残照日記

晩節を孤芳に生きる。

新しい皮袋

2011-06-05 18:44:12 | 日記
【新しいぶどう酒は新しい革袋に】
≪だれも、織りたての布から布切れを取って、古い服に継ぎを当てたりはしない。そんなことをすれば、新しい布切れが古い服を引き裂き、破れはいっそうひどくなる。また、だれも、新しいぶどう酒を古い革袋に入れたりはしない。そんなことをすれば、ぶどう酒は革袋を破り、ぶどう酒も革袋もだめになる。新しいぶどう酒は、新しい革袋に入れるものだ。≫(「マルコ伝」2・21-22)

<菅直人首相の辞任表明を受けて、朝日新聞社が3日夕から4日夜にかけて実施した全国緊急世論調査によると、52%が辞任表明は「よかった」と答えた。「よくなかった」は29%。一方、新しい首相のもとで震災復興や原発事故への対応が「いまよりうまく進むと思うか」とたずねると、61%が「そうは思わない」と答えた。「いまよりうまく進む」は22%と少ない。 首相辞任後の望ましい政権枠組みを3択で選んでもらうと、「民主党と自民党の大連立」が53%で最も多い。「自民党中心の政権」「民主党中心の政権」はともに16%だった。 辞任表明の引き金となった自民党などの内閣不信任案提出は「評価しない」が60%と、「評価する」の30%を上回った。>(6/5朝日新聞)

∇バカバカしい永田町の「茶番劇」は、国民にはすっかりお見通しであった。さて、「次の首相」には誰がいいのか?──今回の朝日の調査では、前原誠司4%、2位以下は2%台で小泉進次郎、枝野幸男、谷垣禎一、小沢一郎、岡田克也、石破茂が挙がった。(敬称略) 与党側で突出した候補者は相変わらず見えず、敵対する自民党にしても、2%台で小泉氏と谷垣・石破氏らが同列とは情けない。民主党内に絞った場合、読売新聞が3~4日に実施した全国世論調査では、前原前外相が14%でトップに立ち、枝野官房長官と岡田幹事長が9%で次点で並んだ。TV等では、野党とのパイプの強い仙谷由人氏の名も上がっている。それにしても、前原─枝野─岡田の3氏夫々が夫々の問題を抱え、技量も今ひとつパッとせず、当初から懸念されていた「ポスト菅」の適任者が全く見えない。

∇<民主党の岡田克也幹事長は5日午前、菅直人首相退陣後の政権について「物事をスムーズに決めていくため、特に東日本大震災と税と社会保障の一体改革という大きな課題を乗り越えるためには期限付きの大連立が望ましい」と述べ、自民党などとの大連立政権の樹立を目指す考えを示した。都内で記者団に答えた。>(6/5 15時30分 産経新聞) 繰り返すが、一体誰が仕切るのだろうか。今大声で言えることは一つ。民主党は「菅辞任、小沢除名、鳩山・長老退陣」&自民党「派閥・長老支配体制の根絶」だ。菅首相が代議士会で述べた「若い世代に責任を引き継ぎたい」という“世代交代”発言だけは、大いに買いたい。上記の如く、現在際立った適任者が居らず、「菅政権後」が見えない中、<大連立政権の樹立>が志向されている。<若い世代>なら、縦令失敗しても、それを肥しに“明日の政治家”を鍛えることが可能だ。それに賭けるしかあるまい、と思う。