あるマーケティングプロデューサー日記

ビジネスを通じて出会った人々、新しい世界、成功事例などを日々綴っていきたいと思います。

広告の原体験5/スナックのママへの取材

2007-09-07 23:15:07 | クリエイティブ
今でも、鮮烈に覚えています。

スナックのある最寄り駅を降り、昼間のスナックの扉を開けた時のあの緊張感。

昼間のママは、夜の妖艶さとはまた違った雰囲気を漂わせていました。

当時は、まだ入社1年目。取材の経験も十分に積んでいない状態でしたが、「ママという人間をとことんさらけ出してみよう」という好奇心は満々でした。

このスタンスは、今も同じです。

取材の本質は、インタビューのテクニックではなく、“人間というものへの好奇心”だと思います。

そんな好奇心と緊張感の中、取材は始まりました。

「ママのご出身はどちらですか~」
「私、岡山なのよ。岡山の田舎。だから、帰省は大変よ。いつも愛車のマークⅡで、140キロで飛ばして帰るんだから」
「…。」

質問に対する答えが、それぞれインパクトあり過ぎです。

得意な料理や手伝ってくれる女の子へのメッセージなどをお聞きし、この日は取材ノートにびっしり書いて、スナックを後にしました。

当時住んでいたリクルート中野寮の部屋に戻り、そのノートをもう一度読み返しながら、この内容を5センチ×8センチの小さなスペースでどう伝えるかを考えました。

広告制作は、ある意味“削る”作業です。

何でも伝えようとすると、何にも伝わりません。ターゲットの顔を想像しながら、他との差別化ポイントに絞り、いかに早く届く表現にできるか。

そのインパクトある表現イメージを一晩中、考えていました。そして、あるアイディアが閃きました。

つづく

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