パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

労働時間と休日(日本とドイツを比較してあれこれ連想したこと)

2017年12月05日 09時03分26秒 | あれこれ考えること

先日(12月3日)の中日新聞の社説がとても興味深い
(記事上の部分)


(下の部分)




ドイツ人の働き方、休日について紹介されている
ドイツにいくと驚くのは日曜日に店が開いていないこと(最近は以前よりそうではないらしいが)
そしてもうひとつはウアラウプと言われる休暇が、日本人の感覚からするととても長い3〜4週間もとれること 
(聞くところによると正社員には連続して数週間の休みをとる権利が与えられているとか)
だからドイツ人は夏のウアラウプが楽しみで、その為に仕事をしているみたいなところがあるらしく
真夏のローマやスペインのマジョルカ島はドイツ人が大量に押し寄せて、ドイツ語が飛び交うそうだ

これを日本と比較するとなかなか興味深い
こんなに休んでいて、どうして個人GDPが高いところをキープ出来ているのか
(これは日本の働き方が著しく効率が悪いということなのか、、それとも別の理由か) 
また、そんなに長いこと仕事を休んでしまったら他の人に迷惑がかからないか、、とか
休んでいるうちに自分の席がなくなってしまうのではないか、、という思いに襲われないのだろうか
というのが小心者の日本人の発想
でも、世間全体がそうなっているドイツでは、休みで誰かに迷惑がかかるという心配より
「休みだから仕方ないね」と受け入れて、できる人がカバーするような事になっていて
休む人も誰か別の人がやってくれると信じて自分の楽しい権利を行使できるようだ

働くということの考え方が、そもそも日本とは大きく違う
労働は苦役の一種とまでは行かないとしても、多少そのような考え方が存在するヨーロッパに対し
日本は収入の糧以外にも「生き方」まで影響する考え方が幅を効かす
死ぬまで働けることは良いことだと、、
ところが、ここで「働く」ということの内容が必然的に問題となってくる
被雇用者として雇用主の望むまま、自分にとって非生産的な、時間を切り売りするような仕事(働き方)は
本当に良いことだろうか
ずっと働くことによって、労働中に交わされる他人との会話・交流は確かにボケない大きな助けになりそうなのはわかる
しかし、それがためにずっと働くのは良いことだ、、とは言いにくい

ずっと働くことに意味の有りそうなことは、確かに存在する
例えば作家とか作曲家とか画家とか、、その他いわゆるクリエイティブの分野の人たちだ
この人たちは、いつも前進しているかのように自分のすべきことを追求し、それは終わることがない
だがそんな才能を持ち合わせていない普通の人は、果たしてそんな仕事を自ら探し、実行できるか
といえば、正直なところかなり難しいのではないか
普通の人はぼんやり考え、世間の流れになんとなく乗って、時々なにかおかしいと思うようなことに
少しだけ関与して、大事なのは自分の家族・恋人でその安定した笑いの絶えない世界を望む 
それを維持するために経済的な基盤として仕事を持つ

もちろん雇用主、経営者とか起業家はまったく違う考えを持つ
彼らにとっては作家・作曲家の作品を作り上げる情熱と同じものがその仕事のなかに存在する
そしてそれらは多分、社会的にも大きな意味を持つ

ある人にとってとても重大な意味があり、それに関わりながらも自らは経済基盤の確保以外に
あまり意味を持たない労働契約にすぎないような仕事は存在する
それは立場によってやり甲斐も含めた生き方まで影響を与えるが
当たり前の現実として、上位の立場の人間は、上位の立場の考え方を下の者まで浸透するように望む
それはあるところでは社員教育とか社風となっているかもしれない
それらが下のものまでやり甲斐や充実感を感じさせるものであればいいが、必ずしも全部が全部そうなるとは考えにくい

結局のところ、圧倒的に多いと思われる普通のひとは何を望むか、、といえば
難しいことではなく、普通の穏やかな感情的に負荷のない(時にはあったとしても)
時に些細な喜びと感じられるような生活、自分がそんなに社会的に働きかけなくても安心できる生活なのではないか

仕事に関する考え方、、
一律にどんな仕事も「仕事」というくくりで扱ってしまうのは、きっとうまくいかない
(だからハンナ・アーレントは「人間の条件」で労働・仕事・活動と細かく分けて分析してるのかな
 読んでないからわからないが、、)

相変わらず、あちこちに話が飛んでまとまらないお話、、、
(それにしても、日本もドイツくらいのんびりできると良いのだけれど、、)
 

コメント
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