残照日記

晩節を孤芳に生きる。

呆れた話

2011-06-03 18:42:36 | 日記
【 マキアヴェッリ「君主論」】 
≪君主にとっては、愛されるのと怖れられるのとどちらが望ましいであろうか。──当然のことながら…両方とも兼ねそなえているのが望ましいが、…現実の世界で行使していくのは実にむずかしい。(できるとしても)たぐいまれな力量の持主であることが要求される。それで、ほとんどの場合一方を選ぶしかないとなるのだが、わたしは、愛されるよりも怖れられるほうが、君主にとって安全な選択であると言いたい。……人間というものは、恩義の絆で結ばれている愛情などは、利害がからむとなれば平然と断ち切ってしまうものである。一方、恐怖でつながれている場合は、復讐が怖ろしく、容易には断ち切れないものなのだ。(但し)恨みや憎悪だけは避けねばならない。それでいて、怖れられるよう務めねばならない。≫≪君主にとって、厳重のうえにも厳重に警戒しなければならないことは、軽蔑されたり見くびられたりすることである。≫(塩野七生「マキアヴェッリ語録」より))

∇【世論調査】<世論調査で首相進退は拮抗 小沢支持派評価せず89%──共同通信社が2、3両日に実施した全国緊急電話世論調査によると、退陣の意向を表明した菅直人首相が「辞めるのは当然」とする回答は48・1%、「辞める必要はない」は45・1%で、拮抗。一方で、菅内閣支持率は33・4%で、5月中旬の前回調査の28・1%より上昇した。小沢一郎元代表支持派議員の行動に関しては、「評価しない」との回答が89・4%で圧倒的な多数を占めた。小沢元代表が今後どういう政治行動を取るべきかについては「民主党を離党して新党をつくる」との回答が49・8%と半数を占め、「残って融和を図る」の25・6%を大きく上回った。>(6/3共同通信)──昨日内閣不信任案否決以降、又、唖然とする情報が入ってきている。菅首相の「一定のめど」云々の発言は「辞任」を述べたものというより、“めど”をつけることに専念させてくれ、の意であって、菅─鳩山会談で鳩山前首相と交わした文書に辞任云々は一切記述されていない、と。居座るつもりらしい。昨日の「一件落着」は取り消し。寧ろ民主党「分裂の予兆」と見る。以下に今日の午後6時現在の状況を報告。今日はこゝまで。

∇<内閣不信任案否決──菅首相は2日、民主党の代議士会で、東日本大震災の復興や原発事故の収束に「一定のめどがついた段階」での退陣に言及したが、不信任案の否決を受けて、周辺に「おれは辞めるつもりはない」と話していることが関係者の話でわかった。2日夜、菅首相は「原子力事故をですね、ステップ2の冷温停止、そして放射性物質がほぼ出なくなるところまで持っていくために全力を挙げ、一刻も早い実現を目指す。当然の私の責任だと思います」と述べて、「一定のめど」には、原発事故の収束も含まれるとの認識を示し、少なくとも福島第1原発の冷温停止の目標時期である2012年1月ごろまでは、政権を担う意欲をにじませた。また、鳩山前首相が菅首相の辞任の時期について、「復興基本法や第2次補正予算案編成のめどが立つ時期」と話していることについて、菅首相は、鳩山氏と交わした「確認書通りで、それ以外の約束は一切ない」と述べ、退陣時期の確約はしていないとの認識を示した。>(6/3フジテレビ系(FNN))

∇<菅首相の早期退陣か年明けまでの続投かをめぐって、鳩山前首相は「約束を守らなければペテン師だ」と、菅首相の態度を批判した。菅首相を交代させようとする勢力にとっては、戦略は2段階で、まずは両院議員総会の開催。そして、本番は国会審議ストップの責任を追及するということになるとみられる。開催に必要な署名は集まりつつあるが、党の規約には両院議員総会で党の代表を交代させる規定はない。仮に解任動議を採決したとしても、強制力はなく切り札にはなりえない。それよりも、参議院で野党が提出した問責決議案が可決され、すべての審議がストップした場合や、公債特例法案などの重要法案が成立できなくなった場合に、民主党の参議院側から事態打開のため、菅首相に辞任を迫る戦略が語られている。しかしこの場合は、国民生活を人質にとったチキンレースとの批判も招きかねず、その時点での世論にも非常に左右されるとみられる。>(同上)

∇<菅首相と鳩山前首相との見解が真っ向から食い違い、対立が拡大していることで、閣僚などに波紋が広がっている。枝野官房長官は午前11時前、「それぞれの認識に、残念ながらギャップがあったことは大変残念なこと。今、問われているような問題(退陣の時期)については、まさに総理の専権事項である」と述べた。蓮舫行政刷新相は「国民の皆様方、特に被災地におられる皆様方に、大変なご不安、あるいは多くのお怒りのお気持ちを与えてしまった。民主党全員が反省することだと思っています」と述べた。自民・小池総務会長は「また、サギが出てきたという印象であります。その場しのぎで、自分の進退をえいやで懸けたんでしょうが、夜の会見は、私は続投会見と見ざるを得ないと思う」と述べた。また、自民党の谷垣総裁は3日朝の総務会で、「進退表明しながらいつまでも居座るのはいかがなものか。復興基本法には協力するが、『死に体』政権にはそれ以上の協力はできない」と述べた。>(同上)