猫と惑星系

押し記事 星間微惑星。 天体の翻訳他、韓流、花の写真を掲載。

スッパイ大作戦 惑星X

2008-03-09 19:26:57 | 太陽系外縁部
おはよう読者諸君。神戸大の発表では、惑星Xの成り立ちがかなり省略されていて、何回読んでも2階から目薬状態なので、当局が加筆した。加筆した部分を引用して恥をかいても当局は、一切関知しないのでそのつもりで。では、太陽系外縁部の観測と理解が進む事を祈る。
なお、このブログは自動的に消滅しない。

惑星系の形成理論によると、原始惑星星雲の回転軸に直交する中心面に集積した塵芥(ちり、あくた)の衝突成長により、多数の微惑星が生まれます。さらに、微惑星が衝突合体することにより原始惑星が形成されます。
このことは、現在の8個の惑星が、ほぼ黄道面に沿って、円に近い軌道をとっていることと矛盾しません。ところが、太陽系外縁天体の軌道分布をみると、大きな離心率を持ったり、軌道傾斜角が20度を超す天体がたくさん見つかっています。

40AUから50AUにかけて太陽系外縁天体の数が減少し、観測可能な50AU以遠の円軌道周辺には全く見つかっていません。なんらかの原因で、黄道面付近の天体が排除されています。

一方、50AU以遠に、大きな軌道傾斜角と大きな離心率を持った太陽系外縁天体が見つかっています。これらの中には、海王星と共鳴関係になっている天体もあります。共鳴関係とは、海王星の公転周期と整数比になる公転周期の持つことです。
たとえば、冥王星は、海王星が3回公転する間に太陽の周りを2回公転します。これを、3:2の共鳴関係にあると言います。

50AU以遠に存在し、大きな離心率と軌道傾斜角を持つ天体の中で、近日点位置が海王星軌道から大きく離れた天体があります。
海王星による重力摂動によって、太陽系外縁天体の軌道分布が大きな影響を受けることは、確かですが、近日点位置が海王星軌道に近い天体の起源は、海王星による加速スイングバイで跳ね飛ばされたためと説明できます(散乱円盤天体)。
しかし、近日点位置が海王星軌道から離れ、かつ軌道長半径が40~50AUで軌道傾斜角及び離心率が0に近くない(励起された太陽系外縁天体=古典的EKBO熱いグループ)の起源については定説がありません。
同様に、軌道長半径が大きく(>50AU)近日点距離が海王星軌道から大きく離れ、離心率及び軌道傾斜角が大きい天体についても、力学進化は不明です。

惑星Xの存在を仮定すれば、木星、土星、天王星、海王星の4ガス惑星が、誕生後1億年程度経た時期に、およそ1千万年かけて円盤物質との重力干渉や運動エネルギーの交換によって移動したという仮説にと合わせて現在の外縁天体の分布を説明できます。
当初、20AU付近にあった海王星近傍から、地球質量の0.3~0.7倍の質量を持った惑星Xが、海王星の加速スイングバイによって遠方に飛ばされ、海王星との共鳴関係に捕獲されます(散乱円盤天体)。
50AU以遠の黄道面にあった微惑星が、惑星Xにより軌道を歪められていきます。(楕円軌道=高離心率、高軌道傾斜角)
その後、海王星自身も他の惑星や円盤物質の影響で、公転軌道が外側に広がります。それにより、惑星Xの共鳴軌道も外側に移動したと考えられます。
地球質量の0.3~0.7倍とはいえ、太陽系外縁天体からみると飛びぬけて大きな惑星Xが移動していく中で、他の太陽系外縁天体の軌道を変えたと考えられます。逆に、惑星Xも運動エネルギーを貰って元々20AU付近だった近日点を100AU以遠に持上げたと考えられます。

過冷なる一族で外縁天体の分類が分かるかも

ここの解説、新惑星。に加筆。

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