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母さんのコロッケ



喜多川泰の新刊  「母さんのコロッケ」  ~懸命に命をつなぐ、ひとつの家族の物語~


どこか、浅田次郎の「メトロに乗って」の世界観に似た本作は、

SFファンタジー調に乗せた、喜多川泰の半自伝&啓発的な物語だ。

しかし、さすがそこは喜多川節満載で、読んだ後の感動ときたら

このオイラでさえ目頭が熱くなるほどだ(笑)

相変わらず冴えまくってます。





ボクのおじいちゃんは、オヤジがまだ おばあちゃんのお腹にいる時に出征しました。

シベリアで抑留され、強制労働させられていたそうです。

極寒の地での労働は過酷で、毎日 同志が死んでいったそう...

そんな中、日本に帰ってこれたのは奇跡的なことでした。

きっと、家族に会いたいという強い気持ちがあったんでしょうね。

でも帰ってきたのは戦後数年経ってからで、オヤジはすでに小学校高学年の頃だったようです。

オヤジは父親の愛情を知らないまま育ちました。


おじいちゃんが出征している間、

おばあちゃんは家計を支えようと理容師になりました。

その時代、女手一つで家計を支えるのはさぞ大変だった事でしょう

きっと、子供であるオヤジのため、絶対生きて帰ってくると信じていたおじいちゃんのため、

おばあちゃんはがんばれたんだと思います。

そんな気持ちを知ってか知らずか、ウチのオヤジも理容師になりました。

そしてオカンも理容師さん。

そんな親に育てられたボクも美容師の道へ...


喜多川先生とボクは、その境遇が似ているとこが多いので、

特にこの物語には感情移入してしまいます。


ちょいと家族の間で問題がありまして...

つい先日、母親にひどい悪態をついてしまいました。

ええ、そりゃぁもうオメェ~呼ばわりで...

この物語を読んで、ちょいと後悔しております。

電話しなきゃな...。


子供を育てるうえで、親がどれほどの愛情をそそいできたか...

人は何のために生まれてくるのか...

自分に与えられた使命とは...


必読ですゾ!













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