あるマーケティングプロデューサー日記

ビジネスを通じて出会った人々、新しい世界、成功事例などを日々綴っていきたいと思います。

政治宣伝の天才ヒットラー

2005-04-14 22:15:45 | 広告の歴史
昨日書いたレニ・リーフェンシュタールは、天才カメラマンでした。

しかしその才能を見抜き、プロパガンダに最大限利用したのは、あのヒットラーです。

彼は、政治宣伝の天才でした。

彼にはゲッペルスという参謀がいましたが、ゲッペルスももともとはヒットラーの街頭演説に感化され、ナチスの運動に参加したのです。

ゲッペルスは、こう語っています。

「彼の演説は、最初はためらいがちで、はにかんでいるようだった。

それはまるで、思想が偉大すぎて、普通の思想の枠に収まらず、ぴったりな言葉を手探りで探し求めている―そんな感じだった。

それから、だしぬけに言葉が響きを持ち始めた。

それにつれて聴衆は次第に興奮状態になり、こぶしをふりあげる者や泣き出す者も現れた。

私は凍えとほてりを交互に感じ、そして気が付くと、我を忘れて万歳を叫んでいた。

と、はるか壇上に立っていたヒットラーが、一瞬私を見た。

彼の青い目は、炎のように私の目を焼いた。神の声だ!

その瞬間、私は自分の進むべき道を知ったのである。」

ヒットラーの著書「我が闘争」を読むと、実は人を感動させるようなものは何もありません。

彼は大衆を動かすのは“論理”ではなく、“感情”であること、“言葉”よりも“音楽”であることを熟知していました。

そして、演説の中身を精査するのは、一握りのインテリに過ぎないことを見抜いていました。

演説の直前、彼は鏡の前で何時間も練習をし、演説が終わった後、彼の体重は3キロ減っていたそうです。

広告のメカニズムを研究する上で、ヒットラーは避けて通ることのできない存在です。

最新の画像もっと見る