場所っプ

トリオフォー&素人の乱シランプリそして場所っプ山下陽光の日記bashop77@yahoo.co.jp

大芝君

2016年06月06日 19時49分02秒 | 友達の事
坂口君40歳の誕生日おめでとう。

大芝君が亡くなってから書いた坂口君の文章が素晴らしすぎたので貼り付けます。

今夜20時からドミューンで大芝君特集だそうです。

以下坂口君が書いた大芝君についての文章






10何年前。あれはまだぼくがまだ二十代の後半の、そろそろおじさんになりかけの頃だった。その頃はまだぼくはドムにも住んでなくて、素人の乱もなくて、どこにもなんにも始まっていない雰囲気だった。
ぼくはいつものように昼に起きて、天気がいいので一服して、高円寺の街に出た。
南口の駅前広場に着くと、ハトがいつものように群がっていた。「こんなこきたねー、糞まき散らす鳥が、なんで平和の象徴なんかな~、よくわからんね~」とつねづね思っていたが、その日はちょっと違った。
ハトの群がるその中に、太陽光線を浴びて、ヘラヘラしたあの顔で、あいつは立っていたんだ。

アーシヴァだ。

そのころのアーちゃんは、シヴァ神みたいな雰囲気で、サドゥみたいな髪型で、重力はこいつにはかかってないんじゃないかと思うくらい、フワッとあらわれてはニヤニヤしてる、なんか風の精みたいなやつだった。でもヘルスでバイトしてたからか、スーツだったりした。はっきり言って顔立ちは、良かった。インドかペルシャの王子みたいな顔立ちだった。
あのヘラヘラした顔で、フワッと高円寺の風景に現れるたび、ぼくの時空は歪んだ。
その日もそうだった。白昼の、ハトの群れの中心に、A柴。かたわらにダンボール。
「なにしてんのアーチャン?」
「あっ、ヨッシー、おれ、明日円盤でライブなんだ!だから、ハト捕まえようと思って!」
(ハト捕まえようと思って!)
(ハト捕まえようと思って!)
(ハト捕まえようと思って!)

またやられた。

たしかに、アー柴の仕掛けたダンボールの気配に、ハト達はいつもと違う緊張感を漂わせていた。小刻みに運動をするハト達の首、アー柴のエヘラエヘラした顔。
白昼の、アー柴と、ハト達の、ひそかなかけひき、街の人は誰も気付くまい。俺も気付きたくなかった!

「なるほど」

ぼくは彼の行動に深い理解を示した上で、用事があるからとその場を離れた。

それから一週間くらいしたあと、ナカドオリでアー柴と再会した。車椅子だった。佐藤くんが車椅子を押していた。

佐藤くんはいつもヘドロかモヤのなかにいるような雰囲気で、髪の毛がいつもじゃまそうだった。佐藤くんの話では、なんでもあのあと無事ハトを捕まえたらしく、ライブでハトを放ち、ハトを追って円盤の2階からダイブしたとのこと。

またやられた。

忘れた頃にA柴

それから長い月日が経った。忘れないよ。君のこと。

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