紺日わん倶楽部

日々の暮らしに彩りを

2014年 「甲午」(きのえうま)の初釜

2014-01-12 | 茶の湯
今年の仕事初めからたった1週間ですがなんだかんだと忙しい日常であわただしい中、
初釜に3ヶ所ほどお招きにあずかり合間をぬって行ってきました。
今年は行台子の飾り付けが2ヶ所あったのですがもてなし方が対極。剛と柔とでもたとえればいいか?

本日うかがった初釜の「お茶事」は行台子で「行の行」の点前。唐物茶入れに茶碗も天目台に天目茶碗で厳かな雰囲気で小人数。
昨日は行台子の設えですが普通のお濃茶点前で濃茶のみ。薄茶は泡茶と称してビールで乾杯の後立食の洋風パーティー。50~70位の人数。
同じようなお道具組でも全く方向性が違う?
「とらわれのない心」や「無」の境地とか掛軸の禅語として掲げながらも通念的な狭い茶道に固執していると
「こんなのお茶じゃないよね」とか「お点前や道具の扱い知らない人どうするの?」とか・・・・ 頭で考えない!
どちらもその場にあって自然体で動じない心で素直に臨めば良いんじゃなかろうかと。経験をつむことの大事さを心で感じて。

また別のところですが今年初めて琵琶床(床の間の脇にあるちょっと高い床の間のことで昔はそこに琵琶を飾っていた)
ヒカゲノカズラをたっぷりと使った掛け蓬莱が飾ってあるのを拝見しました。
触ってみたらプヨプヨしてなんともいえない感触。
シダというより、むしろ巨大なコケのような姿の植物でその昔は大嘗祭や新嘗祭にも使われ一説によれば天岩戸の前でアメノウズメが踊った際に、この植物を素肌にまとったとも云われる。
床に飾っていてもしばらく枯れずに青々としてみずみずしいところから若返りの象徴とする説も有り新年の飾り物や,目出度い席に飾る風習があちこちで残っているとの事です。
神事とヒカゲノカズラより

新年早々それぞれに新しい経験をすることで茶に臨む姿勢を改めて糺してもらったように感じました。


席中の写真はNGですのでお菓子や自宅のお道具で初釜気分を。

初釜恒例の 花びらもちと干支の馬のお干菓子 など


こちらは初釜のお土産で頂いた気軽な2段の重箱 (ひょうたんから駒の蒔絵が施されている。駒は馬のこと。)
中には上とは別のお菓子屋さんの花びらもち
求肥の中に味噌餡とごぼうが入ってとっても柔らかくて美味しい。


お正月恒例の嶋台 (金箔がかなりはがれています。お腹に金粉も一緒に飲みこんで。)
もうそろそろ湿度の高い時期に箔を塗り替えにださないといけないかなぁ~と思案中。
乾燥しているときに塗ってもはがれ易くなるので季節は大事。何事も前の準備は怠りなく。


自宅の嶋台の高台は、金が五角(鶴)、銀が六角(亀)
お好みでいろいろあるのでしょうか?
今年伺った初釜で拝見した大樋長左衛門さんの嶋台の高台は上下とも渦巻きのような丸でした。

色々検索してみたら表千家七代の如心斎(1705-51)により「嶋台」は生まれたとありました。
いわれは祝言物として有名な「高砂」(世阿弥作の能の曲名)からという説や歌舞伎の演目 鶴寿亀曽我嶋台などいろいろありますね。
「高砂」物語は、九州阿蘇の宮の神主友成が、高砂の浦で松の下を清めている老夫婦に出会い、
”高砂”、”住吉”という二本の 名木とされる松が「相生の松」と称されるいわれを聞くというものです。
そして長寿の夫婦の象徴として嶋台にのせたものが、高砂人形のようです。 


唐松蒔絵の棗と松に鶴のおめでたい茶碗

今年も始まったばかりですが縁起の良いものにあやかり1年無事に健やかに過ごせますように。

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