最前線の育児論byはやし浩司(Biglobe-Blog)

最前線で活躍するお父さん、お母さんのためのBLOG
http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/

●がんこな子供(コクーン症候群)

2008-06-19 09:00:51 | Weblog
【がんこな子ども】(高機能自閉症スペクトラム・コクーン症候群)

(症例1)

私が、その子ども(年長女児)に、こう話しかけたときのこと。
「今日は、いい天気だね」と。
その女の子は、こう言った。
「今日は、いい天気ではない!」と。

私「でも、いい天気でしょ」
子「あそこに、雲があるから、いい天気ではない!」
私「少しくらいあっても、いいじゃない。いい天気だよ」
子「雲があるから、いい天気ではない!」
私「でも、気持ち、いいでしょ。いい天気だから……」
子「雲があるから、いい天気ではない!」と。

(症例2)

学校の先生が、帰りのしたくのとき、子どもたちにこう告げた。
「今日は、みんなで、いっしょに帰ってください」と。
そこで小学校2年生のA子さんは、帰りの支度をすますと、靴箱の前に並んだ。
が、ほかの子どもたちは、数人ずつ、連れだって帰ってしまった。

A子さんは、そのまま靴箱の前で立っていた。
それを見つけた別の教師が、「どうして帰らないの?」と声をかけると、A子さんは、
こう言った。

「だって、みんなと帰る」と。
A子さんは、みながそこに集まるのを待っていた。

教師「もう帰らないと、真っ暗になってしまうよ」
A子「先生が、みんなといっしょに、帰りなさいと言った」と。

(症例3)

B氏は、妻Cさんの運転する車で、ドライブをしていた。
そのとき妻Cさんが、道をまちがえた。

B氏「おいおい、その角を右へ回るんだよ」
妻C「道がよく似ていたから……」
B氏「いつもは、その角を回っていたじゃない……」
妻C「あなたがしゃべっていたから、道をまちがえたのよ」
B氏「しゃべっていたって?」
妻C「運転しているときは、黙っていてよ」と。

B氏は、そんな妻Cについて、こう言う。

「ぼくの妻は、言われたことはきちんとする。
しかしそれ以上のことは、まったく、しない。
居間が汚れているから、『掃除機をかけてよ』と言うと、
掃除機をかけて、それでおしまい。
つぎに「散らかっているものを、集めてよ」と言うと、
散らかっているのを集めて、それでおしまい。

気になるのは、言葉の冗談が通じないこと。

大きなケーキを食べているとき、『そんなに食べると、
ブタになってしまうよ』などと言おうものなら、本気で
怒り出してしまう」と。

●アスペルガー症候群

自閉症は、自閉症と高機能自閉症に分けて考える。
さらに高機能自閉症とアスペルガー症候群は、分けて考える。

高機能自閉症の子どもは、日常的な会話に困難を示す。
これに対してアスペルガー症候群の子どもは、日常的な会話には、目立った困難さを示さない。

アスペルガー障害児の専門HP「コクーン」には、つぎのようにある。

+++++++++++++++以下、「コクーン」より++++++++

『……しかしながらアスペルガー症候群の子どもたちにも、よくコミュニケーション上の課題が認められます。語彙は豊富で、単語や知識を熟知していても、文脈や全体的な状況の中で、言葉を理解することが苦手です。比喩的表現、関係の中で意味が変わる抽象的表現、言外の意味や言葉の背後にある意味を伝える表現は、理解しにくく、他人の意図を取り違えることが多いのです。

具体的に、短く、明確に説明してもらわないと意味が理解しにくいことも多いのです。

 また、言葉の使い方(語用)に課題が多く、すぐれた言語表現能力をもっていいても、「今日はどうだった。」 「どうしょうか?」などの自由回答型で概括的な質問には、適切にこたえることができないことがあります。会話の根底にあるメッセージをうまく感じ取ることができにくいからです。一方論理的に回答がひとつ導かれる質問や自分に関心のあるテーマに応えることは得意です。
 
 またアスペルガー症候群、高機能自閉症共通の特徴として、表情、身振り、視線などの非言語的なサインで、メッセージを読みとったり、逆に相手に自分の気持ち伝えたりする非言語的コミュニケーションも、できにくいという。

 これらの特徴のために、相手と距離感がとれず人に近づきすぎたり、あるいは無視したり、避けたりしているようにみえることがあります。また時に一方的な饒舌にみえたり、場面緘黙のように見えたり、することもあります。人によってコミュニケーションの問題は形をかえて表現されるのです。

しかしいずれも相手の意図や文脈、状況がうまく読み取れないことは共通しています』(以上、「コクーン」より)と。

+++++++++++以上、「コクーン(cocoon club)」より++++++++++++

●がんこな子ども

高機能自閉症とか、アスペルガー症候群とかいう言葉が、一般的になったのは、
ここ10年ほどのこと。
それまでは、「がんこな子ども」と評され、その範囲で、位置づけされてきた。

このタイプの子どもは、あたかも「殻(から)」にこもってしまったかのように、
ときとして、異常なまでに、がんこになる。
ふつうの子どもなら、何かのミスをし、「あら、ごめん!」ですむような場面でも、
「私はまちがっていない」という立場で、どこまでも自分を主張する。
反対に、叱ったほうを、逆に攻撃することもある。

私、不注意で、花瓶を割った子どもに、「だめじゃないか、こんなことしたら!」
子、すかさず、「先生が、こんなところに花瓶を置いておくから、悪い!」
私「悪いって、ここがみんなからよく見えるところだからだよ」
子「先生だって、この前、粘土で作った私の工作をこわしたでしょ」
私「いつ……?」
子「うちで見たら、こわれていた」と。

一度、殻にはいってしまうと、そこから抜け出るのが容易ではない。
そのことだけに強い、こだわりを示すようになる。
そして一度、そうなると、融通性をなくし、ますますかたくなな態度を示すようになる。
こうした症状を総合して、「コクーン症候群」と呼ぶ人もいる。

●対処のし方

このタイプの子どもと、(おとなも、そうだが)、本気で対峙すると、
(怒り)がそのまま増幅されて、こちらのほうが、かえって気がおかしくなってしまう
ことがある。

たとえば、最後には、こんな会話になる。

私「あのね、花瓶を割ったら、すなおにごめんねと言えばいいの」
子「どうして、ごめんと言わなければならないの?」
私「花瓶を割ったからだよ」
子「私は割っていない。落ちたから、割れた」
私「わざとでなくても、不注意で割ったのだから」
子「どうせ、謝っても、許してくれないでしょ」
私「あのね、一言、『ごめんなさい』と言えば、それですむ話だよ」
子「だれだって、花瓶を割ることくらい、あるでしょ」と。

一度、その子どもが殻に入ったのを感じたら、先に、こちらのほうが、引きさがる。
引きさがって、それですます。
この子どものばあい、「私は悪いことをしていない」という殻の中に、入ってしまっている!

そのため説教したり、言葉で説明したりしても、意味はない。
言い方をまちがえると、かえってその子どもを、さらにがんこにしてしまう。
しばらく時間をおくか、一呼吸おいてから、その話題に触れる。
(そのときでも、殻に入ってしまうことが多いが……。)

言うべきことは言って、それですます。
もちろん症状にも個人差があり、軽重がある。
「他人とのコミュニケーションが、うまくとれない」というようなばあいには、
一度、各地にある、「発達障害センター」などの窓口に相談してみるとよい。

なお、年齢的には、もちまえの(がんこさ)は残るものの、思春期前後から、
症状は改善し、おとなになるころには、見た目には、わからなくなる。
それまでに大切なことは、症状を、こじらせないこと。
無理に強制したり、はげしく叱ったりするのは、タブーと心得ること。
とくに乳幼児期には、タブーと心得ること。

(はやし浩司 家庭教育 育児 育児評論 教育評論 幼児教育 子育て はやし浩司 Hiroshi Hayashi education essayist writer Japanese essayist 自閉症スペクトラム コクーン症候群 アスペルガー児 アスペルガー障害児 がんこな子ども はやし浩司 高機能自閉症 高機能自閉症スペクトラム)


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。