こばなし

日々のよしなしごと

京都の旅最終日

2006年03月07日 | 
伯母上は「あんなのたいしたことないよ」と言って行きたがらなかったが、
わたしがどうしても行きたかった伏見稲荷大社へ。
ただでさえお稲荷さんが好きなのに、さらに鳥居のトンネルが!
ひとりでもいいと思っていたのだが、結局3人で行くことに。



そしてやっぱり来てよかった。なんて素敵な場所!
わたしはかなりうかれていて、
鳥居の中をひとりダッシュしたり、
意味もなく体を大の字にしたりしていた。



はぁ…ため息が出てしまう。
異界への門って、きっとこういう感じだろうな。
外に出て、そこが全然違う場所だったらどうしようと妄想したり。



伏見稲荷の中にあった神社の飾り雛。
お願い事を中に書いてぶら下げる。
かわいいし100円というお手ごろなお値段だったのでやってみた。
願い事はもちろん「良縁に恵まれますように」笑
母上は妹君の代わりに、妹の良縁願いも書いていた。
伯母上が昔来たときには、こんなものはなかったらしく、
「さすが商売の神さま、お稲荷さんはあなどれん」とみんなで賞賛する。



小さいお稲荷さんがかわいかった。
「こんなのほしい」と言ったら、
「お祀りするのは大変なんだ、馬鹿言うな」と怒られた。



もう本当に、ここはお稲荷さんが多すぎてくらくらする。
アイ・ラヴ・ユー!!

伏見稲荷は山の中にあるので、
全部見て回るにはかなりの時間がかかることがわかった。
しかたなく途中で切り上げることにした。
今度ここに来るときは、お弁当持参で隅から隅まで歩く! と心に決める。
山の中だから、もうピクニック感覚だ。空気もいいし。
そして伯母上がここに来たくなかった本当の理由は、
「山道だから」だということに気づく。はぁ…。

帰りにお稲荷さんの像がほしくてたまらなくなったのだが、
伯母上と母上に猛反対される。
「それを買ったら鳥居やらなんやら他の備品も買わなきゃならないよ!?」
「きちんとお祀りしなきゃいけないんだよ!」
「そうでないとバチが当たるよ!」
2人の言うことがわからないでもなかったけれど、
わたしはお稲荷さんが好きで、
毎日手を合わせるくらいのことはするつもりだったし、
なんでそこまで批難されなければならないのかと腹が立った。
わたしは怒られたりキツいことを言われたりすると、
反感を持っていても大抵は涙が先に出てきてしまう。
それを見られたくなかったし、鬼のような2人と一緒にいたくなくて、
1人ですたすた歩き出した。
さすがに大泣きはできないので、涙をこらえるのが大変だった。汗
いくつになっても、怒鳴り散らされるのは苦手だ。
怖くてしかたない。

わたしがバス停で待っていると、2人がやってきた。
そのときのわたしは大分落ち着いていたけれど、
もうしばらく放っておいてほしかった。
しかし母上は、「放っておく優しさ」なんぞ持ち合わせてはいない。
本当に勘弁してほしい。
いい加減気づいてくれ。



すったもんだしながらも、気持ちを切り替えて京都国立博物館へ。
狛犬とお雛さまの特別展示が見たかったのだ!
博物館の外観がすばらしすぎ。ピクニックできそうなお庭も素敵。
刀剣の展示が終わったばかりで少しがっかりする。
本気で見たら1日がかりになりそうだったけれど、
時間もないのでわりとぱぱっと見る。
生活感の溢れまくったお雛さまがあってびっくりする。
お屋敷の中でお雛さまや官女さんたちが暮らしている。
さらにお雛さまはそもそも、
今で言うリカちゃん人形だったということにハッとする。
よく考えたら当然なのだが、今さらびっくり。



清水寺の近くにある、みなとや幽霊子育飴本舗へ。
「歩く京都」にこのお店を見つけてしまったら、もう行くしかない!

とある飴屋に、毎晩若い女が飴を買いにきた。
どことなく怪しい雰囲気を持った彼女を不審に思った店主は、
ある日、こっそり女の後をつけて行った。
しかし、ある墓場で女の姿を見失ってしまう。
気になった店主は、翌朝また女を見失った場所へ行ってみた。
すると、女を見失ったあたりから、赤ん坊の声がする。
慌てて墓を掘り返すと、なんとそこにはあの若い女が死んでおり、
女の腕の中で、男の赤ん坊が飴をしゃぶっていた。
子を思う母が、毎晩死してなお飴を買いに来ていたのだ。
そのためこの飴は子育飴として知られるようになり、
この子どもは後に高僧になったそうな。


こういうお話なのだが、母上も伯母上も知らなかった。
わたしの中では超有名なお話なのに!!
ええ、もう大興奮。
飴は昔ながらの素朴な味。うふふ。

そして六道珍皇寺へ。すごく小さなお寺。
何が見たいって、小野篁(おののたかむら)が地獄へ行くのに使ったらしき、
井戸が見たかったのだ。
卒論の関係で、異界研究者小松和彦氏の本を読んでしまったため、
そういう場所に行きたくてしかたなかった。汗
しかし井戸は遠くからのぞくことしかできず、ちと不満は残る。



すぐそばの六波羅蜜寺にも寄ってみた。
本堂の梁が綺麗だったのでパチリ。
たまたまお坊さんが何やら説明していたので、聞いていく。



道ばたで遭遇した柴犬のコロちゃん。
柴犬には珍しく、かなり人なつっこい。
すりすりしてきた~かわいい~!!!
手と足は母上のものです。^^;



大学で茶文化の講義を取っていたので気になった、お茶の発祥寺建仁寺。
「お茶を日本にもたらした栄西」にぴんとくる。そうそう、そんな名前。
なんだかすごく落ち着くお寺だった。
竜安寺や清水寺と違って、人もそんなに多くない。
お寺の渡り廊下で、大奥ごっこをした。
「まゆさまの、おなぁーりぃー!」爆



何より落ち着いたのがお庭。1日中ここでぼけーっとしていたい。
よく日の当たる場所があって、そこで3グループくらいの旅行者が、
寝転がっていたりお喋りしていたのが面白かった。
もちろんわたしたちもそのうちの1グループですが。笑
冬は最強に寒そうだけど、やっぱりこういう家に住みたいな…。
ここまた来たい…。

建仁寺から花見小路を通って、四条通へ。
花見小路で着物を着た女子大生らしき集団に出くわしたのだが、
歩き方や立ち居振る舞いがあまりになっておらず、
みんなで「げんなりだ」と文句を言う。

前日に気になったRAAKという染め物のお店の前を通ったので、
母上と伯母上を呼び止める。
高かったけど、やっぱりかわいかった!
迷った挙げ句、結局ハンカチを2枚購入。
鶴の柄と、鳥居の柄。満足。ここもまた来たい。

本当はさらに風俗博物館にも行こうと思っていたのだが、
疲れてしまったので断念。
その後はのんびりして、お土産を買い、夜ご飯。
そして新幹線に乗って、無事にお家に帰宅。

愛犬花子と感動の再会を果たしましたとさ。
楽しかったけど、歩きどおしで大変疲弊いたしました。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿