「災害・防災を語りつぐシンポジウム」-被災地から未来へ
公明新聞1月16日2019年 要点抜粋箇条書き
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佐藤敏郎(小さな命の意味を考える会)代表
3.11後、同年5月の生徒たちの俳句
「ただいまと
聞きたい声が
聞こえない」
「見たことない
女川町を
受け止める」
「窓ぎわで
癒えてくるのは
未来の町」
「夢だけは
壊せなかった
大震災」
私たちは震災で言葉を失っていた。それが、この(俳句の)授業で初めて言葉にできた。中略 前に進むのに必要な「何か」をみつけられたのだと思う。事実生徒たちは早速、前へと歩み始めた。
堂々と「津波」を語り、「1000年先の命を守りたい」と言い出したのだ。町内21カ所の浜に3.11の教訓を伝える「いのちの石碑」を建てるプロジェクトもその一つ。中略
これまで17基を完成させた。夢を追う活動は、20歳になった今でも続いている。
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諏訪 清二 防災学習アドバイザー・コラボレーター
教育現場の語りが、「美しくまとまりすぎ」「結論を押し付ける」傾向が強い。大人からの一方的な「語り」以上に若者同士の「語り合い」が大切。
若者や子どもに伝わるのは同じ世代の語りであることを痛感した。災害体験を語る意味は二つある。
1-社会全体の防災力を向上させる→断定的な、ある意味、マニュアルに沿った語りが求められる。
2-聞く側に「戸惑い」を与えるような、言うならば、「個人的意味」を持つ語りも欠かせない→揺れがあり、葛藤があり、整理できていない、そんな語りにも接して、人は初めて防災を観念から行動へ移す。
「未災地」の若者も、被災者から聞いて感じた自分なりの思いをそのまま伝えれば、それ充分。 求められるのは、被災地と未災地の若者をつなぐ場なのであって、それは大人の責任である。