なんか、我ながら最近の記事が小難しくてツマラナイ。
一連の素人考察はそろそろ最終回にして、のんきな育児日記に戻りたいものです。
とはいえ、けじめなので前回の続きの話題だけは済ませますね。
放射線量の安全基準の模索についてです。
放射線が何故健康に被害を及ぼすのかというと、
放射線とは何かという議論に立ち入ります。
α線やβ線は粒子線で「小さな粒」でまだ理解できますが、
γ線にいたっては電磁波であり、粒か波かすら確定できないのですから、
(粒であり波でもあるというのが正解なのかな?)
その影響をシーベルトという単位ひとつで掴むのは大変です。
考察だけ突っ走っていくと、
「放射線で癌を発病する確率は結果を測定して初めて分る」
(測定出来るまでは死ぬ確率と生きている確率が共に存在している)
などという量子論に基づいた無責任な回答に落ち着いてしまうのかもしれませんね。
※シュレーディンガーの猫 参照
ただ、ミクロの点ではあやふやな確率なのですが、
今回の事故においてはもっと大まかに論じる事が可能だと思います。
まず、原発事故における「放射線」とは物質を通過する時に、
原子や分子をイオン化させる能力がある「電離放射線」のことです。
放射性核種が原子崩壊して安定元素に変わる際に生じた力は、
光子や電磁波として放出されますが、その中に透過力とイオン化の力を持つ放射線があるのですね。
普通、原子がイオン化するとその原子は電気的に不安定になり、
別の電子を取り込んだり他のイオン原子と結合して安定化しようとします。
小学生の理科実験でやるような、酸素原子と水素原子を結合させて水という分子を生成するような変化だと思います。
同じ事が遺伝子を構成する分子、すなわち2重螺旋を構成する4つの塩基
(アデニン(A)、 グアニン(G)、 シトシン(C)、 チミン(T))
がイオン化しても起こってしまいます。
塩基が別の変異たんぱく質へ姿を変えれば、遺伝子情報は損傷してしまいます。
これが、放射線が人体に影響を及ぼす仕組み。
遺伝子には自己修復機能がありますので、
少ない放射線ならば細胞変異の可能性は低いのですが、
取り込み線量が多い際には、修復タンパク質の活性化が阻害されます。
更に、遺伝子の2重螺旋はその情報を元に細胞分裂を行うのですから、
その情報が壊れてしまった場合の影響は細胞一つでは収まらないわけです。
放射線=癌の心配はここからきております。
では、一体どのくらいの線量まで自己修復可能なのか。
イオン化密度はLET値という値で論じられるのですが、
単位はkeV/μmなどが使われるような超ミクロの世界。
(1μm=マイクメートルを放射線(例えば電子)が進む間に物質に付与するエネルギー量(keV)の事)
さっぱり分りません。wikiによるとeVはエレクトリックボルト。1meV=10KVに相当だそうです。
ただ、LETの増加に依存して修復タンパク質の活性が阻害され、
α線の照射=120KeV/μm=12meV/μmではほとんど修復タンパク質が働かなくなるそうです。
この理屈を利用した医療行為である
(放射線照射により遺伝子情報を壊し、癌細胞を潰す)
ガン治療用炭素イオンビームでは500KeV/μmですから、
50-100が深刻な遺伝子損壊の線量ではないかと素人考えで予想します。
(確実に潰したければ10倍くらいの数字を準備しますよね?)
β線、γ線では、この数字は0.2KeV/μm=0.02MeV/μmだそうです。
また、ヨウ素、セシウムの原子崩壊により放出される数字は以下のものが拾えました。
ヨウ素:β線0.6、γ線0.6
セシウム:β線0.5、γ線0.7
以上の前提によって(前回の記事も思い返して)計算してみると、
※ヨウ素/β線限界値をもとにシーベルト限界を検証
危険量=50KeV/μm=5MeV/μmと仮定
=ヨウ素崩壊 416.6個(5MeV÷0.02MeV÷0.6)にて限界β線量放出
(一つの細胞に対して417個のヨウ素が崩壊し影響を及ぼすとその細胞にとって致死量という計算。)
さらに、1秒間で一つの原子崩壊を起こすのが1Bq。
半減期8.1日ということは、417個が1周期で崩壊するには倍の834bqが必要になりますから、
834bqのヨウ素を8日間体内に留めると修復不可能な細胞変質を起こすという試算です。
(ネットで拾った数字に文系の考察と前提がまったく信頼置けない数字であること、ご了承下さい。)
γ線もほぼ同等の影響を及ぼすとの事なので、
834bqの半分の417bqを限度数値とし、
おなじみになった換算式であるヨウ素=2.2x10^-8(ICRP)に当てはめると、
417Bqx2.2x0.0000001 = 0.00009174sv = 0.0917n\msv = 91.7μsv
という数字が導けます。
凡そ100マイクロシーベルトを一度に受けてはまずい。
放射線は基本積算ですし、
半減期や新陳代謝があるのでこの数字を基準にするのは微妙なのですが、
仮定と憶測で進めた割にはまともな数字に落ち着きましたね。
ヨウ素やセシウムが一箇所に集まって原子崩壊をするとは考えにくいのですが、
仮にそうなった場合には遺伝子修復ができない点に限界値があるのは納得がいきます。
放射線の力は距離の2乗に反比例するし、
α線にβ線はごく薄い遮蔽物で遮断できる事を考えると、
体内被曝の数字を把握する事が大事ですね。
元の元素の性質(どこに取り込まれるのか)、新陳代謝の速度(体内に留まる時間)、
それに外部被曝の量を加味すれば、凡その摂取限界量が導けます。
まだまだ分らない事は多いけれど、やっと自分なりに納得できる安全数字が見えてきました。
専門化には突っ込みどころ満載とは思いますが、とりあえずこの辺で
一連の素人考察はそろそろ最終回にして、のんきな育児日記に戻りたいものです。
とはいえ、けじめなので前回の続きの話題だけは済ませますね。
放射線量の安全基準の模索についてです。
放射線が何故健康に被害を及ぼすのかというと、
放射線とは何かという議論に立ち入ります。
α線やβ線は粒子線で「小さな粒」でまだ理解できますが、
γ線にいたっては電磁波であり、粒か波かすら確定できないのですから、
(粒であり波でもあるというのが正解なのかな?)
その影響をシーベルトという単位ひとつで掴むのは大変です。
考察だけ突っ走っていくと、
「放射線で癌を発病する確率は結果を測定して初めて分る」
(測定出来るまでは死ぬ確率と生きている確率が共に存在している)
などという量子論に基づいた無責任な回答に落ち着いてしまうのかもしれませんね。
※シュレーディンガーの猫 参照
ただ、ミクロの点ではあやふやな確率なのですが、
今回の事故においてはもっと大まかに論じる事が可能だと思います。
まず、原発事故における「放射線」とは物質を通過する時に、
原子や分子をイオン化させる能力がある「電離放射線」のことです。
放射性核種が原子崩壊して安定元素に変わる際に生じた力は、
光子や電磁波として放出されますが、その中に透過力とイオン化の力を持つ放射線があるのですね。
普通、原子がイオン化するとその原子は電気的に不安定になり、
別の電子を取り込んだり他のイオン原子と結合して安定化しようとします。
小学生の理科実験でやるような、酸素原子と水素原子を結合させて水という分子を生成するような変化だと思います。
同じ事が遺伝子を構成する分子、すなわち2重螺旋を構成する4つの塩基
(アデニン(A)、 グアニン(G)、 シトシン(C)、 チミン(T))
がイオン化しても起こってしまいます。
塩基が別の変異たんぱく質へ姿を変えれば、遺伝子情報は損傷してしまいます。
これが、放射線が人体に影響を及ぼす仕組み。
遺伝子には自己修復機能がありますので、
少ない放射線ならば細胞変異の可能性は低いのですが、
取り込み線量が多い際には、修復タンパク質の活性化が阻害されます。
更に、遺伝子の2重螺旋はその情報を元に細胞分裂を行うのですから、
その情報が壊れてしまった場合の影響は細胞一つでは収まらないわけです。
放射線=癌の心配はここからきております。
では、一体どのくらいの線量まで自己修復可能なのか。
イオン化密度はLET値という値で論じられるのですが、
単位はkeV/μmなどが使われるような超ミクロの世界。
(1μm=マイクメートルを放射線(例えば電子)が進む間に物質に付与するエネルギー量(keV)の事)
さっぱり分りません。wikiによるとeVはエレクトリックボルト。1meV=10KVに相当だそうです。
ただ、LETの増加に依存して修復タンパク質の活性が阻害され、
α線の照射=120KeV/μm=12meV/μmではほとんど修復タンパク質が働かなくなるそうです。
この理屈を利用した医療行為である
(放射線照射により遺伝子情報を壊し、癌細胞を潰す)
ガン治療用炭素イオンビームでは500KeV/μmですから、
50-100が深刻な遺伝子損壊の線量ではないかと素人考えで予想します。
(確実に潰したければ10倍くらいの数字を準備しますよね?)
β線、γ線では、この数字は0.2KeV/μm=0.02MeV/μmだそうです。
また、ヨウ素、セシウムの原子崩壊により放出される数字は以下のものが拾えました。
ヨウ素:β線0.6、γ線0.6
セシウム:β線0.5、γ線0.7
以上の前提によって(前回の記事も思い返して)計算してみると、
※ヨウ素/β線限界値をもとにシーベルト限界を検証
危険量=50KeV/μm=5MeV/μmと仮定
=ヨウ素崩壊 416.6個(5MeV÷0.02MeV÷0.6)にて限界β線量放出
(一つの細胞に対して417個のヨウ素が崩壊し影響を及ぼすとその細胞にとって致死量という計算。)
さらに、1秒間で一つの原子崩壊を起こすのが1Bq。
半減期8.1日ということは、417個が1周期で崩壊するには倍の834bqが必要になりますから、
834bqのヨウ素を8日間体内に留めると修復不可能な細胞変質を起こすという試算です。
(ネットで拾った数字に文系の考察と前提がまったく信頼置けない数字であること、ご了承下さい。)
γ線もほぼ同等の影響を及ぼすとの事なので、
834bqの半分の417bqを限度数値とし、
おなじみになった換算式であるヨウ素=2.2x10^-8(ICRP)に当てはめると、
417Bqx2.2x0.0000001 = 0.00009174sv = 0.0917n\msv = 91.7μsv
という数字が導けます。
凡そ100マイクロシーベルトを一度に受けてはまずい。
放射線は基本積算ですし、
半減期や新陳代謝があるのでこの数字を基準にするのは微妙なのですが、
仮定と憶測で進めた割にはまともな数字に落ち着きましたね。
ヨウ素やセシウムが一箇所に集まって原子崩壊をするとは考えにくいのですが、
仮にそうなった場合には遺伝子修復ができない点に限界値があるのは納得がいきます。
放射線の力は距離の2乗に反比例するし、
α線にβ線はごく薄い遮蔽物で遮断できる事を考えると、
体内被曝の数字を把握する事が大事ですね。
元の元素の性質(どこに取り込まれるのか)、新陳代謝の速度(体内に留まる時間)、
それに外部被曝の量を加味すれば、凡その摂取限界量が導けます。
まだまだ分らない事は多いけれど、やっと自分なりに納得できる安全数字が見えてきました。
専門化には突っ込みどころ満載とは思いますが、とりあえずこの辺で