パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

村上春樹と三島由紀夫

2013年02月09日 19時34分23秒 | 

どちらも上手いとか、独自の世界を構築しているものの
自分の好みではない二人の作家
村上春樹と三島由紀夫

先日、まるでモーツァルトのスコアみたいに
ほとんど書き直しがない三島由紀夫の文章に触れてみようと思い
本棚を眺めたら新潮文庫の「仮面の告白」が目に入った

一度読んだはずだが全然覚えていない、日焼けして色が変わった
最初のページに人生の最初の記憶の話が出ていた

あれ、確か1Q84も最初の(幼児の時の〉記憶の話があったぞ

最初に頭に浮かんだのがこのこと

そこで、比較しながら味わってみると
この人生の極初期の記憶を扱っていても
当たり前だが随分印象が違う

村上春樹はその後このシーンがライトモチーフのように
時々扱われそれなりの効果を発揮しているが
三島由紀夫は凝縮したイメージがそれだけで確立し
完璧な文章のように思える

(でも、両方好きじゃない)

さて実力はどっちが上か?
と外野から無責任に眺めてみると
村上春樹は、日本人と出版社の欲しいあの賞を手にするには
ちょっと足りないところを感じてしまう
それは全身全霊をかけた戦いのような
精神の極限体験が(苦悩が)不足しているような
(技術的には出来上がっているとしても〉

三島由紀夫はちょっとわからない
ただ頭が良すぎて、人工的すぎてついて行けないところも
感じてしまう
何故だか、トーマス・マンを連想してしまう時期があった

三島由紀夫でなくて川端康成がノーベル賞を受けたのは
自分としては納得

同様に、オルハン・パムクが受賞して村上春樹が
もらえていないのも納得してしまう

ま、何にせよどうでもいいことなのだけれど

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする