昨日の小保方さんの会見をリアルタイムで見ていました。
(有給休暇をとったので)
まず、質問する側の記者のなかに、「割烹着」だとか「実験室の壁の色」
などゴシップ記事の感覚で質問をする人が何人かいました。
当然、ニュース番組では、そのような質問は放映されていませんが、
あまり愉快とはいえないものでした。
また、「実験ノート」の冊数についての質問もあがりました。
しかし、本件では実験ノートの冊数なんかは問題ではないのです。
そこに、「なにが書かれているのか」が問題なのです。この件の本質は、
『「STAP細胞」はすくなくとも1度は実験室内で作成されて実在した。』
という命題の真偽です。ここだけを確認し、命題の真偽いずれかを証明する
証拠、または、論理が提案されればよかったのです。今回は残念ながら、
この命題の真偽判定にはいたらなかったのですが。
会見での小保方さんの発言で、STAP細胞を生成するレシピはある、
しかし、コツも必要、ということでした。コツをつかむということは、
【技能】が重要な要素である、ということです。つまり、STAP細胞生成は
まだ、【技術化】されていないのです。
私は技術の定義として、
【技術】=【転写性】=『再現性』+『線形性』と提案しています。
http://www8.ocn.ne.jp/~qchoney/26501.html
↑の『パラメータ設計』【パラメータ設計と進化論】を
ご覧ください。
今回、論文の記載資料の内容と取り扱いについて、小保方さんは
批判されても致し方ないかもしれませんが、論文の趣旨は
「STAP細胞を生成する技術」に関するものではなく、
「STAP細胞が存在し、生成することができた」という報告の
論文ですから、私個人的には、論文を訂正して再度発表すればよい、
と思うのですが。そして、一刻も早く、「STAP細胞生成の技術化」を
めざしてほしいです。
小保方さんの実施した実験は、仮説検証のガリレオ型ではなく、
研究対象にいろいろな刺激をあたえ、研究対象の応答を観察することで
研究対象を解明していく、というベーコン型になると思います。
一般的にベーコン型の実験では、実験環境の管理と記録が十分に
なされていないと、再現性の獲得は難しくなります。それは、
日々変化する管理や計測できない環境ノイズが実験におおきな影響を
及ぼしている可能性があるからです。
品質工学のパラメータ設計もベーコン型といわれていますが、
2通り以上の強烈なノイズ環境下で実験することによって、
実験室(実験環境)の管理しきれないノイズの影響を、そのふたつの
ノイズ環境の影響に埋もれさせるという戦術を取ります。
今後のチャレンジにぜひ、品質工学を使ってもらいたいなぁ。
会見を見終わって、なぜか、ももクロちゃんの『労働讃歌』の
歌い出しが浮かびました。
「いまや、運命は我らにかかった、上の連中は、サッサと逃げちまった、
立場だなんだありゃ、そりゃそうするよな・・・」
毎年春先に妻の実家で恒例となっているバーベキューには、
いつも私のオリジナルソースに漬け込んだスペアリブと
スパイス調合からはじめるタンドリーチキンを持参します。
そして、私が焼き、仕上げます。家族以外の参加者にも大好評です。
しかし、今年は都合により参加できません。そのため、妻の妹たちから
スペアリブソースとタンドリーチキンのレシピを教えてほしいと
頼まれたので先日メールしました。
しかし、私の味は絶対に再現できないと思います。ソース作りにも
焼きにもコツがあるからです。
とくに仕上げの焼きは、その日の炭火の様子にあわせたグリル網と
炭の位置、肉の配置、肉を返すタイミングなど「技術化」できない
「技能」のかたまりです。彼女たちの努力と奮闘の様子と、それを
食べたときの評価、いずれ聞いてみようと思います。
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