ガラパゴス通信リターンズ

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かつかつ経済

2008-08-20 17:39:39 | Weblog
鳥取にしばらく帰っていましたが、相変わらず地域経済は大変なようです。何しろ鳥取の企業の大半は赤字で、かつかつ黒字を出しているわが実家のもなかやは「超優良企業」だと銀行が言っているそうです。地域経済が苦しければ、当然銀行も苦しくなってくる。サブプライムの影響も思いのほかあるのかもしれません。もう鳥取経済は沈没船で、かろうじて浸水をまぬかれている状態のようにさえみえます。

 それにしてもわが実家は健闘しております。うちのような小さな会社は大企業のように「リストラ」をやる必要がありません。将来がないと思えば働く人は辞めていきます。そうすると企業の側は欠員の補充をしないで、少ない人数でやっていけばいよい。「たけのこ生活」を企業経営で実践している形です。わが実家は、バブルの最盛期からは売り上げが半分以下になっています。大企業であればとっくの昔に倒産しているはずです。中小企業は倒産しやすいという。しかし、その逆の面もある。いよいよとなれば、家族だけでやっていけばよいと、兄の奥さんはいっていました。

 土建業の大量倒産で仕事を失った人たちも、帰農してこれまたかつかつやっている。こうして耐えているうちに、何か新しい地域経済の芽が出てくるのかもしれません。ただこうした「かつかつ経済」のなかでは、若者たちが割りをくいます。新たに若い人たちを受け容れる職場がなくなるからです。鳥取市には二つの四年制大学がありますが、そこの学生たちが卒業後に鳥取で働ける可能性は少ないでしょう。

 人口比で軽自動車が、鳥取には東京の10倍走っているのですが、鳥取の中古の軽自動車の価格は暴落しているようです。建設業に従事している若者が地元を見切って京阪神や東京に出て行っていて、その時に手放した軽の中古が市場に出回っていることが原因だと聞きました。帰省するごとに若者たちの姿をみなくなっているように思うのは、気のせいでしょうか。