智徳の轍 wisdom and mercy

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2005-02-02 | ☆【経典や聖者の言葉】
 ゲシェー・チェンガワの泣かせる話がある。彼は修行に打ち込むあまり、滅多に休むこともしなかった。眠りもしない彼を見て、先輩のゲシェー・トンパが、少しは休んだ方がいい、でないと飽きが来るよ、と忠告した。これに対して、チェンガワ、「それはわかっているのですが、有暇を得ることの難しさを思うと、もうちっとも休んでいることができないのです」と答えたそうだ。
 静かに瞑想して、あなた自身の状況をつぶさに観察しなさい。あなたが八つの有暇と十の幸運にたしかに恵まれていることがわかったら、心の底からそれを喜ぶことだ。こんな宝物に恵まれていることを知ったら、自分は不幸だ、貧しいなんて考えは二度と浮かんでこなくなるはずである。それに、有暇と幸運を得ることの難しさを知ったら、今与えられたこの生を一瞬たりと無駄にできないような気持ちになるはずだ。今を逃したら、この先もうこんなチャンスは滅多にめぐってこない。さあ、今こそ瞑想修行に入るときだ。