最前線の育児論byはやし浩司(Biglobe-Blog)

最前線で活躍するお父さん、お母さんのためのBLOG
http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/

●権威主義

2008-06-20 09:53:05 | Weblog

●内気、依存的な子ども

 内気、依存的な子どもについて、それは「性格」だとか、「性質」だとかと、誤解している人は多い。しかし誤解は、誤解。

 人間の心的エネルギー(リピドー)は、みな、共通である。その心的エネルギーを、前向きに出すか、あるいは反対にブレーキをかけるかで、積極的な子どもと、消極的な子どもに分かれる。

 もう少しわかりやすい例で考えよう。

 ここに100CCのバイクがある。良質な燃料をつんで、それなりの道で走れば、軽く150キロ・時のスピードが出る。しかしそのバイクでも、もし車輪にヒモやロープがからんでいると、車輪は回らない。回らない分だけ、スピードは遅くなる。ばあいによっては、止まってしまう。

 この車輪にからむヒモやロープが、子どもを、内気にしたり、依存的にしたりする。思いついたままで恐縮だが、そのヒモやロープになるものを、ざっと書いてみる。

● 過干渉……子どもの意思的な活動を阻害する。強度の過干渉は、子どものやる気を奪うのみならず、自我を軟弱にする。

● 設計図……「こうあるべき」という親の設計図が、子どもの自我をつぶす。子どもは、自信のない、ハキのない子どもになる。

● 過保護、溺愛……子どもから社会性をうばう。社会を生きるために必要な問題解決の技法を、身につけられなくなる。

● 威圧、暴力……親への恐怖心は、子どもの住む世界を、かぎりなく小さくする。とくに親の情緒不安ほど、子どもの心に悪影響を与えるものはない。

● 過関心……子どもの心を射抜くような視線、過関心は、子どもからハツラツとした「子どもらしさ」を奪う。

● マイナスのストローク……「あなたはやはりダメな子」式の暗示がかかってしまうと、子どもはその暗示の呪縛から抜け出られなくなる。

もちろん子ども自身の問題もある。いろいろな恐怖症、強迫観念など。同じ過干渉でも、それを受け取る側の子どもによっては、過干渉になったり、しないこともある。たとえばデリケートな子ども(例、過敏児、敏感児など)ほど、同じ刺激でも、より大きく反応する。

 ほとんどの親は、「どうしてうちの子は、内気なのでしょう。もっとハキハキさせる方法はないのでしょうか」という。しかしその原因のほとんどは、家庭教育の失敗(失礼!)である。だから子どもだけをみて、子どもをなおそうとしても意味がないばかりか、かえって症状を悪化させてしまう。

 改めるべきは、親の育児姿勢、育児態度、それに家庭環境である。……こう言い切るのは危険なことだが、しかしそれくらいの覚悟を、今の若い母親たちはもってほしい。
(030724)
(はやし浩司 家庭教育 育児 育児評論 教育評論 幼児教育 子育て はやし浩司 Hiroshi Hayashi education essayist writer Japanese essayist 権威主義 親の権威主義)



コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。