成長日記

娘さんの成長の様子を綴っております。
19歳になりもう成人なのですが、ブログのやめ時を見失って父の備忘録状態

文系父には限界ですが

2011年04月26日 | 素人考察-放射線被害
なんか、我ながら最近の記事が小難しくてツマラナイ。
一連の素人考察はそろそろ最終回にして、のんきな育児日記に戻りたいものです。

とはいえ、けじめなので前回の続きの話題だけは済ませますね。
放射線量の安全基準の模索についてです。

放射線が何故健康に被害を及ぼすのかというと、
放射線とは何かという議論に立ち入ります。

α線やβ線は粒子線で「小さな粒」でまだ理解できますが、
γ線にいたっては電磁波であり、粒か波かすら確定できないのですから、
(粒であり波でもあるというのが正解なのかな?)
その影響をシーベルトという単位ひとつで掴むのは大変です。

考察だけ突っ走っていくと、
「放射線で癌を発病する確率は結果を測定して初めて分る」
(測定出来るまでは死ぬ確率と生きている確率が共に存在している)
などという量子論に基づいた無責任な回答に落ち着いてしまうのかもしれませんね。
※シュレーディンガーの猫 参照

ただ、ミクロの点ではあやふやな確率なのですが、
今回の事故においてはもっと大まかに論じる事が可能だと思います。

まず、原発事故における「放射線」とは物質を通過する時に、
原子や分子をイオン化させる能力がある「電離放射線」のことです。

放射性核種が原子崩壊して安定元素に変わる際に生じた力は、
光子や電磁波として放出されますが、その中に透過力とイオン化の力を持つ放射線があるのですね。

普通、原子がイオン化するとその原子は電気的に不安定になり、
別の電子を取り込んだり他のイオン原子と結合して安定化しようとします。
小学生の理科実験でやるような、酸素原子と水素原子を結合させて水という分子を生成するような変化だと思います。

同じ事が遺伝子を構成する分子、すなわち2重螺旋を構成する4つの塩基
(アデニン(A)、 グアニン(G)、 シトシン(C)、 チミン(T))
がイオン化しても起こってしまいます。
塩基が別の変異たんぱく質へ姿を変えれば、遺伝子情報は損傷してしまいます。

これが、放射線が人体に影響を及ぼす仕組み。

遺伝子には自己修復機能がありますので、
少ない放射線ならば細胞変異の可能性は低いのですが、
取り込み線量が多い際には、修復タンパク質の活性化が阻害されます。

更に、遺伝子の2重螺旋はその情報を元に細胞分裂を行うのですから、
その情報が壊れてしまった場合の影響は細胞一つでは収まらないわけです。
放射線=癌の心配はここからきております。

では、一体どのくらいの線量まで自己修復可能なのか。

イオン化密度はLET値という値で論じられるのですが、
単位はkeV/μmなどが使われるような超ミクロの世界。
(1μm=マイクメートルを放射線(例えば電子)が進む間に物質に付与するエネルギー量(keV)の事)
さっぱり分りません。wikiによるとeVはエレクトリックボルト。1meV=10KVに相当だそうです。

ただ、LETの増加に依存して修復タンパク質の活性が阻害され、
α線の照射=120KeV/μm=12meV/μmではほとんど修復タンパク質が働かなくなるそうです。

この理屈を利用した医療行為である
(放射線照射により遺伝子情報を壊し、癌細胞を潰す)
ガン治療用炭素イオンビームでは500KeV/μmですから、
50-100が深刻な遺伝子損壊の線量ではないかと素人考えで予想します。
(確実に潰したければ10倍くらいの数字を準備しますよね?)

β線、γ線では、この数字は0.2KeV/μm=0.02MeV/μmだそうです。

また、ヨウ素、セシウムの原子崩壊により放出される数字は以下のものが拾えました。
ヨウ素:β線0.6、γ線0.6
セシウム:β線0.5、γ線0.7

以上の前提によって(前回の記事も思い返して)計算してみると、

※ヨウ素/β線限界値をもとにシーベルト限界を検証

危険量=50KeV/μm=5MeV/μmと仮定
=ヨウ素崩壊 416.6個(5MeV÷0.02MeV÷0.6)にて限界β線量放出
(一つの細胞に対して417個のヨウ素が崩壊し影響を及ぼすとその細胞にとって致死量という計算。)

さらに、1秒間で一つの原子崩壊を起こすのが1Bq。
半減期8.1日ということは、417個が1周期で崩壊するには倍の834bqが必要になりますから、
834bqのヨウ素を8日間体内に留めると修復不可能な細胞変質を起こすという試算です。
(ネットで拾った数字に文系の考察と前提がまったく信頼置けない数字であること、ご了承下さい。)

γ線もほぼ同等の影響を及ぼすとの事なので、
834bqの半分の417bqを限度数値とし、
おなじみになった換算式であるヨウ素=2.2x10^-8(ICRP)に当てはめると、
417Bqx2.2x0.0000001 = 0.00009174sv = 0.0917n\msv = 91.7μsv
という数字が導けます。

凡そ100マイクロシーベルトを一度に受けてはまずい。

放射線は基本積算ですし、
半減期や新陳代謝があるのでこの数字を基準にするのは微妙なのですが、
仮定と憶測で進めた割にはまともな数字に落ち着きましたね。

ヨウ素やセシウムが一箇所に集まって原子崩壊をするとは考えにくいのですが、
仮にそうなった場合には遺伝子修復ができない点に限界値があるのは納得がいきます。

放射線の力は距離の2乗に反比例するし、
α線にβ線はごく薄い遮蔽物で遮断できる事を考えると、
体内被曝の数字を把握する事が大事ですね。

元の元素の性質(どこに取り込まれるのか)、新陳代謝の速度(体内に留まる時間)、
それに外部被曝の量を加味すれば、凡その摂取限界量が導けます。

まだまだ分らない事は多いけれど、やっと自分なりに納得できる安全数字が見えてきました。

専門化には突っ込みどころ満載とは思いますが、とりあえずこの辺で
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安全数値はどこ?

2011年04月22日 | 素人考察-放射線被害
前回の記事の続きで、放射線の限界線量について。

○ベクレル検出や○ミリシーベル測定とか、新聞やニュースで騒ぐ割には、
なかなか具体的な危険度が見えてこない数字です。

ベクレルは物質が放射線を出す力、シーベルトはそれを元に人体に影響を及ぼす放射線量に換算した数字。
100ベクレルなら1秒に100個の原子核が原子崩壊を起こしている状態です。

ちょっと汚い例えですが、
ヨウ素やセシウムなどの放射性核種はウン○に含まれている臭いの元と例えるとお子様に分りやすいかも。
この臭いの元が一秒間に臭いを出する能力がベクレル。
でも問題はウン○よりは臭い匂いの方。

にんにく系や肉系の匂いなど、本当は種類があるけれど、
おなじ土俵で威力を比較したいので、単位を揃える必要がある。
その匂いの強さを数字に置き換えた単位がシーベルトです。
一度にどーんと臭いより、ずーっと臭い方が体に堪えます。


ベクレルをシーベルトに換算する係数は元素ごとに違います。
父が前回採用したのはICRPの表を使ったものですが、
これが正しいかどうかは正確には分かっていません。

ただ、臭いに敏感な人と気にしない人が居るのと同様、
放射線も受ける側の体質によって影響は違うものです。
それに一般基準を設けようとするから、基準が発言者の立場で乱高下します。

そもそも、放射線が人体に対してどのように影響するかデータを揃えるのが難しい。
低Lvで放射線を浴び続けて実際に癌になる様子をモルモットで再現しても、
それが放射線の影響による発ガンか遺伝的に発病したものなのか、
因果関係をなかなか証明出来ません。

100匹でも1000匹でもサンプルを取って平均値で論じるしかないですし、
さらに人体でのサンプル数が極端に少ないのです。
それに実際に生きている個人にとって、平均のデータなどなんの役に立つでしょう。
皆に大丈夫でも、自分にダメなら結局は同じ事なのです。

ただし、チェルノブイリの事例から放射線量とガン発生率は比例するという説があり、 発病は確率の問題で少なければ少ないほど良いものと考えるのが自然だと思います。

中には被曝量が少ないと細胞が活性化されて健康に良いといトンデモ学説(ホルミシス説)もありますが、
これはかな~り眉唾だと思えるのですが...。(でも、原発推進派はこれを使いたがる)

他に、放射線にはしきい値が存在していて、それ以下なら問題なく、
それを超える時点で初めて健康被害になるという考え方もあります。
比例説と結局は基準値を儲ける点では一緒です。

しかし、比例説での基準は被曝メリット(例えばX線検査による病気の早期発見)
と被曝リスクを比較して「ここまでなら我慢できる」というがまん値であるのに対し、 しきい値は「ここまでなら被曝してもOK」という許容値です。

そして、このがまん値を2,400μsv/年とするか5,000μsv/年とするか等は学者により意見がバラバラ。
この基準を自分なりに作る事が行動の指標となります。

ちなみに、
ICRP(国際放射線防護委員会)
職業人 20msv/y=20,000μsv 以下(5年で100msv以下)
一般人 1msv/y以下(250μsv/三ヶ月)

日本政府
一般人
事故以前 2.4msv/y以下(ICRPに準拠)
事故後 20msv以下なら住めるね。子供は..半分の10msvね
福島子供 20msv以下ならOKだから。半分の10って言ったの間違い
(20msvも随分適当な数字だが、子供が半分というのも...
残された寿命に加え、さらに体積の差を考慮すると1/4=5msv以下が適正かな~)

職業人
事故以前 100msv以下
事故数日後~ 250msv以下ならだいじょぶ
最近(4月18日) あれ?足りねぇ。限界上げればいっか...(それ以上を検討中)

どれらを採用するかは自己裁量ですね。
ただ、何度も引用してしまいますが、ICRP発表では1svの被曝で癌になる確率を0.05(=5%)としてます。
(年や時間単位でなく、総量です。比例式を採用)
20人が1sv被曝すると1人が致死的な癌になる計算。

日本の職業人のがまん値250msvを引用し、比例式で計算すると、
1sv = 1,000msv ÷250msv = 4(1svの1/4のリスク)
80人に一人が癌になる計算です。
(確かに「ただちに」影響は出ないと急場を凌いで、
その後に統計を公表しなければ誤魔化せる数字ですね。
この程度の数字では癌と放射線の因果関係は証明出来ないでしょう)

誤解を承知で書くと総量で200msvの被曝を超えるたびに
100面体で1が出たら致死的癌になるサイコロを振るわけです。

10μsv/hの環境に居れば、2年ぐらいでそのサイコロを振る計算ですね。
(200msv = 200,000μsv ÷ (10μ x 24時間) = 833日 ÷365 = 2.3年

これを「心配する必要は無い」とする数字とみるか、
「それでも心配」とみるかは、人それぞれです。

私が以前から言っている「コップの水がもう半分/まだ半分」という個人の判断はここで初めて出てくるのです。
仮説でもこの程度の説明なくして「安全だから」という一方的な報道は本当に残念です。

上記は割とネガティブに数字をいじっておりますが、
これだって解釈によっては安心できる数字ではないでしょうか。
(話はすごくずれますが、1/100を100回降っても必ずアタリは出ません。
確実に当てたければ、130回以上は振らないと99%の人が当たりを引けないのです。
余剰現象があるので。もちろん一発で引く人も居るんですけど...)

ところが、この数字以外にも検討するバックグランドはたくさんあります。
体内に入った放射性核種から発せられるβ線と、大気中から影響を受けるβ線が同じ係数で測れるわけが無い。
そもそも核種の化学的な毒性は?

ここまで検討しないと、まともな判断基準とはならない気がします。

とはいえ、今回も長くなってしまったので、この辺で。
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情報戦

2011年04月21日 | 素人考察-放射線被害
1)福島の小学校で高い放射線が検出されても、外遊びが制限されるだけのようです。
年間20msv(ミリシーベル)を上限値に1時間当たり3.8μsv(マイクロシーベルト)/hという制限値を算出したそうな。

2)某市民団体が母乳から37bq/kgの放射性ヨウ素(I131)を検出したそうな。

???
えと、何度も言いますが、父は素人かつ文系なんですが、
それすら騙せてないですよ。
ただ安全かどうかが知りたいだけの一般人に対して、
政治の思惑や保身の為に詐欺同然の理屈で情報を錯綜させるのは、
本当に止めて欲しいものです。

まず、子育てに不安を感じていらっしゃる方も多いと思うので、
母乳からの検出について、私なりに補足します。

この情報の出所はハイロアクションという反原発の市民団体からの発信。
(恐らくバックは与党の反対勢力でロビー活動を展開していると思われ)
ただの市民団体なのに、何故か記者会見出来ちゃうくらいマスコミにコネがある。

勿論、検査が正確に行われていればそんなバックグランドは関係ないのですが...。

検体数は9人うち4名から検出(おいおい、母数少なすぎ)
検査地域は"千葉や茨城"(広すぎ。地域を分けて数字を集めないと意味不明)
さらに検査方法は不明。(orz)

母乳を1Kg搾り取ったんでしょか?適当にサンプルとって1Kgに換算したなら
○mg中○bq検出(1kgに換算すると37bq)と書くべきですね。

37bqすら怪しいのですが、更に数字のマジック。
ヨウ素I131が37bq/kgというと「放射性物質キター。しかも母乳から~」と煽るには十分なのですが、肝心の線量換算してません。

ヨウ素のシーベルト換算率を2.2x10^-8(ICRP:国際放射線防護委員会 の換算率より)として計算すると、

37bq x 2.2 x 0.00000001 = 0.000000814sv = 0.000814msv. = 0.814μsv
0.814マイクロシーベルトですね。
勿論乳児に取り込まれる数字としては0じゃない時点で危険ですが、
現在の福島・茨城・千葉・東京・埼玉辺りには水道水にそれ以上の危険があると思われます。
この情報だけで「母乳出るけど粉ミルクにしなくちゃ><」と考えるのは早計です。

勿論、乳幼児をこの地域で育てている方には、
放射性物質の怖さを認識して、可能なら非難して欲しいと思いますが。

しかし、半減期が8.1日のヨウ素について今の段階で検査を実施・発表する事自体胡散臭い。
やるなら定期的に、しかも母乳からならセシウムの方が検査項目としては正しいかと。

「ヨウ素は成長ホルモンに関連し、甲状腺に取り込まれ沈着する。
したがって、幼児には摂取を避けたい」という今や一般常識になってきた事を逆手に、
親達の不安を煽る為だけに発表されたように思えます。

しかし、私は安全派ではないので、
今度は反対に安全と言っている1)の数字について検証してみます。

福島の小学校の外遊び制限の件ですね。発表どおりに試算すると、

3.8μsv/h x 8時間 x 365日 = 11096μ ≒ 11ミリシーベルト/年 で安心ってこと?

いやいや、その他の時間も高濃度の放射線やら土壌汚染やら食材汚染が報告されている地域で生活しているんですよ?この子らは。

逆算しても 20msv = 20,000μsv ÷ 365日 = 54μsv/day が一日の限界量
3.8μが検出できる日は学校以外でも影響を受けるのですから、

54μsv ÷ 24時間で 2.25μsv/hとする方が自然では?

しかも、他に宇宙からの照射、食品からと全て加算しなければいけない数字。
大気からだけで限界量に近ければその他からの加算で確実に限界を超えてしまいます。

うーん、うーん、私が関係者なら確実に逃がすレベルです。


いずれにしても、発表される数字にはどれも発表側の味付けがされている良い例です。

しかし、これを発表している団体は私達に対して何も責任を取りません。
残るのは事実として発表した数字だけ。

数字を改ざんするのはまた別のレベルでの注意が必要ですが、
日本ではそれはなかなか行わない。
政府にしろ東電にしろ、覚悟を決めて嘘をつく根性は持ち合わせて居ないと思います。
検査方法をごまかし、検出数字を歪曲し、自分の都合に合わせて発表します。

私達は彼らの思惑を取り外して正確に情報を掴み、
逆に隠したい事を見破る目が今は必要なのかもしれません。

しかし、この限界の数字もそもそも根拠が無い数字で、
安心できる限界値など無いとも思ってます。

長文になってしまいますので、限界数値についての考察はまたの機会にしますが、
情報を正確につかめても安心できる日は当分来ないみたい。

それでも、出来る事をしていこうと思うのでした。
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放射性核種

2011年04月15日 | 素人考察-放射線被害
日に日に化学の知識が増えていく状況がなんとも...。

娘の手術の際も脳みそフル稼働しましたが、
今回の原発事故では量子論まで理解が必要なようです。
勿論、さわりだけの理解で良いのでしょうが、それだって文系には大変なものです。
子育ては勉強とは言いますが、まさかこんな勉強は想定してませんでした。

さて、先日ストロンチウムが検出されるという発表が、
いつもの時間(深夜にコソッと)ありました。
これも聞き慣れない放射性核種ですね。

また娘に説明できるように、情報を集めて整理しながら書いて見ます。
核種に触れる前に、原発の仕組みからになるのかな?
毎回のお願いですが、勘違い・誤解に気付いたら指摘頂けると嬉しい。

安定型のウランを不安定にして(燃料化)核分裂を誘発、
そこから生まれる中性子とエネルギーで更に核分裂を起こし
熱エネルギーを連鎖発生させるのが原子力発電のしくみですね。

原子炉が核分裂によってエネルギーを取り出す仕組みなので、
使用(中)済みの燃料の中にはウランが分裂したり、中性子・陽子が加わったりで作られる、不安定な状態の元素(放射性核種)がたくさんあります。

そのため、核燃料プールから放出される危険性がある核種は多種になます。
しかし、その中で可能性が高いものかつ比較的半減期が半端に長いもの(摂取に注意するべきもの)は、
クリプトン(Kr)、ストロンチウム(Sr)、イットリウム(Y)、テクネチウム(Tc)

 85Kr(β-;γ)(半減期)10.8年
 90Sr(β-;γ)  28.8年
 91Y(β-;γ)   58日
 90Y(β-;γ)   64時間
 99Tc(β-;γ)  21万年

ヨウ素(I)、キセノン(Xe)、セシウム(Cs)この辺りのようです。

129I(β-;γ)  1570万年
131I(β-;γ)  8.1日
135Xe(β-;γ)  9.1時間
137Cs(β-;γ) 30.1年

2段構えなのは、質量数(陽子+中性子?)の数が近いところで分けてあります。
頭の数字が原子の質量数ですね。凡その足し算すると90+140=230となり、
元の原料である、ウラン235/238に近い数字になります。

核分裂だけでなく、中性子・陽子が加わってしまうこともあります。
プルトニウムですね。

これも燃料の中に生成される=飛散の可能性がある物質です。

しかし、プルトニウムはα崩壊や核分裂=中性子線を出す可能性まであるので、
別枠の危険度ですね。他の核種は殆どβ崩壊とγ崩壊を起こすものです。

余談ですが、先日の記事ではα線は紙一枚で防げると危険度を軽く見ておりましたが、
実は人体に当った場合の影響力はα線のほうが強いようです。
ベクレル辺り、α:β:γのシーベルト換算率が10:1:1 という事でも分ります。

さて、クリプトン、キセノン、ヨウ素を除けば全て重金属となりますから、
原子炉から漏出しても、比較的近辺に落ちてくるはずですが、
今回のストロンチウムは30Km圏外で見つかったとの事。
当然、他の核種も存在していると見るのが自然ですね。

上記の核種のうち、生体への影響力として気にかかるのは、Sr、Y、I、Cs、Puと言った元素。

ストロンチウムは、カルシウムと似た性質を持ち、人体に入ると骨に沈着。
そこで崩壊→イットリウムになり、間も無くそれも更に原子崩壊、
β線とγ線を放出するはずです。骨から直接照射される放射線が、
骨髄腫や造血器に障害を引き起こす訳ですね。

セシウムは、Na(ナトリウム)、K(カリウム)と同じ第1族元素なので、
Na、Kの代わりに体内に取り込まれます。
多くは筋肉に取り込まれるので、体内のどこに影響を出しても不思議ではありません。
ただ、骨と比較すれば新陳代謝が比較的早い組織である事が救いですね。

ヨウ素はもともと成長ホルモンを作る物質で、甲状腺に取り込まれる栄養素です。
成長ホルモンの元になるのですから、子供にとって放射性ヨウ素を取り込むことは特に避けたい核種です。

甲状腺にヨウ素が一杯になると余分は体外に排出されるので先に安定化ヨウ素を服用し、放射性ヨウ素を体内に留めないようにする取り込み予防が可能との説があります。
(だから欧州でヨウ化カリウムを求めるパニックが起きました。
私見では臨床データを揃えれば十分有効と認められると思います。)
被災地の子供には是非服用させてあげたいですね。

プルトニウムについては、α線を放出する時点で体内取り込みは危険です。
化学特性も猛毒ですから。
(しかし、細かい微粒子を肺に吸い込むと残ってしまいます)

今回見つかったストロンチウム。カルシウムに近いという事ですから、
もし海に流れていた場合、生物凝縮されてしまいます。
信用できる検査が実施され結果が公表されない限り、
出荷自粛の小女子は当然ながら、太平洋側の近海魚のうち、
骨まで食べるようなお魚は避けざるを得ませんね。

また、カルシウム豊富でかつ関東の野菜の代表でもある小松菜や
(最近は関西でも栽培されているようですが)、50-100Km圏内産の牛乳など、
微量のストロンチウムを検出するのが困難な食材について、
「安心」といわれても安心できないのが本音です。

間違っても「ただちに健康には影響ない微量」では安心できませんから。
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またまた悪いニュース

2011年04月12日 | Weblog
本日も子供達にとって嫌なニュースが報道されました。
原発の事故レベルを7に引き上げたそうです。

これ、本日(4月12日)の発表ですが、実際にレベル7相当の被害があったのは3月11日-12日です。
今更「実はすごい量で放射性物質を飛ばしてました」と言われても、被曝した後です。

なぜ、少しでも小さく被害を見せようとするのでしょう?
子供が嘘を隠そうとしてもっと嘘をついている感じのイライラにそっくりです。

「やってしまった事を叱っているのではなく、
嘘をついている事に怒っているんだよ?」

こんな台詞、皆さん子育て中にしょっちゅう口にしていると思いますが、
今回の関係者はこういった事を教わってこなかった人ばかりなのでしょうか。

この発表が地方統一選挙後というのが、もう、なんと言うか..。
人為的に発表を遅らせたとすれば、それは間接的な加害者です。
政府発表を信じて逃げる決断を遅らせて、
かえって酷い目にあった被災者の方が気の毒で仕方ありません。

そもそも、レベル5でも7でも政局評価には影響ないですよ。
事故対応、復興対応をしっかりやれていれば良いんです。

それをこういう風に隠蔽しようとしたり、誤魔化そうとするから大負けしたんです。
そんな簡単な事が分らないとは。

過去の失敗を小さく見せるよりも、
未来の被害を小さくする事に力を注げば良いのに。

今、私達が一番心配な事は、自分と子供にどんな影響が出るのか見えないこと。

チェルノブイリの事故から拾える数字を元に
甲状腺ガンの発症リスクの増加を指摘し、
(15歳以下の発症率が他国の平均値と比較して、数倍~百倍程度高い実績があるそうです)
それに対して定期的なガン検査を義務付けたり、
(また、そのデータは他の不幸な事例で必ず生きてきます)

ほうれん草や水に含まれる数値だけで右往左往するのでなく、
生物濃縮まで考慮して、粉ミルクや食物連鎖の上位に居る魚貝の数値まで毎日調べたり、
(その数値も何故か突然基準緩和して"基準値以下"という発表で誤魔化さず、
正確に元素ベクレルとそれをシーベル換算して発表して欲しい)

可能な限りの事例と臨床データを分りやすく揃えて、
放射線量の危険度基準に確信を持たせてくれたり、
(放射性核種の化学毒性についてもカバーして欲しいですね)

何故か気象庁がデータ提出しているのに
発表されない放射能の拡散予報を天気予報に入れたり、
そういう事を行って欲しいと思います。

ドイツのWebで自国のニュースを追うことになるとは、
もう、どこの独裁統治国家かと...orz
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入学しました

2011年04月08日 | Weblog
娘さん、ピカピカの一年生になりました。



学校は家から徒歩10分ってとこかな。
登校班に入れてもらって、近所のみんなと通学します。

詳しく知らないのですが、最近は小学校でも子供に選択肢があるそうです。
父の子供時代は、地域で同じ小学校に問答無用で振り分けられたものですが、
ご近所と違う小学校に行くことも可能なんだって。

だから、登校班が作れるというのもラッキーらしい。
良かったね。

チョロチョロして班追放された事もある父が言うのもなんですが、
ちび達にとっては重要な社会の一つですから、班の皆と仲良く通い続けて欲しいものです。

また、この小学校はすぐ隣の大きな学校に子供をとられて、小ぢんまりした構成です。
娘の1年生も男17女17名の合計34名の1クラスのみ。
6年間クラス換えもありません。

登校班だけでなく、ここも長い付き合いになるコミュニティーなので、仲良く過ごせたら良いですね。

そして、入学式と言えば桜。


こんな写真を記念にとっておきました。

今年はお花見は自粛ムードで屋台も来ないと思いますが、
入学式に合わせてバッチリ咲いてくれました。
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春の新番組

2011年04月06日 | Weblog
久しぶりに、肩の力の抜けた記事を。

震災速報もひと段落して、NHK教育の番組改編が落ち着いてきました。

娘さんももう小学生なので、朝の子供の時間にお世話になることも減ってくるのですが、子供番組鑑賞は父の趣味なのでなんとなく見続ける事でしょう。

今年の改編は父的には良い感じかな。

まず、お母さんといっしょ。
歌のお兄さんお姉さんは勿論、体操のペアも変更無し。
体操お姉さん辺りはそろそろかな、と思っていたのですが続投です。
変わりにこれは意外だったのですが、着ぐるみトリオ更新。

ゴロピカドン(ライゴーとかスイリンと名前があるのですが、父の中ではお天気キャラといえばこんな名前でひとくくりです)は引退して、動物ベースのキャラクタになりました。2年しか持たなかった?短い任期でした。
きちんと鑑賞してないですけど、新キャラの方が分かりやすくて人気が出るのではないかな。
お話の構成もジャジャマル、ピッコロ、ポロリの三キャラ時代を彷彿とさせますね。

いないいなばぁのことちゃんも交代。
新しい女の子(ゆうなちゃん)はちょっと年上のお姉さんっぽい感じで、これも人気でそう。琴ちゃんはお姉さんというよりお母さんっぽさが出てましたので

父が残念なのは、クインテッドが随分縮小されちゃったことかな。
土曜日だけになたみたい。
平日は新番組「ぱっころりん」が後釜みたい。
人形的には「フックブックロー」というこちらも新番組が似ているのですけど、こちらは絵本に関心を持ってもらう番組のようですから。

にほんご、えいご、つくってあそぼシリーズは大きな変更無し。
こちらは安心のクオリティーですね。
それから、みいつけたのすいちゃん、随分番組慣れしてきたのか、良い感じで円熟期を迎えていますね。

まだまだ新番組も始まったばかりで、詳しい事はこれからですが、おおむね期待できそうな改編という印象なのでした。

ちなみに、ガンコちゃんの歌が谷啓から瀬川エイコになったのはどうでもよかったり..
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考える力

2011年04月04日 | Weblog
4月になりました。
心機一転、春からの新生活を頑張ろうと思いたいところですが...。

関東・東北を中心に日本・世界まで巻き込んで、
東京電力発の不安がいっぱい広がっています。

具体的に効果のある対応を早急に実行して、
不安の無い将来を子供達に約束してやれれば良いのですが、
とてもそんな未来図が書けない状況ですね。

先日、ついに発見されてしまったプルトニウム。
海にたれ流されている放射性物質。
世界基準と分りやすく比較され、ますます信じられなくなった政府・東電の規制値...。

規制値超えとか自然界の○倍など、ピンときません。

導火線の長い(発病に時間の掛かる)病的な要素がある見えない不安に対して、
利害関係の延長線上にある機関が判断した数字など、意味があるのでしょうか。

医学に詳しくない私達でも、具体的な臨床データの少ない被害に対しての規制値が、
学者様の推論・仮定で成り立っているというのは感じ取れます。

そして、コップに残っている水に対して
「まだ半分」と思うのか「もう半分」と思うのかは個人の裁量。

これを「まだ半分と思え。もう半分と不安を煽るのは風評被害だ」と意識を洗脳するのは、為政者がやってはいけない事だと思っています。

色々な考え方がある。様々な切り口がある。
それらを自由に発言し、相手の話に耳を傾ける事も出来る「自由」こそ、
貧富も男女も出身も関係なく保障されている唯一の平等です。

震災前から政策は穴だらけ。
震災後の緊急対応は後手後手。
東電に対しリーダーシップも発揮できず、
世界に対して信用を取り戻すどころか下げ続ける政策・発表のオンパレード。

それも問題だけれど、緊急を名目に個人の良心を利用して
民意をコントロールをしようとしている事はもっと問題と思ってます。

すでに、海水浴も不安になる日本にしてしまった父世代の罪は、
娘達に対して「申し訳ない」では済まされないレベルかもしれない。

けれど、考える自由だけは必ず守り・伝えたいと思います。


なので、今年度の育児テーマは「自分で考える力を」

結局、まずは人の話を聞くようにしないとダメですけどね
コメント
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