残照日記

晩節を孤芳に生きる。

急転直下

2011-06-04 20:30:15 | 日記

∇<枝野官房長官は4日午前のテレビ東京の番組で、「そんなに長く居座る気持ちは首相には全くないと思う」と述べた。首相が2日の記者会見で福島第一原子力発電所事故収束まで続投する意向を示したという見方を否定し、9月の日米首脳会談についても、「(首相は)自分が出る趣旨のことは言っていない」と語った。民主党の安住淳国会対策委員長も「首相は夏頃をメドに重大な決断をすると考えている」と述べた。>(6/4 15時 読売新聞他) 「一定のめど」とは、「復興基本法や第2次補正予算案編成のめど+福島第1原発の冷温停止のめどが立つ時期」。前者は与野党で歩み寄り、共に程なく決まる見込み。後者は技術的問題なので、何も冷温停止の目標時期である2012年1月ごろまで首相が見届ける必要はない。早ければ6月末、遅くとも8月前後に辞任の意向を固めたようだ。与野党共にみっともない“茶番劇”をスッキリ納め、問題の山積する復旧・復興問題に国会議員の総力を結集してもらいたい。現在既に梅雨真中、酷暑の夏が刻々近づいている! 蛇足ながら「独り言」を。

【狐とライオン】
≪君主にとって、術策など弄せず公明正大に生きることがどれほど賞賛に値するかは、誰もがわかっていることである。しかし、われわれの経験は、信義を守ることなど気にしなかった君主のほうが、偉大な事業を為し遂げていることを教えてくれる。それどころか、人々の頭脳をあやつることを熟知していた君主のほうが、人間を信じた君主よりも、結果から見れば越えた事業を成功させている。…君主は、人間的なものと野獣的なものを使い分ける能力をもっていなければならない。…野獣の中でも狐とライオンに注目すべきであると思う。…罠を見ぬくには狐でなくてはならず、狼を追い散らすには、ライオンでなければならない。…ただし狐的な性質は、巧みに使われねばならない。非常に巧妙に内に隠され、しらっぱくれてとぼけて行使される必要がある。≫(「マキアヴェッリ語録」塩野七生訳より)

∇「マタイ福音書」(10・16)にも、敵の多い中での伝道心得について、≪わたしはあなたがたを遣わす。それは狼の群れに羊を送り込むようなものだ。だから、蛇のように賢く、鳩のように素直になりなさい。≫と言っている。「悪魔と手を結ぶ」(マックスヴェーバー「職業としての政治」)のが政治上の止むを得ざる方策だ。“政治が三流”と言われるのは、政争に際して、狐や蛇の如き「賢さ」が足りないからではないか。党首たる者“性悪説”に徹すべきだ。しかも上記マッキャヴェッリ語録の≪狐的な性質は、巧みに使われねばならない。非常に巧妙に内に隠され、しらっぱくれてとぼけて行使される必要がある。≫という、我が国で言う「腹芸」が使えなくてはダメだ。そして細心にも細心の注意を以て発言し、緊密の上にも緊密に脇を固めることだろう……。だが、もう賽は投げられた。<民主党の岡田克也幹事長は4日夕、菅直人首相の退陣時期について「首相は長く居座ることはないと私も確信している。(東日本大震災からの)復興はとても大事なことなので、真剣に取り組み、めどを付けて身を引くのが首相の考えだ」と述べた。宮城県白石市内で記者団に語った。>(時事通信)──与野党共々、菅首相の追及はもう結構、新しいリーダー選びと組織固めに専心すべし!