紺日わん倶楽部

日々の暮らしに彩りを

重陽の節句の懐石~お茶事版~

2013-09-07 | お店、料理
重陽(ちょうよう)とは陰陽思想では奇数は陽の数であり、陽数の一番大きい数字の9が重なる日であることから「重陽」と呼ばれる。
五節句の一つで、9月9日のこと。旧暦では菊が咲く季節であることから菊の節句とも。

平安時代の貴族の習慣で、重陽の日に菊の花に植物染料で染めた黄色の真綿を被せ、明くる早朝に朝露を含んだ綿を菊より外し、その綿で体を拭えば菊の薬効により無病であるという言い伝え。
菊の着綿(きせわた)の行事は今でも宮中の行事として行われていると、以前明治神宮の宮司さんから伺ったことがある。
また、邪気を払い長寿を願って、菊の花を飾ったり菊の花びらを浮かべた酒を酌み交わして祝ったりする習慣や能の「枕慈童」に中国の故事として菊の露を飲んで不老不死になった少年の話としても伝わっている。

茶の湯でも9月10月は菊をモチーフにしたお道具組や懐石が主流。
今回のお料理はそれにちなんだお献立になっています。
うつりゆく季節。早秋は夏を惜しみ秋の走りを重ねつつ、あまり重くならずにさらりと~。


飯、向付 平目の昆布〆菊まぶし、浅草海苔、味噌汁(焼き豆腐、しめじ)


向付 平目の昆布〆菊まぶし、 器も乾山風 菊花


お酒、菊花弁を浮かべて 風情ありますねぇ~


本日のお酒は秋あがり 酔鯨


椀物;着綿椀 鶏ひき肉だんごの上にお餅を上に被せて蒸し上げ。 彩りもきれい。


焼き物;かますの松茸挟み焼き 茗荷甘酢漬け添え
かますは魚を3枚卸にして焼いて間に調理した松茸を挟み軸三つ葉で結ぶ。
下処理したかますはふっくらとしてとってもおいしい。


強肴;賀茂茄子 小巻湯葉 万願寺の揚げ物
武蔵野の器 この位の中鉢は盛り付けがとってもしやすく重宝するとの事でした。
お料理も映えますね。


強肴;蟹、菊花とれん草、えのきの浸し
お酢の物にしてもおいしい。 彩と口直しにぴったりの1品。


箸洗; 針しょうがと梅干


八寸;海老の酒蒸し 絹担ぎ
海老は丸く長寿をお祝いする姿で。 


香物;柴漬、べったら、赤小大根 


菓子;栗茶巾
栗を蒸してスプーンで中身を取り出すやり方。
とっても簡単で品のいい程よい甘さが栗本来の味を引き立てています。
お濃茶にもとっても合います。

これから秋本番を迎えご自宅やお茶会での観月のおもてなしにいかがですか?

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする