尾崎コメント
1-「福祉なくして生活再建なし」というテーマで 「災害ケースマネジメントの現在地と未来への道標」のセッションが仙台市で行われました。(3月7日~9日)
2-津久井進弁護士は「災害」を「憲法13条の幸福追求権が損なわれた状態」と定義し、
「復旧・復興・生活再建とは一人一人の人権を回復することだ」と強調しました。
3-災害にそなえて、国や自治体、NPO、医療や法律などの専門家が平時から連携する必要性があります。
4-政府が先の閣議決定(2025年3月)で災害法制に福祉的支援を位置付けました。
このことにより「災害ケースマネジメント」の「切れ目なく社会保障を提供する」という目的の推進が確実になりました。
5-このような結果を生み出した流れは、2023年5月末、政府が国や自治体の災害対応の基礎となる防災基本計画を修正し、初めて災害ケースマネジメントの整備促進を明記したことによります。
6-政府は2023年3月、災害ケースマネジメントの普及に向けた自治体用の手引きを作成。発災直後から生活再建へ至る段階ごとの対応方法を具体的に示すとともに、東日本大震災の仙台市や岩手県盛岡市、西日本豪雨の岡山県倉敷市などでの実例を紹介しました。
7-しかしながら、災害ケースマネジメントを導入している自治体はまだ少ないので、被災経験の少ない自治体も含め「全国どこでも取り組めるようにするため、地域防災計画に記載するようにしてはどうか」と提案は重要かと思います。
8-今の被災者支援制度では、住宅に被害があった場合、建物そのものは支援するけれども“人”には支援が行き届かない。制度から人がこぼれ落ちてしまう実態がある以上災害関連死の発生が予想されます。地域防災計画と連動した災害ケースマネジメントの普及を望みます。
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災害ケースマネジメント 3・11の経験と教訓、次世代へ 第4回世界防災フォーラムから/仙台市
2025/03/11 3面 公明新聞
■災害ケースマネジメント「福祉なくして生活再建なし」
「災害ケースマネジメントの現在地と未来への道標」のセッションでは日本弁護士連合会災害復興支援委員会・前委員長の津久井進弁護士が「災害」を「憲法13条の幸福追求権が損なわれた状態」と定義。「復旧・復興・生活再建とは一人一人の人権を回復することだ」と強調した。
わが国では平時、住宅・医療・保健・福祉といったサービスの大半は民間が提供している。だが、災害時は自治体が対応し“不慣れな担い手”が支援せざるを得ないのが現状だ。こうした課題を大阪公立大学大学院の菅野拓准教授は指摘し、国や自治体、NPO、医療や法律などの専門家が平時から連携する必要性を主張。「福祉なくして生活再建はない」「切れ目なく社会保障を提供するのが災害ケースマネジメント」と訴えた。さらに、政府が先の閣議決定で災害法制に福祉的支援を位置付けたことで人道的支援が前進すると期待を寄せた。
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■災害ケースマネジメント 追記情報
2023/06/27 1面 公明新聞
被災者が抱える住まいや生活上の不安といった多様な課題に対し、伴走型で支援する「災害ケースマネジメント」と呼ばれる取り組みが全国の自治体で加速する。政府は5月末、国や自治体の災害対応の基礎となる防災基本計画を修正。初めて災害ケースマネジメントの整備促進を明記した。内閣府は自治体側に体制づくりを呼び掛ける。公明党の提案によるもので、被災経験の少ない自治体にも取り組みが広がることが期待される。
災害ケースマネジメントは、自治体が弁護士や保健師、建築士、民間団体などと連携し、被災者一人一人の悩みやニーズを戸別訪問して聞き取ることで、適切な支援につなげて生活再建を後押しする取り組み。被災者の中には、行政の窓口に行くことが難しかったり、各種支援制度の情報が届かなかったりするケースがあり、そうした人をきめ細かくサポートする。実際に東日本大震災や熊本地震の被災地などで実施されてきた。
一方で、災害ケースマネジメントを導入している自治体はまだ少なく、被災経験の少ない自治体にとっては、平時からどのような準備をすればいいのか想定しづらいという課題もあった。そこで政府は今年3月、災害ケースマネジメントの普及に向けた自治体用の手引きを作成。発災直後から生活再建へ至る段階ごとの対応方法を具体的に示すとともに、東日本大震災の仙台市や岩手県盛岡市、西日本豪雨の岡山県倉敷市などでの実例を紹介している。
災害ケースマネジメントについて公明党は、2018年1月の参院予算委員会で山本香苗氏が国会で初めて取り上げ、全国展開を主張。国と地方の議員が一体となって推進し、自治体向けの事例集や手引きの作成も後押ししてきた。
今年3月の参院予算委では、横山信一氏が被災経験の少ない自治体も含め「全国どこでも取り組めるようにするため、地域防災計画に記載するようにしてはどうか」と提案していた。
■公明が現場の声拾ってくれた/認定NPO法人フードバンク岩手 阿部知幸事務局長
災害ケースマネジメントを全国で展開しようと活動している。国の防災基本計画に盛り込まれたことの意義は大きく、率直にうれしい。
今の被災者支援制度では、住宅に被害があった場合、建物そのものは支援するけれども“人”には支援が行き届かない。制度から人がこぼれ落ちてしまう実態を、東日本大震災以降、多くの被災地で何度も見てきた。
そうした実態に最初に気付き、現場の声を拾ってくれたのが公明党だ。国会で取り上げ、首相から「災害ケースマネジメントの仕組みづくりを進めたい」との答弁を引き出してくれたことで、取り組みが大きく進んだ。感謝しかない。
今後は災害救助法を改正するなどして、自治体の財源を確保することが重要だ。実現に向けて応援をお願いしたい。