バイクボランティア Bi-Vo

大規模災害時にバイクとIT機器を用いて活動する団体です。

新潟県中越地震 2-小千谷市BC立ち上げ奮戦記

2004-11-26 22:44:00 | 活動報告
2.出発
 
 早起きしようと思っていたが疲れもあり通常の時間に起床する。車ということもありラフにパッキングできる。寝袋に食料/水、カセットコンロ、無線機、ライダージャケットをどんどんプラコンテナに投げ込む。

 私が一人で外出するときには必ず「父上といっしょに行く」が口癖の息子も神妙な顔で見守っている。幼児でも何か感じるものがあるのかなあと思いながら9時前に出発した。

新潟県中越地震 1-小千谷市BC立ち上げ奮戦記

2004-11-26 22:41:00 | 活動報告
1.出動まで

 新潟が地震で痛めつけられていたその時、私は400キロ離れた愛知県で優雅(?)に昼寝後のマッサージを堪能していた。
そのときマッサージ器とは違うゆっくりとしたゆれを感じた。台所で夕食の支度をしている妻に、「おい揺れなかったか」と聞いたが「そんなことないよ」とのこと。マッサージ器が変な揺れをしたのか釈然としないながらも納得した。

 そのあとすぐ、息子と近所に買い物に行くべく車に乗り込こみエンジンをかけた瞬間にさっきの揺れを理解した。我が家で唯一のTV、つまりカーナビ付属のTVが大地震の発生を報じているのだ。とっさに携帯を見たが、Bi-Voのメーリングリストはまだ情報が流れていない。
誰も気づいていないのか?

買い物先の駐車場に付くと直ちに第一報メールを発信した。(実際はUさんが私の数分前に発信していたようだが私のところ配信されたのは発信から30分近く経ってからだった)

 家に帰ってからも寝るまでラジオを聞いたが、核心をついた情報がちっとも入ってこない。阪神淡路大震災のときと同じ状況だ!と直感した。これは出動することになるかもしれない!木曜日からの出動を目指して仕事の調整を開始した。

 MLにアップされてくるメンバーの情報、国土地理院/国道事務所/新潟県の情報といろいろ見るが、断片的には分かるが全体像がよくわからない。出発直前の夜に長岡市在住のメンバーに直接電話をしてみるとこれから本格的にバイク隊立ち上げるのでその手伝いをして欲しい。以下の状況も伝えられた

・余震が頻繁でバイクで走っていて余震に遭遇し怪我をした人がいる。
・寝るところは自前で確保しなければいけない。
・寒さがすごい。
・長岡は輸送力のある車のほうが役に立つ

との情報から、「バイクボランティアが車で出動かよ!なんか締まらんけどかっこに構ってもしょうないなあ」と今回は車で移動することにした。(カーナビが付いていたので地理不案内の道でもなんとかなるとの読みも合った。これで後日命拾いした。ちと大げさ)



13-新潟県中越地震バイク災害ボランティアレポート

2004-11-26 17:29:00 | 活動報告
13、バイク走行での注意点

『ニーズ調査、運搬時』
1、余震に備えプロテクターを有れば付ける。
2、スピードはむやみに出さない40~50Kで走る。(緊急時でも60Kぐらいに押さえる)危険地域としっかり認識する。
3、信号が死んでいるので交差点は左右しっかり車の動きを確認する。
4、地割れ、大きな陥没、マンホールの出っ張りに注意する。
5、山間部はがけ崩れ(山と谷)、大きな地割れ、土砂流出、大きな段差に要注意!ほとんど荒れた林道状態。滑ります。
6、地震の被害に思わず見入ってしまうので、わき見しないように要注意。

『トラック誘導時』
7、バイク二台でトラック1台の前に付いてゆっくりトラックのペースに合わせて誘導する。
8、トラックは凸凹に弱いので荒れた道路は10~30Kで誘導する。
9、場合によっては他の自動車(左右の車や対向車)、パイロン等をどけながら誘導しなければ通れない。
10、荒れた箇所の交互通行の信号では青で通り切れないので対向車の停止をしなければ立ち往生する事も考えられる。
11、行き先の確認とバイク2台の後ろに付いて走る事ををトラックの運転手と必ず話すこと。(運転手さんは只の配送で荷物を届けにきているだけで、災害のプロではない)
12、届け先も、現地の責任者に聞いて荷物を降ろす所まで誘導する事。
13、帰りも誘導して帰る事。
14、荷台に人が乗っている事があるので確認してください。(人が乗っているときは更にゆっくりと誘導)

以上が感じたところです。


12-新潟県中越地震バイク災害ボランティアレポート

2004-11-26 17:28:00 | 活動報告
12、ボランティアの役目

 今回初めて、災害ボラに参加して、今まで聞いた話が少し見えてきた。まず、災害ボランティアセンターが被災後、72時間で立ち上がると言う事が良く分かった。

①直後の被災者の救出は、消防・警察・自衛隊などの救助のプロが行いう。(素人が行っても足手まといに成る。二次災害を起こす。とプラスには成らない)

②救出された被災者は各地の避難所に集まり、安全と食事が確保される。(生きるための最小限の事、食べる、寝る、が有るだけだが…)

③次々と救助され、増え続ける被災者に食事、テント、その他援助をする人間が段々と大量に必要となる。(これを担うのが、我々ボランティアである。決して最前線に被災者救助に行く訳ではない。救助犬等は別だよ)

④とにかく大量の被災者が出る為、役所ではほとんど手が廻らないその手助けをするのが外部からのボランティアだと思う。

 できるだけ多くのことを伝えようと思い、思いついたままをそのまま書いただけなので、各自で状況を想像し対応など考えてください。


11-新潟県中越地震バイク災害ボランティアレポート

2004-11-26 17:25:00 | 活動報告
11、あとがき

 携帯電話、Bi-Voメーリング、非常に現地で役に立つツールだと思った。ただ、震災直後は携帯電話も一般電話もPCもまったく使えない状況になるのは間違いない。やはり、ハンディータイプの無線機が必要と思う。

 愛知県では東海沖地震、東南海沖地震が心配されている、直下型では無いが、大きな揺れによる被害が予想されている。今回、新潟を見て感じたのは液状化による。道路の大破と家屋倒壊で、愛知県は地盤の弱い液状化危険地域が多いので要注意だ。特に大きな川の近くで液状化が起きる。すなわち橋が渡れなくなる確率が高い。主要道路も各地で陥没しまったく通れなくなると思う。その上、車と人の数は新潟の何十倍もある。救出・普及作業も思うに進まないと思う。

 避難所も各地に出来るが、本部が各地の何千箇所何万箇所もある避難所の状況を把握するのは、電話も電気も無い中無理だ。各地の役所の人数では、何の対応も取られず時間ばかりが過ぎる。その間に、犠牲者の数も増え続ける…・。

 それを、少しでも防ぐために、バイク隊の出番が必ずやってくる。単純にひとつのバイクボランティアBCで10万人ぐらいの人口圏をカバーするとして、愛知県では70箇所ぐらい必要になると思う。1BCに事務局10人、ライダー30~60人、必要で、全部で4200人のバイクボランティアが必要とされそう?。ざっと、今のBi-Voメンバーの100倍、一人一人が100人に声を掛け、バイク隊の重要性を友達、知り合い、行きすがりの人…に話しておく事で、少しは、イザと言うときに来る人が増やせると思う。広報は大事だと思う。

 できれば、ボランティアに紛れる不審者を識別し、より大きな力を発揮できる。Bi-Voに入ってもらうほうが動きやすいと思う。

 今回、感じたのは、Bi-Voが愛知県の認定組織であると言う事で非常に動きやすかったこと。高速、バイクBCどちらでもきっちりしたボランティア団体の人間と言う事で、すんなり話が通った。だいたい災害ボラ暦1日で偉そうにオリエンテェーションやれるのだから、凄いよね!(自分)
 これは、Iさんの日頃の行動の賜物と思う。あとは、各メンバーがIさんの様に各自治体との連携を強く築く必要がある。岡崎市は新潟にいったのかな…?。