「命を守る・人が死なない!防災士-尾崎洋二のブログ」生活の安心は災害への万全な備えがあってこそ。命と生活の安全保障を!

防災の第一目的は命を守ること。「あの人を助けなくては」との思いが行動の引き金となります。人の命を守るために最善の行動を!

災害ケースマネジメント 3・11の経験と教訓、次世代へ 第4回世界防災フォーラム-仙台市-2025-03

2025年03月12日 04時45分23秒 | 被災者支援法

尾崎コメント

1-「福祉なくして生活再建なし」というテーマで 「災害ケースマネジメントの現在地と未来への道標」のセッションが仙台市で行われました。(3月7日~9日)

2-津久井進弁護士は「災害」を「憲法13条の幸福追求権が損なわれた状態」と定義し、

「復旧・復興・生活再建とは一人一人の人権を回復することだ」と強調しました。
3-災害にそなえて、国や自治体、NPO、医療や法律などの専門家が平時から連携する必要性があります。

4-政府が先の閣議決定(2025年3月)で災害法制に福祉的支援を位置付けました。

このことにより「災害ケースマネジメント」の「切れ目なく社会保障を提供する」という目的の推進が確実になりました。

5-このような結果を生み出した流れは、2023年5月末、政府が国や自治体の災害対応の基礎となる防災基本計画を修正し、初めて災害ケースマネジメントの整備促進を明記したことによります。

6-政府は2023年3月、災害ケースマネジメントの普及に向けた自治体用の手引きを作成。発災直後から生活再建へ至る段階ごとの対応方法を具体的に示すとともに、東日本大震災の仙台市や岩手県盛岡市、西日本豪雨の岡山県倉敷市などでの実例を紹介しました。
7-しかしながら、災害ケースマネジメントを導入している自治体はまだ少ないので、被災経験の少ない自治体も含め「全国どこでも取り組めるようにするため、地域防災計画に記載するようにしてはどうか」と提案は重要かと思います。
8-今の被災者支援制度では、住宅に被害があった場合、建物そのものは支援するけれども“人”には支援が行き届かない。制度から人がこぼれ落ちてしまう実態がある以上災害関連死の発生が予想されます。地域防災計画と連動した災害ケースマネジメントの普及を望みます。

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災害ケースマネジメント 3・11の経験と教訓、次世代へ 第4回世界防災フォーラムから/仙台市

2025/03/11   3面  公明新聞

■災害ケースマネジメント「福祉なくして生活再建なし」

 「災害ケースマネジメントの現在地と未来への道標」のセッションでは日本弁護士連合会災害復興支援委員会・前委員長の津久井進弁護士が「災害」を「憲法13条の幸福追求権が損なわれた状態」と定義。「復旧・復興・生活再建とは一人一人の人権を回復することだ」と強調した。

 わが国では平時、住宅・医療・保健・福祉といったサービスの大半は民間が提供している。だが、災害時は自治体が対応し“不慣れな担い手”が支援せざるを得ないのが現状だ。こうした課題を大阪公立大学大学院の菅野拓准教授は指摘し、国や自治体、NPO、医療や法律などの専門家が平時から連携する必要性を主張。「福祉なくして生活再建はない」「切れ目なく社会保障を提供するのが災害ケースマネジメント」と訴えた。さらに、政府が先の閣議決定で災害法制に福祉的支援を位置付けたことで人道的支援が前進すると期待を寄せた。

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■災害ケースマネジメント 追記情報

2023/06/27 1面  公明新聞

 被災者が抱える住まいや生活上の不安といった多様な課題に対し、伴走型で支援する「災害ケースマネジメント」と呼ばれる取り組みが全国の自治体で加速する。政府は5月末、国や自治体の災害対応の基礎となる防災基本計画を修正。初めて災害ケースマネジメントの整備促進を明記した。内閣府は自治体側に体制づくりを呼び掛ける。公明党の提案によるもので、被災経験の少ない自治体にも取り組みが広がることが期待される。


 災害ケースマネジメントは、自治体が弁護士や保健師、建築士、民間団体などと連携し、被災者一人一人の悩みやニーズを戸別訪問して聞き取ることで、適切な支援につなげて生活再建を後押しする取り組み。被災者の中には、行政の窓口に行くことが難しかったり、各種支援制度の情報が届かなかったりするケースがあり、そうした人をきめ細かくサポートする。実際に東日本大震災や熊本地震の被災地などで実施されてきた。

 一方で、災害ケースマネジメントを導入している自治体はまだ少なく、被災経験の少ない自治体にとっては、平時からどのような準備をすればいいのか想定しづらいという課題もあった。そこで政府は今年3月、災害ケースマネジメントの普及に向けた自治体用の手引きを作成。発災直後から生活再建へ至る段階ごとの対応方法を具体的に示すとともに、東日本大震災の仙台市や岩手県盛岡市、西日本豪雨の岡山県倉敷市などでの実例を紹介している。

 災害ケースマネジメントについて公明党は、2018年1月の参院予算委員会で山本香苗氏が国会で初めて取り上げ、全国展開を主張。国と地方の議員が一体となって推進し、自治体向けの事例集や手引きの作成も後押ししてきた。

 今年3月の参院予算委では、横山信一氏が被災経験の少ない自治体も含め「全国どこでも取り組めるようにするため、地域防災計画に記載するようにしてはどうか」と提案していた。

公明が現場の声拾ってくれた/認定NPO法人フードバンク岩手 阿部知幸事務局長

 災害ケースマネジメントを全国で展開しようと活動している。国の防災基本計画に盛り込まれたことの意義は大きく、率直にうれしい。

 今の被災者支援制度では、住宅に被害があった場合、建物そのものは支援するけれども“人”には支援が行き届かない。制度から人がこぼれ落ちてしまう実態を、東日本大震災以降、多くの被災地で何度も見てきた。

 そうした実態に最初に気付き、現場の声を拾ってくれたのが公明党だ。国会で取り上げ、首相から「災害ケースマネジメントの仕組みづくりを進めたい」との答弁を引き出してくれたことで、取り組みが大きく進んだ。感謝しかない。

 今後は災害救助法を改正するなどして、自治体の財源を確保することが重要だ。実現に向けて応援をお願いしたい。

 

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災害法制に「福祉の視点」  助かった命 失わせない

2025年03月07日 04時53分18秒 | 被災者支援法

尾崎コメント:
1- せっかく助かった命が失われる事態があってはなりません。
関連死の発生は「 日本国憲法第二十五条」違反の疑いがあります。
  日本国憲法第二十五条は、(1)「すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権
利を有する。」 (2)「国は、すべて の生活部面について社会福祉、社会保障及び公衆衛
生の向上及び増進に努めなければならない。」 と、規定しています。
これは国民には生存権があり、国家には生活保障の義務があるという意味です。
2-災害関連死をなくすには確固たる「福祉の視点」が必要です。
3-やっと災害対策基本法に「福祉の視点」が取り入れられました。
このことによって災害時の福祉活動に対する公的な支援や財源の拡充が期待されるほか、
平時から関係団体が準備を進めやすくなります。
また災害派遣福祉チーム(DWAT)の活動範囲を広げて在宅や車中泊の避難者らにも
必要なケアが届けられるようになります。
4-この「福祉の視点」をいかに広く、深く、システム化していくかが課題かと思います。
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公明ニュースプラス
災害法制に「福祉の視点」 
助かった命 失わせない/改正法案、被災者の健康・生活守る 
2025/03/06 2面  公明新聞
■(公明)現場の声を受け止め、対策を粘り強く訴え
 せっかく助かった命が失われる事態があってはならない――。2月14日に閣議決定され
た災害対策基本法などの改正案は、公明党の主張を反映して災害時の「福祉サービスの提
供」が明記されるなど、福祉的支援の充実をめざす内容となっている。これまでの災害で
浮き彫りとなった課題を踏まえ、公明党は被災者に寄り添いながら一貫して法改正を主張

今国会での実現に総力を挙げる。


■在宅避難者をケア、平時から備え強化
 「精神障がいにより避難所での共同生活はストレスになる」「壊れていても長年過ごし
た自宅の方が気が休まる」――。昨年元日に発生した能登半島地震では、さまざまな理由で
在宅や車中泊で避難生活を送る人が相次いだ。
 一方、現状では、介護福祉士や社会福祉士などで構成される災害派遣福祉チーム
(DWAT)は、避難所を中心に高齢者らの体調確認や相談支援に当たっている。今回の
改正案では、この活動範囲を広げて在宅や車中泊の避難者らにも必要なケアが届けられる
ようになる。福祉関係者との連携強化も盛り込まれた。
 法的な裏付けにより、災害時の福祉活動に対する公的な支援や財源の拡充が期待される
ほか、平時から関係団体が準備を進めやすくなる。いざというときに福祉のプロが駆け付
けてくれることは、被災自治体にとって心強い。


■高齢化率が年々上昇、関連死の懸念増大
 高齢化率が年々上昇し、福祉の需要は高まり続けている。発災前まで元気だったとして
も、特に高齢者らは被災後、十分に体を動かせない生活が長期化し、健康状態が悪化すれ

ば、生活不活発病や災害関連死が懸念される。顕著となったのが、2011年の東日本大
震災だ。
 公明党は災害のたびに国会議員と地方議員が現場に飛び込み、被災地で聴いた声を基に
、要配慮者の個別避難計画の作成や、被災者の多様な課題に伴走支援する「災害ケースマ
ネジメント」の実施などを一つ一つ推進してきた。
 国会でも法改正を訴え続け、24年3月の参院予算委員会では山本香苗参院議員(当時
)が、災害救助法の救助の種類に介護などの福祉が含まれていないと指摘し「災害から命
を守るだけではなく、災害発生後の災害関連死を防ぐ、予防することが必要だ。福祉を明
記するよう法改正を」と強調。岸田文雄首相(同)が国会で初めて改正に言及した。
 また、同月には党災害法制見直し検討委員会も設置し、被災地支援に携わる福祉関係者
や団体、識者などとも協議を重ねてきた。
 災害法制に「福祉」の視点を取り入れることについて、党復興・防災部会長の中川宏昌
衆院議員は「被災者に徹して寄り添い、現場の声を真剣に受け止めてきた公明党の強い決
意だ」と強調。地方議員とも連携して、被災者支援のさらなる強化へ情熱を燃やす。

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ここから未来を開く 宮城・大川小学校のこと  東日本大震災からの学び-「大川伝承の会」共同代表 佐藤敏郎さん

2025年03月04日 05時22分56秒 | 大川小学校の悲劇

〈防災――身を守る行動〉 
ここから未来を開く 宮城・大川小学校のこと 
東日本大震災からの学び-「大川伝承の会」共同代表 佐藤敏郎さん


防災の本質を伝えています。
a- 特別ではない日に、特別ではない場所に災害はやってきます。
b- どんな準備をして、その日を迎えるのか。それが防災ですよね。
c- 防災は完璧を求めなくてもいい。しかし、本気で取り組むことだ
d- 命を守るために本気になれば、実態に即した備えができます。だからこそ完璧でな
くていいから、平時から本気で防災に取り組む。これが未来につながる本質的な学
びだと実感しています。
e- 最悪を想定した訓練を行い、失敗するぐらいでいいと思います。
f- 「津波てんでんこ」とはそういうことです。しっかりとした覚悟が必要なのです。
それは、この子を守るために絶対に生き抜くという愛情でもあります。
g- 元気よく「ただいま」を言うことが、防災です。
h- どんなことがあっても生きて家に帰る。これが防災です。 
i- 夢と目標がある。その未来にたどりつくために防災があります。
j- 恐怖だけの防災は駄目なのです。
k- 防災はハッピーエンド。幸せな未来のために本気になって備えることです。


--------------要旨 箇条書きまとめ----------------


1- 東日本大震災から間もなく14年。宮城県石巻市立の大川小学校では、津波によって児
童74人、教職員10人の尊い命が奪われました。
2- 特別ではない日に、特別ではない場所に災害はやってきます。
3- 地震発生後、子どもたちは、先生の指示で校舎を出て、校庭に並びます。しかし、学
校の目の前には山がありました。シイタケ栽培の体験授業が行われるなど、子どもた
ちが何度も登っていた山。校庭から1分で行けました。津波が大川小学校をのみ込んだ
のは、地震発生から51分。ゆっくりと、山に避難すれば、全く問題はありませんでし
た。半数以上の児童が利用していたスクールバスも待機していました。
4- しかし、先生の判断で子どもたちは、ずっと校庭にとどまってしまいました。
5- 大川小学校の危機管理マニュアルに、避難先は空き地や公園とだけ記載され、具体的
な場所は明記されていませんでした。この時になって先生たちは、山に避難するか、
校庭にとどまるか、話し合っていたようです。
6- しかし、その間にも、消防の広報車がサイレンを鳴らして、避難を呼びかけていまし
た。「逃げろ」と言いに来た住民もいるし、子どもを迎えに来た保護者も「山に逃げ
て」と先生に訴えています。もちろん、子どもも「先生、山に逃げっぺ」と言ってい
ます。山に向かって走りだした子どもたちもいましたよ。だけど、先生から校庭に戻
されてしまったのです。そして、広報車は津波が迫っていることを伝えました。
7- 先生の指示で避難を開始したのは津波が来る1分前でした。山に逃げていれば、まだよ
かったかもしれません。しかし、向かったのは橋のたもと。津波に向かっていったの
です。しかも、広い道ではなく、狭い道を通って。大川小学校の避難は、1列で1分間
でした。
8- どんな準備をして、その日を迎えるのか。それが防災ですよね。
9- 防災は完璧を求めなくてもいい。しかし、本気で取り組むことだ
10- 大川小学校にも、十分に逃げる時間がありました。目の前には山もありました。避難
も呼びかけられていました。さらに、宮城県では毎年のように99%(30年以内に)の
確率で津波が来る、地震が来ると注意喚起もされていました。「時間」「場所」「情

報」「想定」がそろっていました。しかし、これ自体が命を守るのではありません。
山が命を救うのではなく、登るという「行動」が命を救うのです。
11- あの時、いち早く避難した学校の多くは「逃げるかどうか」「どこに逃げるか」が事
前に決まっていました。
12- 能登半島地震でもそうでした。東日本大震災以降、真剣に準備して継続的に避難訓練
を行っていた地域がありました。地震当日、「気が付いたら避難所にいた」と言いま
す。パニックになりながらも、考えることなく、避難をしていたのです。事前の備え
が未来を変えるのです。
13- そして大震災時、大川小学校以外にも備えが不十分だった学校はあります。津波がず
れていたら、大きな被害になっていたかもしれません。だからこそ、問われるのはあ
の日の校庭での出来事ではなく、その日までにどんな準備をしていたのかということ
です。
14- パニックの中でも、命を守るための行動につながる備えをすることです。防災は完璧
を求めると、細かくなりすぎて、いざという時に行動につながらない場合があります

15- しかし、命を守るために本気になれば、実態に即した備えができます。だからこそ完
璧でなくていいから、平時から本気で防災に取り組む。これが未来につながる本質的
な学びだと実感しています。
16- 最悪を想定した訓練を行い、失敗するぐらいでいいと思います。
17- 津波てんでんこ: 津波が来たら家族や他人を気にせず、各自が速やかに避難する
18- 「この子が言葉を分かるようになったら必ず言わなきゃいけない。お母さんは迎えに
行かないよ」「すぐに逃げるんだよ」と。「津波てんでんこ」とはそういうことです
。しっかりとした覚悟が必要なのです。それは、この子を守るために絶対に生き抜く
という愛情でもあります。
19- そして、わが子を迎えに行かないためには、安否確認の方法や集合場所などを事前に
決めておく必要があります。やはり、本気になって準備をすることです。
20-  大切な人を待っていたり、迎えに行ったりして津波にのみ込まれた過去がきっとあ
りました。その悲しみに向き合って生まれた言葉が「津波てんでんこ」。シンプルか
つ想いが込められた言葉です。
21- 元気よく「ただいま」を言うことが、防災です。子どもだけでなく、大人にもいえる
ことです。
22- あの日、言えなかった、また聞けなかった「ただいま」がいっぱいありました。どん
なことがあっても、会いたい家族や友達がいます。だからどんなことがあっても生き
て家に帰る。これが防災です。 
23- 静岡県沼津市のサッカーチームの子どもたちと話したことがあります。南海トラフ地
震で壊滅状態になっても、次の日、このメンバーでサッカーをすると言っていました
。これも防災です。夢と目標がある。その未来にたどりつくために防災があります。
24- 津波は怖い。逃げれば助かる。恐怖をあおればあおるほど、自分は大丈夫だと、考え
るのをやめてしまう人がいます。被災地の悲惨な状況をメディアが発信します。大変
だな。かわいそうだな。そう思うほど、被災地は別世界と感じてしまう人もいます。
恐怖だけの防災は駄目なのです。
25- 防災はハッピーエンド。幸せな未来のために本気になって備えることです。
26-  毎週のように小学生や中学生が大川小学校に来てくれます。来た人には“大川小学校
は未来を拓く場所”と話してくださいとお願いしています。それを聞いた人は大川小学
校のことを考えてくれるはずです。そうやってつながっていきたいと思っています。

-----以下 本文 聖教新聞 2025年3月2日-----


〈防災――身を守る行動〉 

ここから未来を開く 宮城・大川小学校のこと 

東日本大震災からの学び
「大川伝承の会」共同代表  佐藤敏郎さん


 東日本大震災から間もなく14年。宮城県石巻市立の大川小学校では、津波によって児
童74人、教職員10人の尊い命が奪われました。学校管理下での大惨事となり、2018年に閉
校。校舎は震災遺構として、21年から一般公開されています。当時、大川小学校の6年生
だった次女を亡くした佐藤敏郎さんは震災後、「大川伝承の会」を立ち上げ、語り部とし
て各地で防災意識の向上に尽力してきました。あの日の出来事、そこからの学びについて
語ってもらいます。


娘の小学校の卒業式を間近に控えていた時でした。3月11日は中学校の制服が出来上が
る日。下校したら、娘は祖父母と一緒に制服を受け取りに行こうと考えていました。
 
 しかし、残念ながら、娘は中学校の制服を着ることができませんでした。小学6年生で
あれば、卒業式があって、中学校の入学式がある。当たり前の日常です。
 
 特別ではない日に、特別ではない場所に災害はやってきます。
 
 あの日、隣町の女川第一中学校で教師をしていた私は、生徒と一緒に高台に避難し、流
されていく町をぼうぜんと見ていました。
 
 13日の午後、妻と高校生の息子が、中学校まで会いに来てくれました。私は心配させな
いように笑顔で迎えました。「俺は大丈夫だよ! どうしたの」と。
 
 すると、妻は「みずほの遺体が上がったの」と言いました。全く想像していなかった私
は、何を言われたか……涙も出ませんでした。一方で妻は、その瞬間に泣き崩れました。
私に伝えないといけないと思って、がれきだらけの道を何時間も歩いて来てくれたわけで
す。
 
翌朝、大川小学校に向かいました。あと1キロで小学校という所に来ると、堤防が壊れ、
家も道路もなく、一面が海になっていました。車から降りて、小型の船で現地へ。泥だら
けのランドセルが山積みになっていました。
 
 その前には、ブルーシートが敷いてあり、下に子どもたちがいるわけです。それは忘れ
られないし、忘れてはいけないと思って、いつも話します。
 
 うちの子は、家で眠っているのと同じ顔をしていました。「みずほ」と呼べば、返事を
してくれそうだし、触れば、「お父さん、くすぐったいからやめて」と笑ってくれそうだ
ったので、何回も呼んで、何十回も触りました。
 
 並べられているのは、みんな知っている子ですよ。みんな家に連れて帰れない。遺体安
置所に運ばないといけないわけです。
 
 でも、橋は切れているし、道路もないし、消防隊もすぐに来られない。だから、土手に
並べるしかない。私たちが着いてからも次々に子どもたちが運ばれてきました。

 大川小学校の児童は74人が犠牲になりました。そのうち4人が行方不明です。14年たっ
ても、わが子を捜している親がいるということです。


校庭での話
 ここから、あの日の校庭での話をします。
 
 地震発生後、子どもたちは、先生の指示で校舎を出て、校庭に並びます。
 
 しかし、学校の目の前には山がありました。シイタケ栽培の体験授業が行われるなど、
子どもたちが何度も登っていた山。校庭から1分で行けました。津波が大川小学校をのみ
込んだのは、地震発生から51分。ゆっくりと、山に避難すれば、全く問題はありませんで
した。半数以上の児童が利用していたスクールバスも待機していました。
 
 しかし、先生の判断で子どもたちは、ずっと校庭にとどまってしまいました。
 
 大川小学校の危機管理マニュアルに、避難先は空き地や公園とだけ記載され、具体的な
場所は明記されていませんでした。この時になって先生たちは、山に避難するか、校庭に
とどまるか、話し合っていたようです。
 
 そもそも人間は大丈夫だと思いたいですよね。しかも、目の前には、おびえている子ど
もたちがいます。
 怖くて泣いている子もいました。先生たちが「大丈夫だ! 心配するな!」と言うのは
当然です。
 
 しかし、その間にも、消防の広報車がサイレンを鳴らして、避難を呼びかけていました
。「逃げろ」と言いに来た住民もいるし、子どもを迎えに来た保護者も「山に逃げて」と
先生に訴えています。もちろん、子どもも「先生、山に逃げっぺ」と言っています。山に
向かって走りだした子どもたちもいましたよ。だけど、先生から校庭に戻されてしまった
のです。
 
 そして、広報車は津波が迫っていることを伝えました。
 
 先生の指示で避難を開始したのは津波が来る1分前でした。山に逃げていれば、まだよ
かったかもしれません。しかし、向かったのは橋のたもと。津波に向かっていったのです
。しかも、広い道ではなく、狭い道を通って。大川小学校の避難は、1列で1分間でした。
 
 山に逃げるか、校庭にとどまるかと話し合っていたのに、最後は山ではないところに向
かっていきました。相当なパニックに陥っていたわけです。
 
 向かった方向から約9メートルの津波が襲ってきた時、先生たちは、子どもを守れない
と気付いたはずです。もう、間に合いません。見たわけではありませんが、先生は、後悔
しながら、絶望しながら、子どもたちを抱き締めるしかなかったと思います。子どもを救
いたくない先生はいません。
 
 救いたかった命でした。また、救ってほしかった命でした。そして、簡単に救えた命で
した。でも、事実として救えなかった命になりました。
 
 あんな津波を前にしたら、誰しもが、パニックになります。パニックの中で判断するこ

とが防災ではありません。
 
 どんな準備をして、その日を迎えるのか。それが防災ですよね。
防災は完璧を求めなくてもいい。しかし、本気で取り組むことだ
 大川小学校にも、十分に逃げる時間がありました。目の前には山もありました。避
難も呼びかけられていました。さらに、宮城県では毎年のように99%(30年以内に)の確
率で津波が来る、地震が来ると注意喚起もされていました。「時間」「場所」「情報」「
想定」がそろっていました。しかし、これ自体が命を守るのではありません。山が命を救
うのではなく、登るという「行動」が命を救うのです。
 
 あの時、いち早く避難した学校の多くは「逃げるかどうか」「どこに逃げるか」が事前
に決まっていました。
 
 歌を歌いながら逃げた学校もあります。津波が来なくても逃げた学校もいっぱいありま
す。評価されるべき学校です。
 
 うまく避難した学校の先生たちに話を聞くと、やはり当日はパニックだったと言います

でも、しっかりと「決まっていた」から逃げられたと。
 
 能登半島地震でもそうでした。東日本大震災以降、真剣に準備して継続的に避難訓練を
行っていた地域がありました。地震当日、「気が付いたら避難所にいた」と言います。パ
ニックになりながらも、考えることなく、避難をしていたのです。事前の備えが未来を変
えるのです。
 
 一方、大川小学校にも危機管理マニュアルはありました。ただ、それは実態のないマニ
ュアル。避難先には空き地や公園と記載されているだけで具体的な場所や避難経路は記載
されていませんでした。だから、大川小学校の出来事は人災との司法判断がでました。人
間の行動次第で何とかできるということです。これは希望でしかありません。
 
 そして大震災時、大川小学校以外にも備えが不十分だった学校はあります。津波がずれ
ていたら、大きな被害になっていたかもしれません。だからこそ、問われるのはあの日の
校庭での出来事ではなく、その日までにどんな準備をしていたのかということです。
 
 パニックの中でも、命を守るための行動につながる備えをすることです。防災は完璧を
求めると、細かくなりすぎて、いざという時に行動につながらない場合があります。
 
 しかし、命を守るために本気になれば、実態に即した備えができます。だからこそ完璧
でなくていいから、平時から本気で防災に取り組む。これが未来につながる本質的な学び
だと実感しています。
 
 私も、中学校の教師として、避難訓練をしていました。訓練では校内放送を使い、生徒
全員で避難していました。
 
 しかしあの日は、すぐに停電になり、校内放送は使えませんでした。しかも、卒業式の
準備などで生徒はバラバラでした。また、体育館の窓ガラスは割れ、訓練で使用していた
避難経路は通れませんでした。避難が必要な大地震であればガラスは割れるし、停電にな
ります。

 
 こんな簡単なことを想定できていませんでした。本気ではなかったのです。最悪を想定
した訓練を行い、失敗するぐらいでいいと思います。


津波てんでんこ


津波が来たら家族や他人を気にせず、各自が速やかに避難する。
 岩手の釜石東中学校と鵜住居小学校では、中学生が小学生の手を引いてみんなで逃
げました。
 
 一方、高台に向かう子どもたちと逆方向へ、海に向かう車が何台もありました。子ども
を迎えに行こうとする親がたくさんいたのです。
 
 大震災から14年。当時、中学生だった子で親になった方は「わが子を抱っこすると、あ
の時に迎えにきた親の気持ちがよく分かる」と言っていました。
 
 そして語っていました。「この子が言葉を分かるようになったら必ず言わなきゃいけな
い。お母さんは迎えに行かないよ」「すぐに逃げるんだよ」と。
 
 「津波てんでんこ」とはそういうことです。しっかりとした覚悟が必要なのです。それ
は、この子を守るために絶対に生き抜くという愛情でもあります。
 
 そして、わが子を迎えに行かないためには、安否確認の方法や集合場所などを事前に決
めておく必要があります。やはり、本気になって準備をすることです。
 
 大切な人を待っていたり、迎えに行ったりして津波にのみ込まれた過去がきっとありま
した。
 
 その悲しみに向き合って生まれた言葉が「津波てんでんこ」。シンプルかつ想いが込め
られた言葉です。
元気よく「ただいま」を言うのが防災です
 元気よく「ただいま」を言うことが、防災です。子どもだけでなく、大人にもいえ
ることです。
 
 あの日、言えなかった、また聞けなかった「ただいま」がいっぱいありました。どんな
ことがあっても、会いたい家族や友達がいます。だからどんなことがあっても生きて家に
帰る。これが防災です。
 
 静岡県沼津市のサッカーチームの子どもたちと話したことがあります。南海トラフ地震
で壊滅状態になっても、次の日、このメンバーでサッカーをすると言っていました。これ
も防災です。夢と目標がある。その未来にたどりつくために防災があります。
 
 津波は怖い。逃げれば助かる。恐怖をあおればあおるほど、自分は大丈夫だと、考える
のをやめてしまう人がいます。被災地の悲惨な状況をメディアが発信します。大変だな。
かわいそうだな。そう思うほど、被災地は別世界と感じてしまう人もいます。恐怖だけの
防災は駄目なのです。
 
 防災はハッピーエンド。幸せな未来のために本気になって備えることです。

津波によって壊された大川小学校。しかし、校庭には、色鮮やかな壁画が残っていま
した。真ん中には「未来を拓く」と書いてあります。校歌のタイトルでした。大川小学校
は未来を拓く小学校です。
 
 毎週のように小学生や中学生が大川小学校に来てくれます。来た人には“大川小学校は未
来を拓く場所”と話してくださいとお願いしています。それを聞いた人は大川小学校のこと
を考えてくれるはずです。そうやってつながっていきたいと思っています。


 石巻市震災遺構大川小学校の施設・利用案内はこちらから↓↓
 https://www.ishinomakiikou.net/okawa/

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11月 2024年-命を守る-避難関連(能登地震)+原発 情報 2024年11月1日~2024年11月30日まで

2024年11月30日 10時43分57秒 | 命を守る-災害・BCP等-避難関連情報

11月 2024年-命を守る-避難関連(能登地震)+原発 情報
2024年11月1日~2024年11月30日まで

ワンクリック表示で見る場合は下記のURLでお願いします。
また発信者の都合で、リンク切れとなっている可能性があることも
ご承知ください。
https://www.facebook.com/OzakiSGI/posts/pfbid0WYsCh8CN1ev5rUcnS
4VRMTXmuQvq2XjWkEvzNPvGZZ5XNR2EJkmT8pWvbvGFNtPXl

------避難関連情報------------------------------------------

火山研究の専門家に聞く最前線「地震は日進月歩ですが、噴火の前兆を見逃す可能性は低い」:11/16
https://l.smartnews.com/p-21mZu/rnuuPk

"対応ばらばら 責任あいまい" 初発表の南海トラフ地震臨時情報 
政府・行政の対応について専門家たちが課題を指摘=日本地震学会:11/15
https://l.smartnews.com/m-MvUMR/X1rBsE

県の経験不足露呈… 北部大雨被害の災害救助法適用が難しく:11/14
https://l.smartnews.com/m-MgUKq/Z947fA

「南海トラフ巨大地震」原作者biki「巨大地震は30年以内に70~80パーセントの確率で起きる」:11/13
https://l.smartnews.com/m-LVeki/dl0eYB

【デジタル庁】25年2月に石川で防災DXの実証実験/避難所運営など検証/「週替わり」
メンバーでも分かりやすいオペレーションへ:11/13
https://l.smartnews.com/m-UEBmJ/imZEft

なんと「大阪」で「津波の犠牲者」が「13万2967人」に達するという「衝撃的な被害予測」:11/11
https://l.smartnews.com/m-PQmSx/D7kNmq

----------保存版----------

災害時にも助かる「アルミホイル」の驚きの活用法。
「もっと早く知りたかった」「ちゃんと使える!」:11/29
https://l.smartnews.com/m-13MB0H4/NC91gG

「大規模災害時には『119』はつながらない」
34年前の惨事からボランティアを続ける防災士の原点:11/29
https://l.smartnews.com/m-13RGhay/qYdyYm

減災と防災の違いは? 個人でできる7つの備え:11/25
https://l.smartnews.com/m-13uYEqS/sNjvbb

「防災に関する意識調査2024」から読み解く 意識ギャップに見出す
防災対策術vol.3<家族のための防災編>:11/25
https://l.smartnews.com/m-13uUEdP/EWHJBg

「地震で命を落とす確率」は算出できる
…災害が頻発する地域の住民はわかっている「自然災害の本当のリスク」:11/19
https://l.smartnews.com/m-12VeIGw/uVG3zx

「南海トラフ地震臨時情報」どうとらえた?どう対応すべき? | NHK防災:11/14
https://www.nhk.or.jp/bousai/articles/32187/

非常時の通信手段“防災行政無線”が非常時に聞こえない
…9月の奥能登豪雨で明らかになった弱点と課題を検証:11/13
https://l.smartnews.com/m-HZvgh/RmdEqQ

"行政の防災DXはどう進むのか――デジタル庁がアプリ開発やマイナンバーカード活用など紹介" :11/12
https://l.smartnews.com/m-uYoGu/3Pc1RJ

“快適な避難所”の迅速な開設を目指して イタリアと台湾に学ぶ | NHK防災:11/6
https://www.nhk.or.jp/bousai/articles/32050/


-------原発避難(賠償)対策---------------------------------

「福島第一原発の汚染水処理」発注装い12億円詐取か 
大手ゼネコンの印鑑を偽造 会社役員の男逮捕:11/28
https://l.smartnews.com/m-13MkCoY/jFUpy9

【石川】住民抜き 「意味ない」 避難計画実効性に不安 志賀原発防災訓練:11/25
https://l.smartnews.com/m-13t2sMg/TtVtZz

女性議員らが集会「再稼働はあり得ない」女川原発2号機の安全管理態勢や
避難計画の不十分さを指摘 仙台:11/15
https://l.smartnews.com/m-12yASC9/h9KEio

 

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石川県の地震と豪雨・「複合災害」から学ぶべきこと。

2024年11月07日 13時18分57秒 | 減災・防災から復興まで

石川県の地震と豪雨・「複合災害」から学ぶべきこと

尾崎 洋二 コメント

A 重大災害が起こってからの防災だけでなく、予想される複合災害に対して、事前の準備に徹するという減災対策(以下5項目)などが必要かと思われます。

 

1-事前の準備・備え項目→道路整備や上下水道の耐震化、避難体制の構築

2-地震後は土砂崩れや洪水の危険性が高まるということを、大雨が降る前に住民へ丁寧に説明しておくことが必要

3-リスクは地域だけでなく家ごとにも異なるということを、きめ細かく住民に伝える仕組みづくりが必要

4-中小河川での氾濫が相次いだことを踏まえると、大地震の後は洪水ハザードマップの見直しを緊急で行うなどの対応も必要

5-浸水想定区域内にどうしても仮設住宅を建てなければならないのであれば、例えば高床式にするといった工夫も必要

---------------------------------

本文要点箇条書き

1-9月21日に発生した豪雨は、輪島市で観測史上最高の1時間雨量121ミリを記録し、気象庁は同市と珠洲市、能登町に大雨特別警報を発令した。

2-河川の氾濫や土石流により15人が犠牲となり、浸水などによる住宅被害は1800棟を超えた。
3-輪島市や珠洲市では地震の被災者が暮らす仮設住宅が床上浸水した。

4-政府は10月11日、災害が相次ぐ能登半島の復旧・復興のため、2024年度予備費から約509億円の支出を決定。

5-大規模災害後の被災地は脆弱化しており、資機材や人員なども不足しているため、中小規模の災害でも甚大な被害に発展しやすい。

6-元日の地震に豪雨の影響が重なって被害が拡大した可能性が指摘されている。

7-珠洲市の大谷地区では、地震で山の一部が崩壊していた場所で豪雨による土砂崩れが発生。

8-能登半島での地震と豪雨は、河川防災のほか、道路整備や上下水道の耐震化、避難体制の構築などの必要性を一層浮き彫りにした。
9-気候変動などの影響により豪雨災害は年々、激甚化・頻発化している。地震後の水害といった複合災害が今後、各地で起きる可能性は高まりつつあると言える。

 

以下は防災システム研究所 山村武彦所長
1-発災後10日目に現地に入ったが、地震で地盤の緩んだところに大雨が降り、各地で土砂崩れや洪水を引き起こしていた。

2-河川も堤防に亀裂が入っていたり、堤防自体が沈下していたりして氾濫しやすい状態になっていたようだ。

3-特徴的だったのは、中小河川の氾濫が多かったことだ。水量が少ない河川でも、流れが変わり周辺の家々を一気に押し流してしまった。
4-さらにショックなのは、地震で被災した人が暮らす仮設住宅で浸水被害が相次いだことだ。せっかく入居できたのに、またそこから避難しなければならない事態は過去にあまり例がない。
5-「恐怖を感じる」と表現される1時間雨量80ミリ以上の滝のような猛烈な雨が発生する頻度は、この半世紀で約2倍に増えている。

6-豪雨がいつ襲ってきてもおかしくない中で大地震が起きれば、必ず複合災害に発展するということを前提として事前に対策を強化することが不可欠だ。
7-今回の豪雨では、災害のリスクが住民に十分伝わっていなかったのではないかと感じている。地震後は土砂崩れや洪水の危険性が高まるということを、大雨が降る前に住民へ丁寧に説明しておくことが必要だった。
8-リスクは地域だけでなく家ごとにも異なるということを、きめ細かく住民に伝える仕組みづくりが必要だ。
9-中小河川での氾濫が相次いだことを踏まえると、大地震の後は洪水ハザードマップの見直しを緊急で行うなどの対応も求められる。

10-浸水想定区域内にどうしても仮設住宅を建てなければならないのであれば、例えば高床式にするといった工夫も今後は検討すべきだろう。

----------以下 公明新聞 11月6日2024年 本文-----------

解説ワイド
地震と豪雨、「複合災害」にどう備えるか 

 9月に石川県の能登半島を襲った豪雨災害は、元日に起きた大地震の被災地に追い打ちをかけるように浸水や土砂崩れなどの甚大な被害を引き起こし、復興に大きな打撃を与えた。こうした「複合的な災害」にどう備えるか。被害の状況や政府の取り組みを解説するとともに、今後の課題などについて防災システム研究所の山村武彦所長に聞いた。
<解説>
仮設住宅が床上浸水(能登)

 9月21日に発生した豪雨は、輪島市で観測史上最高の1時間雨量121ミリを記録し、気象庁は同市と珠洲市、能登町に大雨特別警報を発令した。河川の氾濫や土石流により15人が犠牲となり、浸水などによる住宅被害は1800棟を超えた。

 県管理河川などが多数氾濫し、輪島市や珠洲市では地震の被災者が暮らす仮設住宅が床上浸水した。地震の傷痕が残る中、土砂崩れにより道路が寸断され、一部地域で断水も発生。地震で被災したインフラの復旧にも遅れが出るなど深刻な被害をもたらしている。

 政府は10月11日、災害が相次ぐ能登半島の復旧・復興のため、2024年度予備費から約509億円の支出を決定。インフラ復旧や仮設住宅の修繕、災害廃棄物処理などに充てる考えを示した。

土砂崩れ相次ぎ被害拡大

 大規模災害後の被災地は脆弱化しており、資機材や人員なども不足しているため、中小規模の災害でも甚大な被害に発展しやすい。能登半島でも、元日の地震に豪雨の影響が重なって被害が拡大した可能性が指摘されている。珠洲市の大谷地区では、地震で山の一部が崩壊していた場所で豪雨による土砂崩れが発生。川の増水で大量の土砂が流れ込んだことにより浄水場が被災したケースもあった。

 仮設住宅で浸水が発生したことを巡っては、住み慣れない地域での生活を強いられている住民の避難対策も課題だ。能登半島での地震と豪雨は、河川防災のほか、道路整備や上下水道の耐震化、避難体制の構築などの必要性を一層浮き彫りにした。

政府、「中期計画」の策定推進

 政府は大規模災害への対策として、国土強靱化に力を入れる。具体的には、18年度から総事業費7兆円の3カ年緊急対策を実施し、河川堤防のかさ上げや、ため池の改修などに重点投資。21年度からは同15兆円の5カ年加速化対策を展開し、流域治水やインフラの老朽化対策のほか、道路網の拡充、水道施設の耐震化などにも取り組んでいる。いずれも公明党が強くリードしてきたものだ。

 一方で、気候変動などの影響により豪雨災害は年々、激甚化・頻発化している。地震後の水害といった複合災害が今後、各地で起きる可能性は高まりつつあると言える。

 国土交通省は、50年時点で洪水や土砂災害などの危険性がある地域に住む人は全国で約7200万人いると試算する。総人口に占める割合で見ると約71%に当たり、15年時点と比べると2・8ポイント増えている。

公明、国土強靱化さらに

 そうした中で、加速化対策の終了後も取り組みを切れ目なく進めることが求められている。公明党は国土強靱化に向けた「実施中期計画」を今年度内に策定し、26年度から5カ年で20兆円規模の予算を確保するよう政府に強く働き掛ける方針だ。

 また、公明党はこれまでの大規模災害の経験を踏まえ、被災自治体との連携強化を一層進めるため、各府省庁を横断的に統括する「防災庁」の創設を掲げる。最先端技術を活用した大規模災害のデータ解析・集積による予測精度の向上や、専門的な防災人材の確保・育成などを進めたい考えだ。


<インタビュー>
防災システム研究所 山村武彦所長に聞く

 ――能登半島での豪雨被害をどう見ているか。

 山村武彦所長 発災後10日目に現地に入ったが、地震で地盤の緩んだところに大雨が降り、各地で土砂崩れや洪水を引き起こしていた。河川も堤防に亀裂が入っていたり、堤防自体が沈下していたりして氾濫しやすい状態になっていたようだ。地震からの復興途上だった被災地を襲った、不幸な条件が重なった災害だったと言わざるを得ない。

 特徴的だったのは、中小河川の氾濫が多かったことだ。水量が少ない河川でも、流れが変わり周辺の家々を一気に押し流してしまった。さらにショックなのは、地震で被災した人が暮らす仮設住宅で浸水被害が相次いだことだ。せっかく入居できたのに、またそこから避難しなければならない事態は過去にあまり例がない。

温暖化で猛烈な雨が頻発/事前の対策強化を

 ――各地で複合災害のリスクが高まっていると言われる。

 山村 地球温暖化などの影響で雨の降り方が変わったことが一番の原因だ。

 例えば、「恐怖を感じる」と表現される1時間雨量80ミリ以上の滝のような猛烈な雨が発生する頻度は、この半世紀で約2倍に増えている。豪雨がいつ襲ってきてもおかしくない中で大地震が起きれば、必ず複合災害に発展するということを前提として事前に対策を強化することが不可欠だ。

住民へリスクの説明丁寧に

 ――国や自治体はどう備えるべきか。

 山村 今回の豪雨では、災害のリスクが住民に十分伝わっていなかったのではないかと感じている。地震後は土砂崩れや洪水の危険性が高まるということを、大雨が降る前に住民へ丁寧に説明しておくことが必要だった。

 とはいえ、大地震の後は自治体の職員も震災対応で手いっぱいの状態であることがほとんどだ。国や県がフォローすることはもちろんだが、民間の力を活用することも提案したい。ボランティア団体やNPOには、専門のスキルを持った人材が多くいる。リスクは地域だけでなく家ごとにも異なるということを、きめ細かく住民に伝える仕組みづくりが必要だ。

ハザードマップ見直しも

 また、中小河川での氾濫が相次いだことを踏まえると、大地震の後は洪水ハザードマップの見直しを緊急で行うなどの対応も求められる。

 ――今後の課題は。

 山村 仮設住宅の浸水被害を巡っては、能登半島では仮設住宅の建設に適した平地が少なく、リスクの高い場所に建てられたのは致し方ない面はあると思う。浸水想定区域内にどうしても仮設住宅を建てなければならないのであれば、例えば高床式にするといった工夫も今後は検討すべきだろう。

 いずれにしても、複合災害には民間も含めた“オールジャパン”で備えることが重要だ。そのためにも、各府省庁を横断的に統括する「防災庁」を設置する意義は大きい。少子高齢化で崩れつつある地域コミュニティーを再構築するという観点からも、引き続き国民の命を守る国土強靱化や防災・減災対策を進めてほしい。


 やまむら・たけひこ 東京都出身。1964年の新潟地震でのボランティア活動を契機に「防災システム研究所」を設立。以来60年にわたり、国内外で災害の現地調査を行っている。防災意識の啓発に取り組むほか、企業や自治体の社外顧問やアドバイザーも歴任。著書多数。

 

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10月 2024年-命を守る-避難関連(能登地震)+原発+気候温暖化 情報 2024年10月1日~2024年10月31日まで

2024年10月31日 15時10分31秒 | 命を守る-災害・BCP等-避難関連情報

10月 2024年-命を守る-避難関連(能登地震)+原発+気候温暖化 情報
2024年10月1日~2024年10月31日まで

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------避難関連情報------------------------------------------

能登半島地震で浮き彫りに…避難所の運営や被害状況の調査など
89の課題と改善盛り込んだ『最終報告書』公表 新潟市:10/31
https://l.smartnews.com/m-f5sj3/hkOcSw

発生約10カ月後の初開催に知事「マンパワーに限度」
石川県が能登半島地震の人命救助等の対応検証する会議:10/29
https://l.smartnews.com/m-HtGGU/NMFlSo

大型ハリケーン「ミルトン」直撃のアメリカ南部・フロリダ州で14人の死亡が確認 
竜巻が相次いで発生 多くの建物が破壊:10/11
https://l.smartnews.com/m-fMMvs/8KCPm7

南海トラフ「臨時情報」騒ぎの経済損失、調べもしない政府 宿泊キャンセルや運休
…「迷惑の額」は隠したい?:10/8
https://l.smartnews.com/m-KcnPJ/KnEUpk

家具固定だけでは不十分 「巨大地震」生き抜くのに必要な“10カ条” 専門家が解説:10/8
https://l.smartnews.com/m-8dBim/SxqENU

「南海トラフ臨時情報」への対応を検証せよ 経営層が備えるべきBCP「4つの視点」:10/1
https://l.smartnews.com/m-EzDRu/SFZAaM

----------保存版----------

「国が言う通りには…」 進まぬ個別避難計画策定 避難者、誰がケア?:10/23
https://l.smartnews.com/m-EHmcX/7kJlP6

2019年台風19号から5年 備えはどう変わったか | NHK防災:10/15
https://www.nhk.or.jp/bousai/articles/32049/

「国の指示待ちでは間に合いません」防災家が語る“多数派に流されない危機管理法”:10/5
https://l.smartnews.com/m-9KoWs/gSJoKA

台風でわが家の「窓ガラス」に、ご近所さんの屋根の瓦が! 仕方ないことだけど、
“弁償”はしてもらえる? 請求できるのかを解説:10/2
https://l.smartnews.com/m-oxRKo/LjRzxm


-------原発避難(賠償)対策---------------------------------

経団連の「9割の企業が原発再稼働必要」は、印象操作ではないか? 
傘下1700社のうち回答わずか167社なのに:10/12
https://l.smartnews.com/m-x4meD/BdR09H

女川原発2号機 10月29日に原子炉起動へ 東日本大震災で被災した原発では初:10/8
https://l.smartnews.com/m-u4nmU/otLBiY

女川原発2号機が11月ごろに再稼働へ 元従業員が住民避難の課題を指摘:10/1
https://l.smartnews.com/m-YShio/r6rC6U

 

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9月 2024年-命を守る-避難関連(能登地震)+原発+気候温暖化 情報 2024年9月1日~2024年9月30日まで

2024年09月30日 14時54分49秒 | 命を守る-災害・BCP等-避難関連情報

9月 2024年-命を守る-避難関連(能登地震)+原発+気候温暖化 情報
2024年9月1日~2024年9月30日まで


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------避難関連情報------------------------------------------

「正直がっくりきています」能登豪雨が“仮設住宅”にも被害もたらす
…輪島市は年内復旧を目指し工事へ:9/30
https://l.smartnews.com/m-SERwp/5OfH5S

コンサート ホールでの地震・火災を想定し避難訓練 約200人が参加
「貴重な体験」 宮城・利府町:9/23
https://l.smartnews.com/m-osbzE/l5Z3iY

燕市の信濃川大河津資料館が『NIPPON防災資産』に認定-災害の教訓伝える【新潟】:9/6
https://l.smartnews.com/m-UYHn8/8BSDt6

広島土砂災害の教訓伝える「伝承館」が「NIPPON防災遺産」に認定 
西日本豪雨の坂町「伝承公園」も:9/5
https://l.smartnews.com/m-JPz6A/LrZ6kj

津波警報から避難で道路渋滞が発生 『徒歩避難』と『車避難』の両立は? 
新潟県「能登半島地震を踏まえた防災対策検討会」:9/5
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/bsn/1406853

災害時の避難状況、スマホで市に報告 迅速な状況把握へ 群馬・富岡:9/2
https://l.smartnews.com/m-sMPUy/43XKF5

「公文書は本当に正しいのか?」差別と偏見、デマ、行政の責任とは
…関東大震災時の朝鮮人虐殺、専門家はこう見る:9/1
https://l.smartnews.com/m-UAGMc/OwbiH7

----------保存版----------

浜田敬子氏「土地がどこにあるんだろう」「防災関係の省庁必要」
能登豪雨で問題指摘:9/26
https://l.smartnews.com/m-MNw7D/GHCfTX

【防災マメ知識】断水でお風呂に入れない! どうする?/防災図鑑:9/30
https://l.smartnews.com/m-WpzFL/qOcdxL

「自治体の防災無線対応の防災ラジオとスマホ、両方の活用が安心」
防災士&家事アドバイザーが実感した「本当に必要な災害への備え」:9/29
https://l.smartnews.com/m-4FQAf/QBv6uf

警察OBが「この小学校は最も不審者が侵入しにくい」と太鼓判を押した理由 
全員が当事者になる「みんなの学校」の意義【石井光太×木村泰子】:9/23
https://l.smartnews.com/m-L7ESr/OCbZNG

「忘れんといて」 避難時に火災を防ぐ4つの対処法 消防局の注意喚起に
「知りませんでした」の声:9/23
https://l.smartnews.com/m-N4PcB/vX9oSV

大震災の火災原因の6割以上が「電気」、
「感震ブレーカー」の補助金で備えよう!:9/19
https://l.smartnews.com/m-mwuc3/jtpPeM

従業員を守るために~企業の防災対策で必要なこと~:9/19
https://l.smartnews.com/m-jdakr/iKv5oA

【南海トラフ地震】「臨時情報」発表は“空振り”じゃない 
災害リスクの専門家が主張するワケ:9/17
https://l.smartnews.com/m-XP9sL/t7FQaf

駅伝の練習中に心臓発作で倒れ翌日に死亡…「死戦期呼吸」もAED使われず 
小学生の悲しい事故からの教訓 9月9日は「救急の日」:9/9
https://l.smartnews.com/m-d6Zpm/r1IhCz

飛び石でクルマが傷付いたといやがらせ! 
そんなときはたやすく責任を認めちゃダメ!:9/7
https://l.smartnews.com/m-G1Mtp/YAniiT

すでに秒読み、富士山の大規模噴火で「東京は完全停止」する
…たった数センチの降灰で起きてしまう《地獄のシナリオ》:9/5
https://l.smartnews.com/m-erzHf/tbwJCp

大雨で道路が川のように…水の中を平気で走るクルマと動けなくなるクルマとの違いはなに? 
そもそも冠水しても大丈夫? もしものための備えとは:9/4
https://l.smartnews.com/m-FJcMu/Ky3fdJ

LINEで避難場所を確認「デジ町防災LINE」全国版をリリース:9/2
https://l.smartnews.com/m-Ah1Lx/lILsZf

緊急時にはiPhoneを確認! 応急手当を受ける際の助けになる「メディカルID」を設定しよう:9/1
https://l.smartnews.com/m-chzHv/kGGGg1

地下鉄で大地震に遭遇したとき、命を守るために「絶対にやってはいけない」5つのこと:9/1
https://l.smartnews.com/m-mSf3c/FsSSPe

-------原発避難(賠償)対策------------------------------------

自民党総裁選の候補者たちの「原発回帰」について:9/27
https://l.smartnews.com/m-Bxa5B/N5tEkS

「日本の原発は安全」のウソ…メディアが報じない原発再稼働《知ってはいけない》
ウラ事情【専門家が警告】:9/17
https://l.smartnews.com/m-Fwox8/wB11J5

やっぱり原発は「稼働してはいけない」…メディア報じる《日本は安全》のウソ
「原発は震度7には耐えられない」【専門家が警告】:9/16
https://l.smartnews.com/m-azHJt/L9tUfo

「40年超原発は直ちに停止すべき」厳しい意見続出 関西電力とエネ庁が使用済み核燃料
“搬出計画の遅れ”説明 福井県議会:9/10
https://l.smartnews.com/m-jPPmw/yqwVRz

「見直し案出せなければ運転開始から40年超えの原発の運転を止める」
使用済み核燃料搬出計画めぐり関西電力森社長が覚悟示す:9/5
https://news.ntv.co.jp/n/fbc/category/society/fb49746314b744443a99802dbedbf230ab

「原子力発電所がテロの標的となるようなことがあってはならない」
警察庁長官が福島第一原発の警備状況を視察 警戒のさらなる強化に取り組む考え:9/5
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1405980

どうする?たまり続ける使用済み核燃料 福井県との“約束”を1年足らずで反故にした関西電力 
県「不退転の覚悟を」:9/5
https://l.smartnews.com/m-DwcM3/FyWyuu

<福島第一原発>処理水放出に伴う賠償は330億円支払い済 
中国の禁輸措置などの影響続く:9/5
https://l.smartnews.com/m-G7rLd/XEDoTw

朝ドラ『虎に翼』日本は原爆投下直後に「国際法違反」と抗議していた? 
原爆裁判の原告側が突き付けた“切り札”とは?:9/4
https://l.smartnews.com/m-sGVn3/fZenx9

村井知事「トラブルが少しでもあった場合、作業を止めその内容を公表してほしい」
女川原発での燃料装荷受け安全最優先を求める 宮城:9/4
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/tbc/1406010

【失敗の法則】「予算内、期限内、とてつもない便益」は実現可能か 
高速増殖原型炉もんじゅから紐解く「巨大プロジェクト」が成功しない理由:9/2
https://l.smartnews.com/m-WQqaY/Bd65bz

-------自然環境保全・温暖化対策-----------------------------

「マイクロプラスチック」体内で脳に最も多く蓄積…衝撃研究の結果=米国:9/4
https://l.smartnews.com/m-4UKGy/mY7jac

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8月 2024年-命を守る-避難関連(能登地震)+原発+気候温暖化 情報 2024年8月1日~2024年8月231日まで

2024年09月01日 05時09分08秒 | 命を守る-災害・BCP等-避難関連情報

8月 2024年-命を守る-避難関連(能登地震)+原発+気候温暖化 情報
2024年8月1日~2024年8月231日まで


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------避難関連情報------------------------------------------

【LINEヤフー】“防災の日”に向けて防災啓発を目的とした特別企画「9.1防災の日 #災害に備える」を公開:8/31
https://l.smartnews.com/m-23M96/RYprmU

トヨタ自動車、国内工場の全生産ラインを停止…台風10号接近で社員らの安全確保のため:8/28
https://l.smartnews.com/m-1HCmr/0SI0kU

秋田市「地域防災計画」6年ぶりに刷新へ 去年の記録的大雨を踏まえた内容に:8/24
https://l.smartnews.com/m-GbEzv/cUt8GX

マイクロ水力発電所が名取市で稼働 年間発電量は一般家庭77世帯分 
電気は東北電力に売却し年間1000万円程度の収益見込む 宮城:8/24
https://l.smartnews.com/m-Yz7i6/OBpZhS

コンテナホテルが丸亀市に9月オープン 1泊1人6200円から 災害時は避難所などに活用も:8/23
https://l.smartnews.com/m-itwQs/drc2Jg

紺野美沙子「能登半島地震で富山のマンションは断水、食器類もほぼ全滅」
自然災害に関して《過小評価》してしまう「正常性バイアス」に気を付けて:8/21
https://l.smartnews.com/m-M5Xzd/1NPNJ7

古舘伊知郎、南海トラフ地震の予測計算法を疑問視 「予算獲得の打ち出の小槌として…」:8/13
https://l.smartnews.com/xX8GB

たけし、岸田首相の「応援割」へ「復興作業が最優先」異議唱え賛同続々
…現地が抱く“かわいそう旅”への懸念:8/12
https://l.smartnews.com/QvEfM

日向灘に地震の割れ残り領域が存在か、再びM7級の地震起こる可能性…京大防災研が分析:8/12
https://l.smartnews.com/akQPu

南海トラフ地震「注意」、気象庁が臨時情報 今後1週間は備えを:8/9
 https://l.smartnews.com/S3Rty

「このままでは丸の内・霞が関が水没します」ダブル異常気象
《スーパー台風&ゲリラ豪雨》が東京を襲う最悪のシナリオ:8/8
 https://l.smartnews.com/j9uHG

能登半島地震には間に合わず…M7以上の恐れある活断層
「近畿-北陸の沿岸等で25カ所」政府の地震調査委:8/6
 https://l.smartnews.com/Bznma

新潟・上越沖から兵庫県沖、M7以上の海域活断層25本を初公表
…能登地震震源は最大M8級:8/2
 https://l.smartnews.com/uMr1s

能登半島地震の震源断層や上越沖の活断層で最大M8.1発生のおそれ 
日本海中部の海域活断層の評価公表 地震調査委員会:8/2
 https://l.smartnews.com/hSdC5

----------保存版----------

9月1日は防災の日 年に1回「防災リュック」を見直そう:8/31
https://l.smartnews.com/m-rqRXj/crBPw2

台風当日「出社命令」でけが、死亡 実は“賠償請求”認められない場合も 弁護士解説:8/30
https://news.yahoo.co.jp/articles/c73438baa4f26ee9c96f6fba9e49dca1abcd3929

「デジ町防災LINE」全国版、防災機能を強化しリニューアルリリース 
最寄りの避難場所などがLINEでわかる:8/29
https://l.smartnews.com/m-BPuC4/yGaIHd

東京・墨田区 要配慮者を“バス避難”大規模水害に備えて旅行会社と協定締結:8/24
https://l.smartnews.com/m-KaYXW/ybJcE9

防災心理学者・矢守克也 「避難して災害が起きなくても、空振りではなく、素振りと考えて。
「ふだん」と「まさか」を近づける《生活防災》が大切」:8/21
https://l.smartnews.com/m-eC2y3/0r5XNi

「から騒ぎ」だった南海トラフ巨大地震、日本の地震予知に欠けている重要な視点とは:8/21
https://l.smartnews.com/m-7HbkU/HBa9iA

南海トラフ地震臨時情報を受け帝国データバンクが対象都府県の「BCP策定状況」発表、
トップは高知県:8/19
https://l.smartnews.com/m-s8v3m/MK82Ca

6日間で建つ3Dプリンター住宅が家を失った人の光に
…被災地・能登にモデルハウス 50㎡の家が550万円:8/19
https://l.smartnews.com/m-YTkdR/62i2gT

車が水没してドアが開かない⇨ガラスのココを叩けば割れやすい。
警視庁がコツを伝授、命を守る「緊急脱出ハンマー」:8/17
 https://l.smartnews.com/9zEiU

南海トラフ地震臨時情報発表 命を守るための備え!防災の専門家が提唱するタイムラインとは:8/13
 https://l.smartnews.com/hhdxt

【小中学生の生存率99.8%は奇跡じゃない】津波という
「想定外」から身を守るためにできること:8/10
 https://l.smartnews.com/8rzVa

「大きな意味で東日本大震災と連動している」東北大学・今村文彦教授が宮崎県で
震度6弱地震について指摘 南海トラフ地震の臨時情報はどのように受け止めればよいのか:8/10
 https://l.smartnews.com/pdktt

「南海トラフ地震臨時情報」発表、災害に備えて知っておきたい
「スマホの設定」と「デマ対策」:8/9
https://l.smartnews.com/Eumpz

突然の「カミナリ」直撃! 「車の中は安全」はウソ?ホント? 
車が“機能停止”ってマジ!? 正しい「落雷対処」方法とは:8/8
 https://l.smartnews.com/VotVe

熱海土石流災害で「法的責任ない」と主張する静岡県…静岡新聞の厳しい追及に、
異例の対応を取った県の「違和感の正体」:8/7
 https://l.smartnews.com/Gisqz

【前編】インクルーシブ防災とは?障がい者・高齢者など災害弱者を取り残さない
取り組みと社会づくり:8/6
 https://l.smartnews.com/UJfLD

「防災に女性の視点を」 神戸市の防災会議委員、女性が4割超に:8/2
 https://l.smartnews.com/DSG2M

-------原発避難(賠償)対策------------------------------------------

敦賀原発2号機、新基準で初の「不適合」了承 規制委「直下に活断層がある可能性」再稼働認めず:8/28
https://l.smartnews.com/m-qPH5b/24Qr63

「大きな判断だが決断に迷いはなかった」 敦賀原発2号機 
事実上の「再稼働不許可」受け原子力規制委員長:8/28
https://l.smartnews.com/m-RySJx/6A3soo

孤立した地域からヘリと船舶で避難 地震による原発事故を想定し 
初めて住民も参加した訓練で見えた課題とは?:8/27
https://l.smartnews.com/m-pXXiW/bIt8gZ

近くに原発、基地整備続く馬毛島…「優先的に攻撃対象」「生活航路が不安」住民の懸念深く
県は否定するが、専門家は沖縄を例に「米軍は日本との約束を守らない」:8/24
https://l.smartnews.com/m-B94wv/pyet8B

市民団体が原発再稼働“反対”要望も…反対表明の自治体はなし
「県民の意志の一つとして受け止めてもらえなかった」【新潟】:8/23
https://l.smartnews.com/m-hMVee/h8srQ9

青森・六ヶ所村の使用済み核燃料再処理工場の審査難航
…30年以上「未完成」状態、日本原燃の見通しに甘さ:8/19
https://l.smartnews.com/m-Lh2pS/bjdXv7

柏崎刈羽再稼働の前に「福島への責任果たしたか」 
新潟県検証委員長を務めた池内了氏が東電に問う「資格」:8/12
 https://l.smartnews.com/zn1C9

<東海第2原発 再考再稼働>(67)原発を動かす資格ない 
東海第2運転差し止め訴訟弁護団・丸山幸司さん(54):8/7
 https://l.smartnews.com/Xd6mW

原発事故の損害賠償 岩手県などが東電に16回目の請求:8/6
 https://l.smartnews.com/fRdo6

原発事故判決は法律違反 最高裁判事2人の罷免求める:8/2
https://l.smartnews.com/QBoF9

 "敦賀原発2号機“再稼働は事実上不可能”で揺れる敦賀市 
「もし事故が起きたら自分の故郷自体がなくなってしまう」":8/1
 https://l.smartnews.com/G4bUp

-------自然環境保全・温暖化対策-----------------------------

国連総長、太平洋の海面上昇に「SOS」訴え 諸島フォーラム:8/27
https://l.smartnews.com/m-aqjvp/2zyfwI

大阪で海面27センチ上昇 温暖化で2050年までに―国連:8/27
https://l.smartnews.com/m-PA2Pv/bOHE6l

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仮設住宅の開発提供における「名古屋工業大学教授 北川啓介さん」の素晴らしい見本事例-2024-08-11

2024年08月11日 10時21分14秒 | 人が死なない防災

尾崎 コメント: 仮設住宅における災害関連死を防ぐ意味では、重要な事例です。

防災においては「諦めない」という言葉と実践力が必要なんだと痛感しました。

仮設住宅の開発提供における「名古屋工業大学教授 北川啓介さん」の素晴らしい見本事例を紹介します。

 

きっかけは、3.11 東日本大震災の時、石巻市の中学校の避難所を取材して帰ろうとしたときです。ずっと私(北川啓介さん)たちについてきてくれていた、2人の小学生の男の子が、「ちょっと、こっち来て」と導くのです。そしてグラウンドを指さして、「なんで仮設住宅ができるまでに何カ月もかかるの? 大学の先生だったら来週建ててよ。」という要望でした。

 1-能登半島地震の被災地に、計172棟の屋外用の簡易住宅「インスタントハウス」が建てられた。従来の仮設住宅とは異なり、設置も手軽で、コストも割安。快適性も確保されているという。

2-完成したインスタントハウスは、20平方メートル(約12畳)のだと、材料は40リットルのスーツケース二つ分です。一つはテント部分。もう一つは断熱材です。飛行機の機内に持ち込めるくらいの荷物で1棟建てられます。
 膨らませるのは小さな扇風機でもでき、断熱材を吹き付けるところまで一人で簡単に作れます。揺れにも台風にも強くて、冬は暖かく、夏は涼しく快適です。価格も一般的な仮設住宅の半分から3分の1程度です。

3-能登半島地震の被災地のある女性の方が、「この家は私たちに希望を届けてくれた」と言ってくださいました。地震で倒壊した家屋も多く、建物に対する恐怖心もあったと思います。避難所生活も、その日をどうやって生きるかで精いっぱいなはず。その中で、「明日や来週など、少し先のことを考えられるようになった」とおっしゃったのです。

-----------------------以下本文---聖教新聞 2024年8月11日---------------------

 〈スタートライン〉 名古屋工業大学教授 北川啓介さん2024年8月11日

簡易住宅「インスタントハウス」開発者: 世界に希望を届ける家

 能登半島地震の被災地に、計172棟の屋外用の簡易住宅「インスタントハウス」が建てられた。従来の仮設住宅とは異なり、設置も手軽で、コストも割安。快適性も確保されているという。開発した名古屋工業大学教授の北川啓介さんに話を聞いた。
 

  ――開発のきっかけは?
 
 東日本大震災です。私は大学の建築の教員として、いわゆる美しい建築、かっこいい建築の意匠や設計について研究していました。
震災から半月ほど経過した頃のこと。新聞記者さんから、建築家として被災地に取材同行してほしいと頼まれました。
 石巻市の中学校の避難所を取材して帰ろうとしたときです。ずっと私たちについてきてくれていた、2人の小学生の男の子が、「ちょっと、こっち来て」と導くのです。そしてグラウンドを指さして、「なんで仮設住宅ができるまでに何カ月もかかるの? 大学の先生だったら来週建ててよ」と言うんです。
 何も答えられませんでした。過酷な状況の人たちが目の前にいるのに、建築家である自分は何もできない。とても悔しく、自分が許せなかった。その日の夜から“来週建てられる仮設住宅”をどうすれば作れるか、真剣に考え始めたのです。人生観が百八十度、変わった出来事でした。
 

 ――なぜ仮設住宅はすぐに建てられないのでしょうか。
 
 まず、行政から専門業者に発注をかけるところから始まるので、調整や手続きが必要です。資材をトラックで運ぼうにも、道路が寸断されていたら、すぐには運べません。基礎工事や組み立て、外壁工事などに必要な職人さんを確保するのも困難です。少年たちに言われた日の夜、ホテルの部屋で課題をノートに書き出したら40個もありました。
 そこで、いったん建築から離れて、対義語を考えました。重いなら軽い、大きいなら小さい、高価なら安価、人がたくさん必要なら一人でとかです。
 そうやって考えながら、帰りの新幹線で名古屋駅に降りたときです。何げなくかばんの中から、小さく丸めたダウンジャケットを広げて羽織ったときに、「これだ!」とひらめいたのです。それは「空気」です。空気という素材が全ての課題を解決してくれるとイメージできたのです。どこにでもあって、軽くて、断熱性もある。しかも、無料です。
 

――解決のヒントは目の前にあったのですね。そこからどのように開発を?
 
 最初は、大道芸人の方とかが使う細長い風船を編んで家の形にしてみました。他にも、布団やスポンジなどを入れた圧縮袋を、掃除機で空気を抜いて、開封したらぱっと広がるようなものも実験しました。明らかに失敗すると分かっていても決めつけず、とにかくいろいろ試して、挑戦を続けました。
 そうして5年半が過ぎた2016年の10月、白防炎シートというテントに使う素材を気球のように膨らませて、内側から硬質発泡ウレタンという断熱材を吹き付ける、今の形の試作品ができたのです。
 その後、完成したインスタントハウスは、20平方メートル(約12畳)のだと、材料は40リットルのスーツケース二つ分です。一つはテント部分。もう一つは断熱材です。飛行機の機内に持ち込めるくらいの荷物で1棟建てられます。
 膨らませるのは小さな扇風機でもでき、断熱材を吹き付けるところまで一人で簡単に作れます。揺れにも台風にも強くて、冬は暖かく、夏は涼しく快適です。価格も一般的な仮設住宅の半分から3分の1程度です。
 

 ――実際に能登半島地震の被災地に導入されました。
 
 一刻も早く現地にと必死でした。すると、ある女性の方が、「この家は私たちに希望を届けてくれた」と言ってくださいました。地震で倒壊した家屋も多く、建物に対する恐怖心もあったと思います。避難所生活も、その日をどうやって生きるかで精いっぱいなはず。その中で、「明日や来週など、少し先のことを考えられるようになった」とおっしゃったのです。うれしかったですね。
 

 ――安心できる空間は文化的な生活の大前提ですね。
 
 私はこれまで、トルコやシリア、モロッコなどの大地震の際、少しでもお役に立とうと、インスタントハウスを届けてきました。自然災害に遭った方々、難民・避難民の方々などを含め、私はこの地球上で、住む家がなくて困っている人たちが、当たり前に家を持てるようにしたいと思っています。
 人々が自分の家を持つ。その家が集まればコミュニティーが生まれる。そこから仕事が生まれ、経済が動き出す。そうやって真の意味で自立ができれば、未来を考えることができる。そのプロセスを現地の人が楽しんでいければ、素晴らしい社会が建設できると考えています。
 

 ――未来をつくる仕事です。最後に若者へメッセージを。
 
 私の実家は和菓子屋で、小さい頃は和菓子職人になりたくて、仕事ぶりを見ていました。インスタントハウスで空気を使う発想も、父が作る羽二重餅が空気を含むことでフワフワになっていることも参考になっています。だから人生、何が役に立つか分かりません。時には、周りと違ったり、遠回りしたりするかもしれません。でも自分を信じて、達成したいことを頑張れば、夢は必ずかなう。そう信じています。
 私たちが勉強を始める時は教科書が必要です。でも教科書だって時代とともに変わります。その未来の教科書をつくるチャンスは誰にでもあるはずです。

  • プロフィル

きたがわ・けいすけ 1974年、愛知県名古屋市生まれ。2001年、名古屋工業大学大学院工学研究科社会開発工学専攻博士後期課程修了、博士(工学)。2018年から現職。

 

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防災:身を守る行動〉先進事例のあるイタリアから学ぼう!一般社団法人「避難所・避難生活学会」主催 酷暑期の避難所演習リポート

2024年08月04日 09時23分41秒 | 人が死なない防災

尾崎 コメント: 

防災には哲学が必要です」。

命を守るだけではなく、人権を守るために災害支援があるという感覚が日本に

あるのでしょうか? その感覚が無い限り、災害関連死はなくなりません。

私たちは先進事例のあるイタリアから学ぶべきです。

-----------------------------

1-平成の30年間には、5000人もの災害関連死が出たといわれている。

2-防災の第一目的は命を守ることです。

3-日本の「避難所の運営体制」は、本当に命を守る体制渡したいTになっているのか?

4-避難所運営で命を守るために「健康を守るポイント」は三つあります。
①安心・安全なトイレ(T)
②適温でおいしい料理(K)
③熟睡できる就寝環境(B)

5-イタリアの災害支援から日本は学ぶべきことが多々あります。

6-①清潔で安全なトイレ、②普段通りの適温でおいしい料理、③快適で熟睡できる就寝環境が、発災から48時間以内に整う仕組みが確立されています。イタリア事例。

なぜ、それが可能なのか。国の機関が費用を負担し、各地に、トイレコンテナやキッチンカーなど、国で標準化した資機材が備蓄されているからです。

6-災害が起きると、迅速に国の機関が会議を開催。発災から30分~1時間以内には、関係者が集まり、打ち合わせがスタートします。その後、ボランティア団体に指示が出され、国で標準化した支援システムが動き出します。

7-ボランティア団体は約4000で、人口の約5%に当たる300万人が登録しているといいます。普段の仕事の専門性を生かしたボランティアの在り方が定着していること。例えば、キッチンカーでの調理を引っ張るのはプロの料理人、空調機器の設置は電気工事士が主導していました。社員が災害支援に出動した企業に、国からの金銭的補助もあります。

8-イタリアには災害関連死という概念がないことです。私は行く所、行く所で、「災害関連死はどれくらいか」と質問しました。しかし「あり得ない」と返ってきます。“避難生活を通して一人の犠牲者も出さない”という共通認識があるように感じます。

9-イタリアの防災に携わる方が「防災には哲学が必要だ」と言っていました。命を守るだけではなく、人権を守るために災害支援があるという感覚を広げていきたいと思っています。

-----------------以下本文-----------------

防災――身を守る行動〉 一般社団法人「避難所・避難生活学会」主催 

酷暑期の避難所演習リポート2024年8月4日 聖教新聞

 平成の30年間には、5000人もの災害関連死が出たといわれている。この問題を解決するために避難所環境の改善に尽力する一般社団法人「避難所・避難生活学会」(以下、避難所学会)は7月27、28の両日、大阪府八尾市内の小学校体育館で、酷暑期の避難所生活を想定した1泊の演習を実施した。この取り組みをリポートする。
 

  • 開催に込めた思いとは●

 今回の演習を企画したのが、避難所・避難生活学会の常任理事を務める水谷嘉浩さんだ。八尾市内の段ボールメーカーの社長を務め、もともと防災活動とは無縁。その人生を一変させたのが東日本大震災だった。
 
 あの日、水谷さんは出張先の東京で被災。大阪に戻れず、東京で一夜を明かした。テレビに流れる壊滅的な状況に心を痛め、大阪に戻ると、支援物資でパンパンになった4トントラックを被災地に走らせた。後日、避難所に身を寄せている方が低体温症で亡くなったというニュースを見た。「避難所って安全な場所だと思っていたので全く理解できなかった」と振り返る。
 
 すぐに断熱効果のある段ボールの活用を思い付き、試作を重ねた段ボールベッドをSNSに発信した。
 
 避難所学会の代表理事である植田信策さん(石巻赤十字病院副院長)は当時、宮城県石巻市内の避難所を飛び回り、雑魚寝は低体温症だけでなく、エコノミークラス症候群などのリスクを高めると見抜いていた。人が寝るのに耐えられるだけの強度があり、短時間に大量生産できることなどから、水谷さんの段ボールベッドに目を付けた。
 
 すぐに植田さんと水谷さんは約50の避難所を歩き、一カ所ずつ段ボールベッドの導入を提案していった。しかし、導入事例のないことなどから、ほとんどが門前払いだったという。
 
 水谷さんは震災後、各市町村に段ボールベッドの有用性を説明しながら、個別に防災協定を結ぶ活動をスタート。全国段ボール工業組合連合会も巻き込み、協定を結ぶ地方公共団体や自治体は増えていった。
 

〈〈健康を守るポイント〉〉
①安心・安全なトイレ(T)
②適温でおいしい料理(K)
③熟睡できる就寝環境(B)

 イタリアの避難所運営の取り組みが進んでいると知れば、同志と共に何度も視察に通った。こうした活動が避難所学会の設立につながっていった。避難所学会は「TKB48」を提唱する。これは、①清潔で安全なトイレ(T)、②普段通りの適温でおいしい料理(K)、③快適で熟睡できる就寝環境(B)を発災から48時間までに避難所に届けるというもの。
 
 水谷さんは熊本地震、西日本豪雨や能登半島地震などの避難所を手弁当で回り、段ボールベッドを設置して雑魚寝を解消してきた。植田さんをはじめ避難所学会のメンバーも、TKBに基づいた支援を被災地で推進。こうした取り組みに背中を押されるように、国の「防災基本計画」などにもTKBに沿った修正が行われるようになった。
 
 しかし、そこに法的拘束力はなく、避難所運営は市町村ごとの対応に委ねられている。予算の関係や運営のオペレーションなどの課題が山積し、TKBに基づいた環境改善には、まだいくつものハードルがあるのが現状だ。
 
 水谷さんは「避難所環境の改善を国民の関心事にしたい。今回の演習はそのスタート」と力を込める。
 記者も参加した今回の演習。そこで体験したのは過酷な現実だった……。
 

空調設備なしで生活はできない

 演習会場の最寄り駅となるJR八尾駅に到着したのは、午前11時過ぎ。スマホの地図アプリを片手に会場に向かい歩き出すと、一気に汗が噴き出てくる。この日の最高気温は35・4度。酷暑期を想定した避難所演習という意味では、ベストコンディションだが、不安を覚えずにはいられない。歩くこと約10分。演習会場となる小学校体育館に到着した。
 
 既に多くの人が集まっていた。大阪府や八尾市など自治体の防災担当者、熱中症や防災の研究者、災害医療の専門家ら約70人が、今回の演習に参加することになっている。
 
 館内は強い日差しは受けないが、空気がこもり、外より湿度は高いように感じる。幸い、スポットクーラーや大型扇風機が設置され、暑さに耐えきれなくなった参加者が、入れ替わるように、その前に立っていた。
 
 サーモグラフィーで館内の温度を測定していた参加者によれば、午後3時時点の天井の温度は46・4度。室温は午後2時時点で36度だったという。
 
 水谷さんが「大規模災害時の直後は、クーラーや扇風機も設置できない可能性が高い。とてもじゃないけど生活できる空間ではない」と声を強めれば、参加者からは「空調が使えなかったら地獄」という声が漏れた。
 

演習のスタートは、冷房が効いた教室で座学。夏季避難所の想定されるリスクについて、中京大学の松本孝朗教授、神戸女子大学の平田耕造名誉教授らが講義。避難所学会の植田さんは能登半島地震での支援模様を報告。水谷さんはイタリアの災害支援について紹介した。
 

「アルファ化米」1日が限界かも

 座学が終わり、夕食に。
 「わかめご飯」「きのこご飯」「山菜おこわ」「梅がゆ」「ひじきご飯」の5種類のアルファ化米から好きなものを選ぶ。作り方はシンプル。開封して、プラスチックのスプーンと脱酸素剤を取り出して熱湯を注いで15分で完成だ。
 
 体育館の床に座って食べ始める。「おいしいですよ!」と箸を進める人がいる一方で、「まずくはないが、連日は食べられない。1日が限界」という感想が多く聞かれた。
 
 記者は一口、二口と進んだが、なかなか、三口目が進まず、空腹を我慢することを選んでしまった。近くにあるコンビニエンスストアに救われた。
 

 続いて、シャワー体験。熊本地震や西日本豪雨、能登半島地震などの被災地に導入されてきた株式会社タニモトの組み立て式コインシャワーが2台設置されていた。
 
 シャワーの給水は、能登半島地震の被災地で使用されている株式会社クリタックの浄化装置を使用して貯水槽の水をろ過。水圧も問題なく快適だった。
 

床に「雑魚寝」痛みとしびれ

 午後8時ごろから演習は、就寝環境の検証へと進んでいった。生みの親である水谷さんの解説によって段ボールベッドの組み立てが始まる。手順は複雑ではない。しかし実際の避難所に設営する場合は、床面積を計測し、通路の確保も計算しながら収容人数に応じた配置バランスが求められる。さらに避難者に段ボールベッドの効果を丁寧に説明し、理解を得ながら、設置を進める必要があるという。
 
 これは誰しもができることではなく、避難所に届いても、倉庫に眠ったままになってしまう課題がある。だからこそ、水谷さんは必ず、被災現場を回っていると教えてくれた。
 

 就寝環境が整ったのが9時ごろ。館内の温度計は32度を指していた。主催者から「寝苦しいと思うので、遠慮なく冷房の効いた部屋に移動していただいても構いません」との呼びかけがかかる。参加者のどの顔も疲れ切った表情。中には既に倒れるように寝ている人も。午後11時を回り、消灯になった。
 
 床の上に薄いアルミマットを2枚敷いて雑魚寝を始めた。しかし、背中が痛く、コロコロと寝姿勢を変えるが痛む部分が増えるばかりで、なかなか寝付くことができない。明け方、空席の段ボールベッドに移動。雑魚寝とは比べものにならないほど、快適に感じ、体を休めることができた。雑魚寝した35歳男性は「体のしびれと痛みがひどい。エコノミークラス症候群のリスクがあることがよく分かった」と実感を込めた。
 

 朝食は唯一、ホッとできる場となった。夕食と違って、教室を模様替えした“食堂”に参加者は足を運び、水谷さんが大阪の帝国ホテルのシェフに頼んで考案してもらったアルファ化米のアレンジメニューが有志によって振る舞われた。わかめご飯を使った「サーモンライスサラダ」、山菜おこわからは「焼きおにぎり茶漬け」など。
 
 口にした参加者は笑顔にあふれ、「本当においしい」「これだったら毎日食べられる」と大好評だった。避難所環境の改善の課題に挙げられる「食事」がいかに大事かを如実に表す場面だった。
 

 そして、最後の総括会。チーム別に演習を振り返るディスカッションが行われた。
 今回は停電や断水を設定せず、トイレは通常通り、水洗トイレを使用したが、断水時に水洗トイレが使えない状況を想像しながら話し合う場面も。「間違いなくトイレを我慢する」「夏場は特に臭いが大変なことになる」「想像すらしたくない」など神妙な面持ちだった。
 

 演習は無事故で終了。水谷さんは「得たものをフィードバックしながら、継続して開催していきたい。この実体験を環境改善のうねりに変えていく」と訴えた。1日で終わると分かっていたから耐えられたのかもしれない。この生活に終わりが見えないと心身ともに持たないのは想像に難くなかった。
 
 しかし今も現実に避難生活を余儀なくされている方がいる。
 
 演習から2日後、水谷さんは記録的大雨で被災した山形の避難所に、雑魚寝を解消するために向かっていった。
  
 
イタリアの災害支援――水谷常任理事の講演から●

ハード、ソフトともに国で標準化

 災害支援の在り方が進んでいると知り、これまで何度もイタリアを視察してきました。①清潔で安全なトイレ、②普段通りの適温でおいしい料理、③快適で熟睡できる就寝環境が、発災から48時間以内に整う仕組みが確立されています。
 
 トイレにシャワーも完備されたコンテナが避難所に届き、キッチンカーなども来ます。避難所生活は主にテントで、家族単位で入ることができます。中には簡易ベッドがあり、エアコン設備もあります。
 

テントの中は簡易ベッドなどが整備                         

 なぜ、それが可能なのか。国の機関が費用を負担し、各地に、トイレコンテナやキッチンカーなど、国で標準化した資機材が備蓄されているからです。

 災害が起きると、迅速に国の機関が会議を開催。発災から30分~1時間以内には、関係者が集まり、打ち合わせがスタートします。その後、ボランティア団体に指示が出され、国で標準化した支援システムが動き出します。
 
 ボランティア団体は約4000で、人口の約5%に当たる300万人が登録しているといいます。
 
 視察で実感しているのは、普段の仕事の専門性を生かしたボランティアの在り方が定着していること。例えば、キッチンカーでの調理を引っ張るのはプロの料理人、空調機器の設置は電気工事士が主導していました。社員が災害支援に出動した企業に、国からの金銭的補助もあります。
         

 日本と違うもう一つの特長が、被災自治体の職員が避難所運営に関わらなくても支援が進んでいくシステムが確立されていること。被災地域外からボランティアなどが入ってきます。
 
 これも支援システムが標準化しているからできることです。
 
 日本は1700以上ある市町村で、避難所 運営の在り方はそれぞれ。他地域からの支援が混乱を生んでしまう状況もあります。今回の能登半島地震で支援に訪れた際、被災者に何か欲しいものはありますかと伺うと「希望が欲しい」と言われました。被災者は絶望をされていました。支援の在り方を考える必要があるのではないでしょうか。
  

避難所テントでは子ども支援も

 イタリアで学んだ一番大きいことは、イタリアには災害関連死という概念がないことです。私は行く所、行く所で、「災害関連死はどれくらいか」と質問しました。しかし「あり得ない」と返ってきます。“避難生活を通して一人の犠牲者も出さない”という共通認識があるように感じます。
 
 イタリアの防災に携わる方が「防災には哲学が必要だ」と言っていました。命を守るだけではなく、人権を守るために災害支援があるという感覚を広げていきたいと思っています。
 

 

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