最前線の育児論byはやし浩司(Biglobe-Blog)

最前線で活躍するお父さん、お母さんのためのBLOG
http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/

●依存性

2009-02-15 05:27:14 | Weblog


●依存性(Dependence)

++++++++++++++++++++++++++++

依存性には中毒性がある。
依存される側を、「主者」とする。
依存する側を、「従者」とする。
一度、二者の間で依存関係ができると、主者はいつも主者となり、
従者は従者となる。
途中で、立場が入れ替わるということはない。
これについては、前にも何度か書いた。
そこでここでは、もう一歩、話を進める。

++++++++++++++++++++++++++++

●親子の依存性

実は、親子関係においても、この依存性が生まれることがある。
親が主者となり、子が従者となるケースが多い。
が、反対に、親が従者となり、子が主者となるケースもある。
一般的に、精神的欠陥、情緒的未熟性があると、従者になりやすい。
親側にそれがあれば、親が従者になる。

で、こうした依存性を、自分の中に感じたら、できるだけ早い時期に、
依存性と決別したほうがよい。
自分の親や、自分の子どもに感じたときも、そうである。
主者はますます主者になり、従者はますます従者になる。

従者は、「助けてもらうのが当たり前」という考え方をする。
そのためお金やモノの流れが、一方的になる。

で、親子のばあいは別として、(親子でもそうなるケースは多いが)、
従者が主者にそれだけ感謝しているかというと、それはない。
立場が逆転したとき、その分だけ、今度は従者が、主者を助けてくれるかというと、
それはない。

こんな例がある。

●麻痺する感覚

A氏(50歳)は、実母の実家ということで、長い間、伯父を財政的に援助してきた。
伯父は実家を守っていたが、定職はなかった。
そこで「小遣い」と称して、実母はそのつど、伯父に渡していた。
もとはと言えば、A氏が実母に渡したお金である。
ハンパな額ではない。
合計すると、年間、数百万円にはなった。
それを10年近く、つづけてきた。

が、A氏が50歳になったとき、A氏の事業が行き詰った。
一時的に多額の借金を負った。
そこでA氏はそれとなく伯父に打診してみたのだが、伯父は、だんまりを決め込んだ。
A氏はこう言った。

「私の窮状を知りつつ、音なしの構え。そればかりか、それとなく『うちは貧乏』と、
そればかりを口にするようになりました。
それもズルイ言い方をするのですね。『この3年間、旅行などしたことがない』とか、
『家の改築費に、600万円かかった。ローンの返済で、たいへん』とかなど。
実際には、町に空き地を買い上げてもらっていたのですが……」と。

だからA氏はこう言う。

「依存関係ができたら、その人を援助しても無意味です。感謝されるのは、最初だけ。
しばらくすると、それが当たり前になり、さらにしばらくすると、援助しないでいると、
逆に請求されるようになります。
それに応じないと、かえって恨まれることもあります」と。

なぜか。

●弱者の立場で

従者の心理を理解するためには、一度、弱者の立場に自分を置いてみる必要がある。
弱者には、弱者の論理がある。
こんな例で考えてみよう。

あなたの隣に、金持ちが住んでいる。
大型の外車に乗り、大きな家に住んでいる。
毎日、ごちそうを食べている。
が、あなたは貧乏。
その日の食費さえ、満足にない。
子どもの学費もままならい。

そんなある日、隣人が、金銭的な援助をしてくれた。
あなたは涙を出して、それを喜んだ。
が、あなたは一時的には感謝するかもしれないが、その気持ちは、いつまでも
つづかない。

あなたはそれまでにも、そしてそのときにも、別の心で、隣人をねたみ、そういった
不公平があることについて、大きな不満を感じていた。
だから「隣人が自分を助けてくれるのは当然」とまでは考えないにしても、
助けてくれたからといって、それまでのねたみや不満が消えるわけではない。
そのねたみや不満が、それまでにもていった慢性的な(怒り)が、
感謝の念を消してしまう。
むしろ助けてもらったことによって、ねたみや不満を増大させてしまうこともある。

●日本政府の援助

よい例が、日本政府が外国に対してする、政府間援助。
日本は毎年、東南アジアを中心に、70~80億ドル規模の、援助をしている
(政府開発援助・06)。
しかしそういう国々が、日本に対して感謝しているかといえば、それはない。
中国にせよ、韓国にせよ、東南アジアの国々やアフリカ諸国の国々にせよ、
いまだかって、日本に感謝したという例は、ひとつもない。
「援助をやめる」と言っただけで、逆に抗議される。

あのK国にいたっては、核兵器で脅して、日本から援助をとりつけようとしている!

だから冒頭の話に戻る。
依存性には、中毒性がある、と。

が、それでもだれかを助けたくなったら、どうするか?
そういうときは、無私、無欲、自分とは関係のない人に対してしたらよい。
人間関係を破壊したくなかったら、そうする。

そうそうもうひとつ。
援助するならするで、相手をよく見極めてからするのがよい。
「逆の立場だったら、この人は、私を助けてくれるか」と。
そういう目で、相手を見ながら援助するのがよい。

●依存性の内容について

依存性にも、(1)攻撃型と、(2)同情型、(3)服従型がある。
ある親に向って、自分の努力なさを棚にあげて、「こんなオレにしたのは、お前だろ!」と
叫んだ男性がいた。
「だから、オレの責任を取れ」と。
これを攻撃型依存性という。

一方、弱々しい自分を演じながら、相手に依存する人もいる。
相手が援助しなければならないように、相手を追い込んでいく。
ある男性は、「あなたが助けてくれなければ、一家心中です」と言って、相手に
援助させていた。
これを同情型依存性という。

さらに相手に、「あなたにすべてを任せます」といった様子を売りこんで依存する
ケースもあります。
ある女性は、実弟が生活費を渡すたびに、こう言った。
「大切に使わせてもらいます」と。
つまり(もらう)のが当然という考え方をする。
これを服従型依存性という。

(はやし浩司 家庭教育 育児 育児評論 教育評論 幼児教育 子育て はやし浩司
依存性 攻撃型依存性 服従型依存性 同情型依存性)

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。