カナダの友人から便りが届いた
Neige
淡雪かな
自宅の窓から撮影したらしい
まるでおとぎ話の風景のようだ
ふと手元の文庫に目をやる
木がらしの風にも散らで人知れず憂き言の葉のつもる頃かな
さあ
嫌なことは忘れよう
この世はなるようになる
彼からの便りはよいニュースだった
この夏
北極圏へ行けることが決まった
私も参加する
温暖化で湖や海の氷が溶け出している
大きな変化が起こっている北極圏
シロクマと遭遇するのだろうか
救急法の講習を受けることが条件だそうだ
ささやかな冒険
しかし
大きな一歩でもある
初めての北極の情景に
降り積もる雪景色が重なる
小野小町の歌(新古今和歌集)
木がらしの風に吹かれて散り去っていくこともなく
心の中でつぶやいてきた愚痴が
落ち葉が積もるようにたまっていく年になった
愚痴を言うのはやめよう
心はいつも青年