「捕虜を機関銃で一時間も撃ち続けていた」
だいぶ前に見た某民放のドキュメンタリー番組で、元日本兵の証言です。
似たような証言を中帰連のHPで読んだ記憶がありますが、
同一かどうかはわかりません。
酷いですね!日本軍ってのは!
ホント、悪逆非道なことを平気でするんですね!日本兵っていうのは…
って、普通はこう考えると思います。
でもね…これって、ありえない話なんですよ、ホントは。
なぜ断言できるのかというと、
とある当然の法則を完全に無視しているんです。
学校の授業で習ったこと、
もっと言えば日々の生活で当然知っているはずのあることを、
完全に無視しているんです。
それは別に機関銃を見たことがない人や、
軍隊経験が全くない人にも簡単に理解できますよ。
鉄の特性と火の特性を知ってればね…
鉄は熱するとやわらかくなっちゃって、
グンニャリと曲がりますよね?
鉄道の「ガタンゴトン」は、
レールとレールのつなぎ目に隙間があるんですよね、
夏みたいな暑い日だと伸びちゃうから。
機関銃も鉄です。
そして火の特性、
厳密にいえば火薬のことですが、
機関銃というのはその火薬を連続して爆発させるものですよね?
さてさて、熱された鉄がどうなるはもうお分かりだと思います。
機関銃に関して言えば、
その熱により銃身や駆動部分が変形し、
動作不良を起こすどころか、
暴発して付近にいる人をケガさせてしまいます。
そうなったらもう、
使い物になりませんね。
大変なことになりますね。
まさに死活問題ですね。
それにあんな太くて硬いレールが伸びたり縮んだりするんですから、
機関銃程度の鉄でも変形してしまうのは当然かもしれないです。
「捕虜を機関銃で一時間も撃ち続けていた」
という証言は、
果たしてどこまで信用できるのかどうか…
熱くなって使えなくなった機関銃はその後どうするのか?
その場合、熱くなった銃身だけを交換するんです。
ただし、素手でそれをやると完全に火傷しますけどね。
第二次大戦の頃になると、
世界各国で銃身を交換するタイプがメインになっていきました。
さらにいうと、
そもそも長時間機関銃を発射すること自体がありえないんです。
だいたい三発から五発ぐらい撃って、
やめて、
また撃って、
やめて、
の繰り返しなんです。
それでも銃身を交換しなきゃいけません。
それに連続発射の振動によって照準がブレブレになってしまうため、
撃って、やめて、照準を定めて、撃っての繰り返しなんですよね、
厳密にいうと。
ちなみに一時間も撃つことができる機関銃なんて、
最新装備が大好きな現代の米軍にもありませんよ。
それどころか第二次大戦で使用していた機関銃を、
七十年以上たった今でも使っているんですから…
しかも機関銃を扱う兵士っていうのは、
現代の表現でいえば専門職であり、
機関銃の基礎から応用まで徹底的に教え込まれた人たちなのです。
ま、自衛隊もそうでしょうね。
自分は入隊したことはないですけど。
ちなみにあの頃は自動車の運転も専門職です。
そうなってくると、機関銃の特性を全く無視したあの証言に、
はたして信ぴょう性があるのかないのか?
という問題になってしまうのです。
困ったことに、
いわゆる歴史認識問題では必ず出てくるんですよね、
こういう証言の信ぴょう性ってのが…
それはそれでまた別の問題も出てくるのですが、
ここではこれ以上言及しません。
ま、今回のような元兵士の証言の問題については、
「中帰連」というのがキーワードにもなります。
興味のある方はググってくださいな。