パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

相談した答えが、子どもから返ってきた

2019年12月05日 16時34分25秒 | 子どもたちのこと

火曜日と木曜日の午後三時からは外国人の親を持つ子の日本語の勉強の手伝い
火曜日は1.2年生で木曜日は3年生以上

低学年もそうだが高学年も「戦い」だ
わずか一時間終わるだけで喉が痛くなりそう
「静かにしなさい!」「集中して!」「喧嘩しないで!」
この言葉の繰り返し、それも徐々に大きな声になっていく

ところが今日は割合うまくいった
「先生、ちょっと、この間の件だけどね」
以前教室の外まで呼び出されて、ものすごく叱られたGくんが話しかけてきた
この間の件とは、
「Gくん、君たちのここでの時間、ずっと見てると全然落ち着いて勉強できていない
 どうしたら良いのかな?
 君たちは小学校の勉強で疲れているのかな
 大人たちは我慢してできるけど君たち子どもにはしんどいのかな?
 君たちはここで何をしたいのかな
 いい方法とか、こうしたいということがあったら教えてくれないか」
と聞いたことに対する彼の意見だ
みんなのいない場所に移動して彼の意見を聞いてみる
「あのね、例えば一時間あるとするじゃん
 それをずっと続けてやるのは難しいから
 何分か勉強して、少し休憩をとって、それからまた少しやるって方法が良いと思う」

そうか、やっぱり長い間の集中はできないか
「よしわかった、今日はその方法でやろう」

ということで、元気が良すぎる6年生3人に向かって
「先ず、15分間、集中して宿題とか勉強しよう
 そのあと休憩を取るから、まずは15分
 よーい、スタート」
こう言ってスマホのストップウォッチを押す

言い出しっぺのGくんはノートを取り出してすぐに集中して行う
日本語の理解力も算数もそれなりのNくんはなかなか集中できない
つい誰かに話しかけたくなる
その横のAちゃんは「今日は約束があるのですぐ帰る!」
と言ってノートに向かう
居心地が悪いのはNくん、なんとか自分の会話に引き込もうとするが
Gくんは真面目に机に向かって、いつもと雰囲気が違うので
ちょっかいをかけきれないでいる
諦めてノートに向かうがすぐに飽きて他のことをしたがる
でも気になりそうなことをGくんに話しかけるとGくんもつい答えてしまう
「集中して、今、5分経過、、あと10分」
「えっ、まだそれだけ?」とGくん
集中していると時間の密度は高くて時間経過をしていると感じるのだろう

15分が終わるとGくんは漢字書き取り1ページ完了
落ち着きの無かったNくんは三分の一くらいしかできていない
「よーし休憩、5分」
するとNくんは休憩しないで作業を続ける(彼らしい)

「休憩の時間だから答えのない問題をやるよ」とGくんに聞いてみた
「バスケットのマイケル・ジョーダンの一月にもらうお金と大統領のもらうお金は
 マイケル・ジョーダンの方がものすごく多い
 これって、変じゃない
 大統領のほうが責任が大きいのに少ないお金なんていいのかな?」

作業を続けていたNくんが口をはさむ
「マイケル・ジョーダンのほうが少ないほうが良い
 責任は大統領の方が大きいから」

「でも先生(こう呼ばれている)何で、答えのない問題なんて聞くの?」
Gくんが問題の答えではなく、この問をしたことに疑問をもったようだ
「それはね、、、、」

Gくんは理解したかどうかわからない
でも、彼は自分が一人の人間として相談を持ちかけてこられたり
提案したことが実行されたことで少しばかり気分が良さそうで
言われたことが素直に体に入っていくような印象をもった

人は人として認めてあげる(大人だろうが子どもだろうが)
そうしてあげることで随分対応が変わってくる
気難しいと思われる子でも、あるキッカケで一気に心が通い合うようになる
今日のGくんは上手くいって、自分にも充実感が得られた

でも、毎日の戦いは続く、、女の子のJさんは、、、、難しい、、

 

 

コメント
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