先日、新城市長が産廃現場に赴かない理由がイマイチわかりにくい
と批判的な投稿をしたが、市長のコメントの中にはこんな言葉がある
私どもは市の条例をつくらせていただきました。その市の条例の適用には残念ながらならなかったわけでありますが、当該企業の社長さんには、この市の条例の精神を順守してほしいということを申し入れ、当該企業の社長さんもそれを承諾をされまして、以後の交渉が続いてまいりました。
市の条例とは「新城市産業廃棄物等関連施設の設置に係る紛争の予防及び調整に関する条例」
という長い名前のもので、平成25年12月27日の日付の記述がある
しかし、実際に施行されるのは平成26年4月1日からで、その前に申請されたものについては
適用外で、今回の件はこれに該当し、残念ながらの市長の上記のコメントに繋がる
この市の作成した条例が間に合ったとしても、違反した場合に市に出来ることが
事業者の氏名又は名称、違反の事実その他規制で定める事項を公表することが出来る
程度のことで、果たしてそれが実際上力を持つものか、素人は多少疑わしく感じてしまうが
それでも、この条例があると無いとでは事業者にかかるプレッシャーは随分違う
言い換えると、この条例が存在しなかった現実は随分無防備な状態だったと言える
何も縛りの無いところに急に来ればなんでもできてしまうが
市はそれまでのんびりしていたのかといえば、新城市の南部企業団地は製造業と物流業に
限定されていたから、そうした条例をつくる必要性がなかったのかもしれない
ところが、実際に進出した企業は製造業でも物流業でもない企業
何故、そんな企業が進出できたかと言えば、決められた業種以外の企業が進出した場合には
「買い戻し」ができるというきまり「買い戻し特約」が知らないうちに権利放棄されていた
ここの部分はとても不自然で、何があったのか疑惑を捨てきれないが
とにかく、現実は進出することになった
産廃業者は県に操業許可の申請書を提出するわけだが
県の審査は必ずしも施設の完璧性を担保するものではなく
ある書式や項目にズレていなければ、それで許可を下ろすことになる
しかし、それだけでは地域住民との紛争が起きる可能性があるので
一応、地域の人に対する説明会や環境保全協定を結ぶことによって
無駄な紛争を予防しようとしているようで、審査の必要条件ではないが
努力目標(?)として挙げている
結局は条例の規制も効かない無防備なところに進出が決まってしまったから
やりたい放題に出来るかと言えば、人間の常識に頼るべく市長の次のコメントに続く
「当該企業の社長さんには、この市の条例の精神を順守してほしいということを申し入れ、当該企業の社長さんもそれを承諾をされまして、以後の交渉が続いてまいりました。」
条例は間に合わなかったけれど、守って欲しい、、と
そして、産廃業者の社長さんも承諾された、、と述べている
そこで、市のこの条例をツラツラと読んでみた
素人なので多少の間違いがあるかもしれないが、この条例は
市長の役割がかなり大きな事になっている
それこそ市長が主導でなにかゴタゴタが起きないようにし
事が起きたら「紛争のあっせん」も市長が取り組むように読める
市長は「製造業や物流業でない進出は同意できないし、政治的に認められない」
と言葉を発している
ところが、その一方で「この市の条例の精神を順守してほしいということを申し入れ、
当該企業の社長さんもそれを承諾をされまして、以後の交渉が続いてまいりました」
と現実の操業を前提に話をしている
認めていないのに現実には操業を認識している
そして操業に当たってはトラブルの無いように市政のトップとして
当たることも条例に書かれているのだから
現状認識のために地域の人が市長に現場に赴いて欲しいと望むのは
何も特別なことではなくて心情的にも理屈の上でも当然のことだ
しかし、よくわからない理由で行かないでいる
政治的に認められないと言っているものの
条例の精神を順守してほしい旨を相手側の企業に要求して、承諾を得ている
条例の精神は相手側にだけ要求するものだけではなくて
行政(市長)のすべきことまで多く取り上げられている
積極的に解決に取り組むように、、、と
この条例の中で出てくる言葉に「環境保全協定」という言葉がある
問題を起こさないために産廃企業が県に申請を出す前に
地域住民との間に一種の約束事を結んでおくことが望ましいというものだ
この環境保全協定には現実論として地域住民の人たちが不安に思うような
可能性があるが、条例を読んでて少し首を傾げることがあった
「事業者は、環境保全協定を締結しようとするときは、その内容を事前に市長に
届けなければならない」
その内容は事業者が決めるのか?
以前議会傍聴した時の記憶が蘇った
たしか議場でも同じようなニュアンスの「環境協定の内容は企業から出てくる」
みたいな発言があったような
もしそうなら、企業側から少し甘めの条件が出てくることも
考えうるので、地域住民は当然納得できない態度を示すのは無理はない
すると、この環境保全協定は結べなくなる
するとどうなるか、今度は「環境保全誓約書」なるものを出すことになる
この環境保全誓約書は、今度は事業者が好き勝手には項目を書けなくて
一定のルール(項目がある)
それは、条例施行規則によると
1) 始業及び終業の時間並びに産業廃棄物の搬出入の時間帯
(2) 周辺地域の生活環境に及ぼす影響及びその対応策
(3) 関係住民の産業廃棄物等関連施設内の立入条件
(4) 情報開示の条件
(5) その他市長が必要と認める事項
実は、この環境保全誓約書と言うものが
タナカ興業から新城市長あてに平成26年3月12日付で出ている
その内容はどうも上記の内容とは少し違うようになっている
それは市の条例の施行対象になっていないせいなのか
何れにせよ、認めてはいません、、というものの
現実は操業し、被害も出ており、なおかつ企業は市に対して誓約書も提出している
それで、認めてはいません の言葉で済ませられるのだろうか
ところで何ごともそうだが、いろんな法があっても所詮は
守る気があるかないか!その部分が大きい
それで、情報公開で手にした市と該当企業の社長さんのやり取りの議事録を
内容だけでなく、プロファイリングではないが、この人の性格や
考え方を読み取ろうとして読んでみた
すると、ところどころ市からの質問にきちんと答えていない部分があった
また、市の担当者が地域住民の不安を想像し、
自分の目からは誠実に作ったと思われる細かな質問には
1年以上答えていないし、また地域住民への説明会の開催も
少しばかり幼稚な理由で開かないでいた
確かに産廃は固有名詞として扱う問題ではないかもしれない
しかし地域の人の前にあるのは、固有名詞としての企業
そしてその固有名詞の企業が近隣地区でどのような事を行ってきたかを知ると
地域住民が不安に陥るのも無理はない
とにかく、市長は行政のトップとして何らかの行動を起こすべき
とされているのだから、妙な理由で現状把握をしないのはおかしいということ
条例の解釈の仕方が違う!
との声が上がるかもしれないが、少しばかりやりきれない気分が続いたので
勢いに任せて今思っていることを書いてみた
ところで、やっぱり不思議なのは
「買い戻し特約」が破棄されたこと
いったい何があったのか、、
これは本当に不思議、誰が得したのか、、、