あるようでなかったペットボトル容器のビールですが、宅配ビール限定で採用されることになった。詳細は以下の通り。
キリンの宅配ビール容器にペットボトル
三菱樹脂は18日、ハイバリアペットボトルがキリンビールの宅配サービス「キリンブルワリーオーナーズクラブ」用のビール容器に採用されたと発表した。
キリンブルワリーオーナーズクラブとは、工場から直接家庭にビールを届けるという会員制のサービス。利用者は、届いたペットボトルをレンタルサーバーにセットして、家庭で手軽にクリーミーなビールを飲むことができる。
大手ビールメーカがハイバリアペットボトルをビール容器に採用するのは、これが初めて。
炭酸ガスの遮断性を向上
ペットボトルは水やお茶、ジュースなどの飲料用としては幅広く利用されているが、気体透過問題などからビール容器としての利用は難しいとされていた。
今回採用された「ハイバリアペットボトル」は、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)コーティング技術が用いられており、一般的なペットボトルに比べて、酸素で約10倍、炭酸ガスで約7倍のバリア性を有する。
また、瓶に比べて軽く、割れにくいというメリットもあるという。
ネット上には「ついに…」という声
この発表を受けて、ネット上にはさまざまな反響が寄せられている。
•遂にきたぁぁぁぁー!
•とうとうペットボトルのビールができるんか
•ビールもペットボトルになっちゃう時代
•缶との差異はよく分からないけれど、期待大
•ワインに続いてビールまでペットボトルになったら泣いちゃう
期待と悲しみの声が投稿されていた。
10年以上前、アサヒが商品化を計画
「とうとうペットボトルのビールができるのか…」という声がみられたが、ビール用ペットボトル容器が登場するのはこれが初めてではない。
2004年7月、アサヒビールがビール用ペットボトルを開発。ペットボトルの特性を活かした新商品を年内にも発売すると発表していた。
リサイクル問題で頓挫
しかし、国際環境NGOの「グリーンピース」などが、ペットボトルは瓶や缶に比べてリユース・リサイクル率が低いので温暖化とゴミ問題が悪化すると指摘。インターネットを通じて、ペットボトルビールへの反対意見を集めた。
これを受けてアサヒビールは、ペットボトル入りビールは現行のペットボトルリサイクルシステムに多大な影響を及ぼす可能性があると判断し、発売を見合わせた。
ハイバリアペットボトルは大丈夫?
今回キリンビールに採用されたハイバリアペットボトルは、リサイクル面では問題はないのだろうか?
日本包装学会誌によると、DLCコーティングを施したペットボトルは、ペットボトルリサイクル推進協議会の自主ガイドラインで、リサイクル適性Aを取得しているという。
現在の宅配エリアは限られていますが、今後エリアも拡大されれば、ウォーターサーバーのように家庭で気軽に生ビールが飲めるようになるかも。
そして缶や瓶からペットボトルに変わっていく時代も近い。しかし良いのかこれ!?