MARUZENで購入したのが10月15日
読み終えたとは言えないまでも最後のページに達したのが
(とても理解したとはいえないが)
台風のせいで読書しかすることのない今日10月29日
「イスラエルのアイヒマン」 ハンナ・アーレントの問題作だ
最後まで来てどっと疲労感を覚える
それは集中して読んだからと言うのではなくて、そこにかかれている事実の重さ
やりきれなさ、怒り、悲しみ、絶望、そんなものが入り混じって感情を動かしたからだ
(途中で裁判が法的に正しいステップを踏むことが、本当に正しいことなのか、とさえ思ったこともある)
この本を読んでいる時何箇所かで気持ちが悪くなって吐き気を催した
人をモノのように扱い死体製造工場と化していく、それを淡々と進めていく気味悪さ
それだけではない、なにかもっと違う言いようのない不気味さ
これは最後にグサリとくることの多いフランス映画の後味の悪さみたいな
それでいてその映画を見たものは確かに一つの実体験をしたような気にさせるそんな体験に似ている
この本は「悪の陳腐さ」と「思考停止」のことばを用いて解説されることが多い
だが有名になりすぎたこれらのことばよりも、自分のずっと興味を持っている問題
「上司の命令に従わなければならないか、、、」について、いろいろ考えるヒントとなることが多かった
(個人の判断について、またキリスト教がホロコーストに関して何もしなかったことについても)
なんにしても、最後のページにたどり着いたばかり
どこか興奮気味で頭の中が整理できていない
(はたして時間をおいて整理できるか?)
とにかく、これだけは言えそうだ
読む前と読んだあとでは、人は全然違う人間になりそうだ
「全体主義の起源」(2)帝国主義も、100分de名著の要約ではなく
時間をかけて、それが故の実体験として読まなければならないような気になった
そして今なら読み終えられそうな気がしている