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ベバスト FFヒーターのOH

2017-05-14 |  FFヒーターOH

ベバストヒーターのOH

うちのZIL520は今年で8年目で走行距離も10万kmオーバーだ。
そろそろベバストのFFヒーターをOHしないとと思いながら1年経った。
今はFFヒーターをONにすると燃焼初めに少し白煙が出るようになった。

以前、ベバストのOHを販売店に相談したら、1~2週間の期間と部品代は別にして3~4万円の費用が掛かるらしい。
自宅から販売店まで遠いのと、車を預けている間は代車を借りないといけないので、何とか自分で出来ないものかと考えていた。

ネットで調べると、You Tubeに沢山事例もあるので何とか自分てやってみようと思い立つ。


必要な部品をパーツセンターに問合わせると何とも歯切れが悪い。
他を当たっても部品の供給は勘弁してほしいと丁寧に断られた。

安全上、FFヒーターの取付けやメンテは、メーカー教育を受けた者限定とする企業政策だろうから、ビルダーから部品の供給を受けるのは難しそうだ。

それならと、いつもお世話になる「ebay USA」で 「Webasto Air top 2000ST」と検索すると沢山出てくる。

国内では取扱いのないバーナースクリーンとOHに必要だと思われるガスケットをカード払いで発注。
4,000円弱の価格で1週間程度で届いた。

最近ではアリエクでも同じような物が安くあるのでそちらの方がいい。 (2023.12 追記)
純正品を使わなくても大丈夫。

 

 

ここまでは、1年前の話。
故障して動かないわけではないので、部品が有っても中々腰が上がらない。

今回 FFヒーターのOHを思い立ったのは、ZILにガス配管するのに下部に潜り込む為に、右側の車体をレベラーで上げたついでの事。

そうだ、ついでにFFヒーターのOHをしようと思い立った。

3rdシートを剥ぐってFFヒーターの上の補強材を撤去すると、これまでのゴミやほこりが顔を出す。
うちのはテーブルの下にも温風が出るようにダクトを増設している。

 

FFヒーターユニットを取るために補強材とダクトを外すと本体が顔をだす。

コネクターを抜くために上のカバーを外す。

 

今度は車の下に潜って排気と吸気、燃料パイプの撤去。
車の下へ潜って上向きで作業する場合は、目にゴミが入らないように保護メガネを掛けること。
必要な工具は、10mmスパナ、10mmソケットレンチ(首長さ15cm位)、7mmスパナ、8mmスパナ、ニッパー
排気パイプはボルト側を10mmスパナで緩める。(ナット側は11mm)
燃料パイプは7mmスパナを使うが無ければペンチで緩めてもOKだ。
吸気パイプは強く引けば抜けると思う。抜けなければホースバンドを8mmスパナで緩める。

白い管が排気、黒い管が吸気だ。

今回はOHが終わるまでキャンカーを動かさないので外した配管はそのままにした。

もしOHに時間を要すようであれば燃料パイプに箸でも突っ込んで燃料が出ないようにホースバンドを固定したほうがいい。
その他の配管もブラブラしないように適宜固定すること。
ガソリンをFFヒーターの燃料とする場合は特に注意 !!

 

 

配管と全てのネジを取去った状態。


燃料ポンプに行っている配線をコネクターから外す。
コネクターに付いているピンをコネクター側に押さえて抜けば外れる。

 

室内側からコネクター配線を抜く。結構ホコリだらけ。
コネクターに付いているプラスチック板を手前にこじて引き抜けば外れる。

 

えへへへっ。 外してしまえばこっちのものだ。 

分解する為に室内にシートを敷いてその上で作業した。ハウジングは印がついた箇所を押さえるときれいに外れる。

 

吸入口部分を外すと、内部はホコリだらけ。

 

ハウジングを外すと細かなホコリが沢山。
ここから必要な工具はマイナスドライバーとトルクスレンチ
T15 、T20 、T25 のトルクスレンチが必要だ。トルクスネジはプラスネジよりもトルクを掛けられネジ頭が潰れにくい。

トルクスレンチとネジ    Wikipediaより転載

 

 

ファンを外して掃除した。

ファンの撤去は先端の割れた部分にマイナスドライバーを入れて開くようにして羽を引くと外れる。


 

本体からファン部分を外した。


 

ファンとハウジングのガスケット。
最近の2000STは金属ガスケットなので破れにくく、再使用が可能だ。
昔のタイプはバルカーパッキンなので分解すると切れる。

 

外す前のバーナー。相当錆びているように見えるが表面がうっすらと錆びているだけだ。


 

バーナーを外して外筒部分。


 

外したバーナーASSY。
内部のバーナースクリーンに燃焼カスがこびり付いている。

黄色の配線がついているグロープラグを丁寧に外す。
グロープラグはこじると折れるので注意。
折れると部品代として17,000円程度掛かる。


 

燃焼外筒部分  大して汚れてないし、腐食も少ない。


 

燃焼ハウジング内部はススはあるが、それほどでもない。
よくやる間違いは、沢山堆積したすすの掃除だけで終わると、すぐに又、トラブルので注意。


 

バーナー筒を撤去。マイナスドライバーで無理やりこじて外した。


 

ステンレスウールを外した。穴にマイナスドライバーを突っ込んで軽くこじれば外れる。
これだけ見るとカスが相当溜まっている。ここがバーナーの一番重要な部分だ。

分解したら、バーナースクリーンだけは交換すること !!


 

ステンレスウールとバーナー本体間のスラッジが凄い。出来ればやはりもっと早めにOHした方が良さそう。

バーナーが不完全燃焼すると内部にどんどんカーボンが堆積して排気管やマフラーを詰らせる原因になる。

 

掻き出したゴミの拡大画像。インテークマニホールドにフィルターが付いてないので砂等も入って来る。
インテークマニホールドエンドパイプを何処に設置するかでFFヒーターの寿命が決まると言っても過言ではなさそう。
うちの場合は、車体フレーム上部に下向きに取付けられてゴミの侵入も少なそうな場所だった。

 

アルミ燃焼室内部のゴミとカーボン。カーボンよりもゴミの方が多い。


 

新しいステンレスウール。燃料は燃料パイプから直接ここに送られ、バーナースクリーン全体に広がる。
送る量は燃料ポンプのカチカチいう回数で調整されている。
日本国内ではバーナースクリーン単体の販売は無いらしい。交換はバーナーAssayになりそう。


 

バーナー本体もワイヤーブラシで丁寧に掃除。スラッジやサビもきれいになった。


 

掃除後の燃焼ハウジング。軽くサンドブラストするときれいになるがその必要はなさそう。


 

新しいステンレススクリーンを取付けた。
外れないようにペンチで内側に少し曲げている。
この作業が面倒だと思えば、バーナーASSYも販売されている。
ステンレスウール内の丸穴に見えるのは着火用のグロープラグ。
くどいようだが、グロープラグは折れやすいので取扱には注意する。


 

ステンレススクリーン単体が交換できなければ、バーナーASSEYを交換する。
バーナーASSEYはベバストだったら15,000円くらいすると思う。

 

分解したバーナー筒はツメをマイナスドライバーで叩いて曲げて固定する。
バーナー筒を外す場合は、マイナスドライバーを本体との隙間に入れてこじ開ける要領で外す。


 

あとは分解した逆の手順で組み立てる。

 

組立て後に早速試験運転したが、燃焼初めも煙も出なくて運転音もいたって静かだ。
今回はOHした時にゴミやカーボンがそれほど多く無かったので、排気管、マフラーも現在の物を使用したが、多い場合は、どちらも交換したほうがよいだろう。

FFヒーターの運転を始めて着火の時は少し白煙がでるが、それが10秒以上長く続いたり、黒煙が出る場合は早めのOHが必要だ。
OHは早めに行うと余計なものを交換しなくて済む。
FFヒーターがエラーで着火しないようになるとマフラー等にすすが溜まってマフラーまで交換するはめになる。

予防保全という言葉があるが、故障する前にメンテするのが結局は一番金がかからない。
10年間OHをしなくても大丈夫だったと言うのは自慢にも何もならない。
使わなかったら長持ちするのは当り前だし、有るものは有意義に使ってこそその価値を生む。

FFヒーターの取付けやメンテは、メーカーの教育を受けた者が行うようになっている。このようなOHはあくまで自己責任となるのでお忘れなく。

 

注 2017/6/25 追記
  2019/01/8 追記
  2023/12/10  追記

 

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コメント (3)
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