電中、4個あるセルの最高と最低の電圧差が100mVあったときに一番電圧が高い(暴走中)セルに電子負荷をつないだ。

このときに6A弱で暴走が止まる。

しかし、電力にして20Wはかなりのもの。

パッシブ型(他に比べて電圧の高いセルの電力を抵抗等に食わせて消費させる)のバランサーだと、最低でも一つのセルに20Wの抵抗が必要になるかも。

 

 

アクティブバランサーを取付けてどの程度バランスするかテストする。

テストだから接続は簡単なミノムシクリップを使った。

前も書いたが14mmのボルトが通る圧着端子はそこらの電気屋にはない。

小さなミノムシクリップは電圧計のもの。

 

 

充電中の様子。

バッテリーの端子電圧が13.7Vで充電電流は42.5A。

AVメーターはすでにフル充電の容量400Ahになっている。

 

 

 

ソーラーパネルのモニターは590Wと元気よく充電中だ。

コントローラーの電圧は14.1Vだが、コントローラーからバッテリーまでの配線は14SQで2.5mくらいはある。

42A流れたときの電圧ドロップは02~0.3V程度あるはず。

 

 

バッテリーの電圧が14V程度になったときのセルの電圧。

バランサーが付いているが2番目のセルの電圧が一番低い。

高いものとの差は70mV。

 

 

このときにクランプメーターでバランス電流を測ったら0.3Aほど高いセルから低いセルに電流が流れて均等化している。

でも0.3Aではとても追いつかないと思う。

 

 

さらに充電が進みバッテリーの電圧が14.2Vになった。

このときの電圧差は90mVと少し差がひらいた。

 

 

バランス電流も0.4Aに増加。

 

 

この後バランス電流は0.5Aまで増えたが、アブソーブ充電中はセルのバランス差は縮まらない。

 

 

ソーラーコントローラーの充電終止電圧は14.4Vにしたままなので、サブへの電流は流れなくなった。

 

 

 

ソーラーコントローラーの設定が鉛バッテリーのままなので、この後2時間くらいアブソーブ充電が続く。

 

 

 

バランス電流が0.5Aだと中々均等にならない。

 

 

フロート充電に変わる前の電圧。

だいぶ差は小さくなったがまだまだバラついている。

 

 

フロート充電になって1時間くらい経過。

このテスト中はテレビを見ながら行ったのでフロート充電中でも2~3Aはバッテリーから消費している。

ここでようやくすべてのセルの電圧が揃った。

 

 

今回テストしたアクティブバランサーは高い電圧のセルからを低い電圧のセルに分配するというもの。

バランス電流が6A取れるらしいがそのときの電圧は3.8V近くのよう。

3.8Vとはこのリン酸鉄リチウムバッテリーのカットオフ電圧(遮断電圧)だ。

セルの充電最高電圧は3.65Vなので3.8Vまで上げるのはバッテリーにダメージを与えそうなのでテストしなかった。

 

今回のテストで分かったこと。

① このアクティブバランサーを取り付けても完全にはバランスしない。

② セルの電圧が3.5~3.6Vのときには0.5A程度とバランス電流が小さい。

③ セルの電圧がバラつくので長期的には問題があるかも知れない。

④ 電圧暴走による昇天は避けられそう。

 

特に④は大きく、保険的にも付ける価値はある。

しかし、バッテリーのために一番良さそうなのは、

セルのバランスが全く崩れない満充電前にソーラーや充電器を切離ことだと思う。

 

今回の実験により、市販のBMS内蔵のリン酸鉄リチウムバッテリーが、どの程度バランスしているのか調べてみたい。

 

快適化やトラブル事例はこちらに沢山あります。

 

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4 コメント

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リン酸鉄リチウムバッテリー (町のバッテリー屋)
2019-06-04 06:49:07
うなぎさんはかなり難しいことをやられていますね。
実験内容がかなり深いところまで追及されるので大変興味深く面白く拝見しています。

電池関係の仕事に長年携わっていますが、リチウムバッテリーは分からないことが多いです。
最近、中古の電気自動車用のリチウムバッテリーをサブバッテリーとして使っているのを見ますが、これはかなり危険です。
充電も放電も限界を超えると発火の可能性が高く、みなさんどの程度危険かが分かっているのか疑問に思います。

リン酸鉄リチウムはその点安心なので、もう少し安価になればキャンピングカーのサブバッテリーとして今後普及するものと思います。
これからもときどきお邪魔させて下さい。
返信する
町のバッテリー屋さん (うなぎ)
2019-06-04 16:40:08
コメントありがとうございます。
最近はリン酸鉄リチウムバッテリーを積んでいるキャンカーも多く評判も良さそうです。
うちのジルのサブも来年には交換の必要がありそうなので、これを機会にと触手を動かしました。

リーフのリチウムバッテリーは取扱いによっては発火の危険もありそうですが、やはり積むなら自己責任ですね。
中古のバッテリーですからライフも気になりますが、安価なのは魅力です。
私も機会があれば試したいと思っていますよ。
返信する
相変わらず凄い~ (犬の写真家 高山健司)
2019-06-04 22:03:58
先日は私のブログへコメントいただきありがとうございました~
おかげさまで「もやぁ~」っとしていたところがハッキリしてきて大分すっきりしました!

リン酸鉄リチウムのテストブログとても楽しみに拝見させていただいております(*^-^*)
返信する
犬の写真家 高山健司さん (うなぎ)
2019-06-04 23:16:31
キャンピングカーでサブバッテリーは大きな問題ですね。
数年に一度交換の必要があるのと、高価なのでだれもが気になることだと思います。
ブログ上に公に書けないこともありますが、極端に深放電を繰り返さなければ充電での電圧設定は14.4Vで問題ないと思います。

リン酸鉄リチウムバッテリーは高価ですが、その分軽くて性能がいいのは確かのようです。
一般化するのも時間の問題でしょうね。
返信する

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