日伊文化交流協会

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プロモペル+東京あれこれ・・・

2012年04月02日 16時57分25秒 | イタリア全般
年に2回ある、ハンドバックの展示会『プロモペル』のために東京出張でした。
ってことで朝、6時40分の新幹線に乗って米原あたりを通過しているときには、こーーーんな雪景色だったのですが、

  


そのごどんどん天気が良くなり、見事な富士山!!!


  


私は東京行の新幹線は必ず2列席の窓側を取りますが、富士山を見れたときってなんかラッキーって感じがします。


さてさて、で、何をしに東京へ行ったかというと、
ハンドバッグの展示会通訳の仕事。
名前を『プロモペル』という展示会で、東京はヒルトン。大阪もヒルトンのワンフロアを貸切ってその部屋ごとに什器を設置して、イタリアのハンドバックメーカーが自社商品を持ち込んで展示会をするのです。
以前は参加業者が30社以上いて、大盛況だったのですが、年々出展業者が減り、今回はとうとう1ケタに!!!

そもそも、この展示会は、ワニやヘビなど爬虫類のハンドバックの会社が大変に多く、特に大阪での売り上げが、一日で600万~800万ぐらいあったり、みんな商談中にほかの人が入ってくると大変だからと言って、扉を閉めて時間を区切って商談したり、そんな展示会だったのが、ここ5~6年の間に、回を追うごとに参加者が減ってきました。

で、そうなると、出店業者もちょっとでも費用を抑えるために、東京だけの参加でそのあとは自分たちのお客さんと直接商談するとか、まさに東京3日だけで帰国して、そのあと大阪は来ないとか、そういうイレギュラーが出てきて、そうなると、お客さんも全部見れないんだったら、大阪よりも東京まで足を延ばすって感じで、

    悪循環

関西の企業も東京まで買い付け行くようになって、大阪はなくなるんじゃないかな、ヤバイなぁーーー。
なんてって思ってたんですが、今回はすべての出店業者が東京・大阪両方に参加したものの、

   なんと9社のみ。

当然ホテルのフロアは埋まらず、かといって展示会のフロアをほかの宿泊客が泊まるわけにもいかずで、フロアを貸切るために、出店業者もそのフロアに宿泊し、そんなことで参加フィーも高くなるし、当然出店業者が少ないと、お客さんも減るしで、なかなか厳しいです。

やってる側にしたら、確かにつらいところだけれど、イタリア側にも責任があるって思います。

私が入ってるブランドがずっと今でも日本に来れる理由は、やっぱり納期がしっかりしていること。なんですね。
ほかのブランドにも手伝いに入ったことがあるけれど、約束した時期に納品がされないと、どんなに良い商品であっても、日本側は売るタイミングを逃すし、そんなときに限って、イタリア人は連絡しない。

なんだろ、怒られるが怖くて、親に言い出せず、悪い点数のテスとを机の中に隠してる小学生みたい。

最初に言えば、日本側だって、それなりの対処のしようがあるのに、結局遅れた上に、そのことで責められると、「自分は忙しかった」だの、「小さなオーダーだから作るのが大変だった」だの、「日本人は仕様変更が多すぎる」だの・・・絶対謝らない。
そんなことで関係が悪くなったイタリア人が何人いることか。

あとは、ほんのちょっとしたキズとかでも、日本人の厳密な品質管理の元で、『手作り』にこだわるイタリアの商品が、なかなかパスできないのも事実。
そのうえ、最近別にイタリア製でなくても、そこそこの美しさと機能性を保った商品がいくらでも安く作れる時代。
それに対して、いまだに、『日本人はうるさい』という言葉や文句で片付けようとするイタリア人にも問題があるんだと思っています。

とはいえ、リーマンショック後の世界的な不況にプラスして、イタリア製品の価値も下がる一方って感じで、イタリア好きの私としては仕事を失う辛さもありますが、悲しいなぁーーー。って思います。

たしかにね、日本人もうるさい人っているんですよ。
なんだろ、そこにないものを求めて、いちいち文句をつけるっていうか・・・

ハンドバックの内袋のポケットを指して、「今はもうみんなスマホ持ってるから、幅が10cm以上のポケットじゃないと売れない」
とか、「外側にポケットがないと売れない」とか。
いろいろ言うんですけれど、

「もちろん仕様変更を承りますよ。ただしワンモデル10個以上のオーダーからになります。」

とかいうと、「それは無理」ってことになる。
自分が要求するなら、こっちの要求も飲むのが商談だと思うんだけど・・・
それに、お客さんの求めるようなまったくの日本仕様にすると、結局 Made in Italy の良さがなくなっちゃう。

あと、2時間以上も、色見本にない色がほしいと言ったり、皮の種類を変えろとか、取っ手の長さを変更しろだの言った挙句、結局発注しないとか

来ている業者さんだって自分が次にお客さんに売るんだから、そんな商売されちゃ迷惑ってことわからないのかな?
って思ったりします。
そうなると、「なんで買わないか聞け」ってイタリア人には言われるし、当然お客さんに「何がお気に召しませんでしたか?」と聞いても、「全体的な雰囲気が・・・」なんていわれた折には、「それだったら、最初から商談するなーーーーー。」って言いたくなります。

だから、どっちもどっちな部分があるんですけれどね。
まぁでも、日本人はどうしても『買う側の方が偉い』っていう姿勢の人が多いから、自分が発注した商品に関して、その場で自分で写真撮ればいいのに、『あとで写真を取って送れ』だの『サイズを図って写真と一緒に遅れ』と命令したりね。そういうのって、イタリア人にしたら、自分の仕事じゃない。って思うから結構反発するんですよ。

なんだか愚痴っちゃいましたね。
ってことで、ちょっと東京らしいもの。
まずはこちらパトカー

  

パトカーなんてフツーですけど、私は大阪に住んでいるので、子供のころ大阪府は大阪府警、京都府も京都府警、兵庫県は兵庫県警、奈良は奈良県警、和歌山は和歌山県警、滋賀は滋賀県警。

ってことは、東京都は東京都警?!

なんて思ってたので、『警視庁』って書いてあるパトカーって珍しくて。


ほんでもって、こちらは岡本太郎のオブジェ。

  

いやぁーーー。岡本太郎って、本人もインパクトあったけど、こうして通りすがりにいきなり出会うとやっぱりびっくりしちゃいます。
芸術は爆発だーーーーーー


ってことで、続いて「これなーーんだ?」
  
  

自動販売機なんですけどね。ちょっとこの写真じゃわかりにくいかもしれないけど、I-padみたいな液晶画面の自販機なんです。
つまり、画面に直接タッチするの。
なんかすごくないですか?
今東京は省エネを推進してるけど、普通の自動販売機よりもこの方が消費電力が少ないのかな?
やっぱり東京はいろんなものがありますね。

最後に皆様に愛を

  






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4 コメント

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Unknown (ぷー)
2012-04-02 20:51:26
こんにちは。むくれあんぱんでーす(アニメ版で育った世代)。
通訳のお仕事でこのような分野は、どちらの良い面も悪い面も分かる分、ホントに大変だなあと思います。
日本とイタリアって似ている気質も見つけられるけど、「こりゃだめだ」てくらい正反対を向いてしまうところもありますもんね。例えば日本は「もう余地ないよ」て思うくらい完成されたものを、まだ更に追求して便利にしようとするけど、イタリアに同じことを要求すると「そんなことまで~」ってなったり。書きたい例は山々ありますがやめときます(笑)。
憲兵警察は、ロンバルディア州、ピエモンテ州とそれぞれ州下に大きく管轄がわかれ、ロンバルディアならミラノのvia Moscovaにその本部があります。んで、ここからがイタリアのいい加減さ爆裂といいますか、高位の警官が増え過ぎて置くところを作る為に「interregionale」という、州本部とは別に、北イタリア全体に指示を出す為の本部が、これまたミラノにあります。たった今、ソバをすすりながら夫が教えてくれました(パスクアでナポリに行くのでその前の節制食)。他にも教えてくれたけど、それはまたブログに書きますね~。
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お返事(その1) (がっちゃん)
2012-04-03 14:50:07
☆ぷーさまへ☆

私は、ダンナから「潰れアンパン」と言われています・・・

イタリアと仕事をしよう。って会社はそれなりの覚悟(どんな覚悟?!)を持ってたりもするし、逆もまた然りで、参加一回だけでやめちゃったところは日本式の商売についていけなかったところだし、続けて来日しているところは、日本の細かさに辟易しつつも、支払がきちんとしていることとか、別のメリットで来ているところも多いので、まぁ決定的な決裂にまでは至ってないんですけれどね。
間に入ってるとつらいことも多いザマス。

あと警察のお話ありがとうございました。
さすがに詳しい!!
イタリアの警察ものでも、管轄違いでで連絡を取り合うシーンがあるので、当然あるだろう。って思ってたんですが、パトカーには州の名前が入ってない気がしたので・・・

>「interregionale」という、州本部とは別に、
>北イタリア全体に指示を出す為の本部が、これ
>またミラノにあります。

これは知りませんでした。またぷーさんのブログで詳しく書いていただけるとのこと、楽しみです。
返信する
朝早くからの出張おつかれさまでした! (なおこ)
2012-04-08 23:08:38
きれいなきれいな富士山が見られたのは、やっぱり早起きの「三文の得」だと思います。

わたしが通訳するのは日本ではなくイタリアで、しかも会社や公共団体が1対1、多くても5つほどという形での、交渉や会議での場合が多く、対応するイタリアの私企業や公共団体側も、日本に合わせて、夏でもネクタイに黒っぽいスーツを、お客さん訪問直前に着替えたり、期限はできるだけ守ったり(それにしては、通訳と翻訳をするわたしに対しての連絡は突然で、緊急の翻訳と言われて徹夜したのに、1週間連絡がなかったり、通訳当日に仕事をキャンセルされたりということはあります)しているのに感心しました。交流が長いほど、お互いに歩み合おう、相手の文化に合わせようとする姿勢が見られるのだと思うのですが、そこに至るまでの過程が難しいのだなと、がっちゃんのお話を聞いて思いました。

事前に、日本側はこういうこと、イタリア側はこういうことを希望・慣習・制作の信条としているというあたりをまとめたマニュアル、あるいは事前通知があったら、実際に出会う場で、いい関係や新しい商談が生まれやすいのでしょうか。少しずつ少しずつ試行錯誤しながら、お互いに折り合いをつけていくのも、機会が少ないと、なかなか大変ですよね。それで、せっかくいい関係が生まれそうなのに、参加する企業が少しずつ少なくなっていくのも残念です。

去年、皮革製品を作る工場での日本人研修生のために長期に通訳をしたことがあるのですが、数少ない作る製品のために、まずは型を取って作ってみて、デザインを検討してというのは、本当に発注の見込みが確実でないと、時間も費用もかなりかかってしまうと思います。お互いが相手を思い、マナーを守って、せっかくの場なのですから、有意義なものにしていけたらいいですよね。

イタリアにも腕のいい、しっかり仕事をして納期を守る職人さんは大勢いるし、いいものはお金を出してもほしいと思う日本の方も多いわけで、そういう需要・供給関係を、こういう場がうまく安定した輸入や輸出に変えていけたらすてきだと思います。
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お返事(その3) (がっちゃん)
2012-04-13 16:24:20
☆なおこさまへ☆

おっしゃる通りですね。
たぶん参加するにあたって、組合とか商工会議所とか間に入ったところが、そういう説明は一応はしていると思うんですが、最近、ロシアや中国での展示会の方が、断然に売れるらしく、商いの細かい日本を敬遠するキライもあるようです。

聞いた話では、日本での価格の3倍をつけても売れるんだとか。
アコギな商売してます。
まぁその分リスクも高いらしく、保険みたいなものだって言ってました。
でもそんな風な商売をやってると、確かに日本人の細かさについていけない。って思う会社も多いかも。

なんていうか、中国やロシアの国土の大きさと、経済成長率の高さに日本はまったく太刀打ちできなくなってる感じです。

日本も大きな企業はイタリアで開催される展示会に直接行きますし、こういう展示会で買うところは小さい会社ばっかりで、そうなると買うロットも少なくなるんですよ。
だけど、自分たちは客だ。っていう意識が高いので、そのあたりイタリアとのギャップがあるんですよねぇ~。
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