最近はエアコンのない2階で音楽を聴く機会は全くない
音楽はもっぱら車で聞き流すだけになっている
少し前ipodに入っているフルトヴェングラー指揮の「トリスタンとイゾルデ」
全曲を選んだ
長い曲を運転するたびに少しだけ聴く
その繰り返しで音楽を体験している感じではないが
それでもあの演奏の濃厚な感じは伝わる
フルトヴェングラーの演奏は他の人と何かが違う
彼の演奏は緩急の激しさを指摘されるが、自分はむしろ音色が違うように思えてならない
二幕の愛の二重唱とブランゲーネの警告の部分の管弦楽の音色は心にまとわりつくようだし
二幕の最後、トリスタンが剣で致命傷を負ってしまう際の音は
取り返しのつかないことが起きてしまったと思わせる痛切な響きがする
三幕の前奏曲も暗くて絶望的で、すでにトリスタンは死の間際にいることを暗示する
つまりは後期ロマン派の濃厚な世界が展開されている
この濃厚な音楽を聞き終えた後、そう言えば、、
と思い出して次に選んだのがモーツァルトの「魔笛」だった
車で聞き流ししているだけなのに、この2つの音楽にはすごく大きな違いが感じられた
古典派と後期ロマン派の違いの向かっているものが違うからだが
それでも際立つのがモーツァルト音楽がスッキリしていること
シンプルで難しいことをしていなくて、それでいて必要充分のことをしていて
そして心から楽しい(一幕後半部分はとても楽しい)
それに見通しがいい
やはり「魔笛」は最高だな、、と思う
自分が選ぶモーツァルトの音楽は「魔笛」は絶対外せない
「トリスタンとイゾルデ」と「魔笛」
そのどちらに心動かされるかは、、その時の気分次第だが
暑くて集中が続かない今は、モーツァルトの方が好ましいかな
ちなみに「トリスタンとイゾルデ」と「魔笛」はこんな音楽
Wilhelm Furtwängler - Prelude: Tristan und Isolde, Act 3
新国立劇場オペラ「魔笛」ダイジェスト映像 Die Zauberflöte - NNTT