残照日記

晩節を孤芳に生きる。

政治改革⑫

2011-07-07 07:14:26 | 日記
【刀折れ、矢尽きるまでやる】─菅直人首相
≪菅直人首相は6日午後の衆院予算委員会で、退陣条件の一つに掲げた再生可能エネルギー促進法案の成立について、「現在のいろいろな体制が、私の進めようとすることに抵抗することがあっても、それをはねのけて推し進めたい」と述べ、強い決意を示した。首相は「(風力などの自然エネルギーは)地域の小型発電設備が多く、(既存の電力会社が)大規模な発電と送電を独占している仕組みに適合しにくい」として、発送電分離を検討すべきだと改めて指摘。電力事業への参入規制についても「基本的に制約を外すべきだ」と強調した。みんなの党の渡辺喜美代表への答弁。渡辺氏がエネルギー政策を争点とした衆院解散・総選挙を促したのに対し、首相は解散には直接言及せず、「激励と受け止めた。満身創痍(そうい)、刀折れ、矢尽きるまで、力の及ぶ限りやるべきことをやっていきたい」と政権維持に意欲を示した。≫(7/7 時事通信) 

∇途中でテレビのスイッチを切ってしまったので、この渡辺喜美代表との質疑は見ていない。たゞ、菅首相の表情には、単に“窮鼠猫を噛む”類の「居座り」だけとも思えぬ厳しい表情は見て取った。党内外から批判され、即刻退陣せよと詰め寄られ、孤立無援状態の処へ松本発言で更に追い討ちをかけられしているうちに、却って腹が据わってきたような気もする。「こゝまで来たら、辞任3条件だけは何とか一定の目処をつけたい」との気持が沸々と湧き上がってきているのかも。──さて、上記記事によれば、昨日の衆院予算委員会で、<渡辺氏がエネルギー政策を争点とした衆院解散・総選挙を促したのに対し、首相は解散には直接言及せず、「激励と受け止めた。云々>とある。偶然だが、今朝の朝日「声」の欄に、≪解散総選挙で原発の是非問え≫の投稿が載った。(東京都清瀬市 小川和夫氏 無職65歳) 当ブログ「政治改革Ⅵ」でも取り上げ、老生が厳しく批判した、朝日新聞「記者有論」に寄せた当紙政治グループ次長津川章久氏の「郵政解散とは似て非なり」に反論する形で。

∇ざっと津川氏の評論を要約すれば次の如きものだった。菅首相自身が脱原発解散を表明してもいないのに、<(菅)首相が脱原発解散を志向しても郵政解散とは似て非なり、だ>というもの。小泉氏にとって衆院解散は目的でなく法案成立の手段だった。解散まで国会の議論の積み重ねもあった。しかるに菅首相はどうか、と、その熱意無き「居座り」を批判し、もし解散を敢行すれば夏の総選挙のため<日本中が混乱に陥る恐れもある。首相の解散はこれらの対策を後回しにし、新たな人災を生むかもしれないとの批判も覚悟すべきだろう。>と言うのであった。投稿者の小川氏は次のように主張されている。<記者有論では、「国会の議論も十分尽くさず脱原発解散のみを自己目的化するなら、『脱原発』を延命の方便に使っているとのそしりは免れない」とありますが、私はそうは思いません。解散で多少は延命するかもしれませんが、それより原発をどうするのかをまず国民に問う方が重要ではないでしょうか>と。更に、<イタリアの国民投票結果を「集団ヒステリー」と表現する政治家が、原発推進の是非について国民に判断を求めることはまず考えられないと思います。それができるのは菅首相だけではないでしょうか>と。

∇延命を方便に使っても結構、それこそ小川氏の言う<脱原発関連法案成立の手段>として解散総選挙に打って出て欲しい、と言うのである。幹事長の石原伸晃氏がイタリアの国民投票結果を「集団ヒステリー」呼ばわりするような自民党が、原発推進の是非を国民に問う可能性はまず考えられないからである、と。順序は「辞任3条件」の一つである「再生可能エネルギー特別措置法案の成立」に粘る、全く見通しが立たない状況が明白になったら解散総選挙に打って出る、ということだろうか。──今、老生は小川氏の主張や菅首相の居座り戦術の是非を棚の上に置いておく。重要なことは、一般投稿者が冷静に政治(マスコミ評論を含め)を見張っていること、そして、民意評価の定石は「解散総選挙」にあること、更に、イタリアで原発推進の是非を「国民投票」という手段で問うたことなどが、「政治改革」を見直す場合に、再度俎上に上げられるべきことを再認識した。次回以降、こゝのところ頻繁に話題に上がり、議論され始めている「国民投票」という政治監視&評価について研究してみよう。今日はこれから眼科へ出かける準備です。明日又。