段取り八分に仕事が二分

いつも仕事を進める要領が悪いまだ２０代の若い人に、良い言葉を直接教えようと思ったら外出している。アドバイスをする事を忘れないようにとメ－ルで”仕事は段取り八分に仕事が二分だよ”と書いて送った。外出から帰ってきてメ－ルを読んだ彼が、”すみません。ダンドリって意味が良く分からないのですが、段取り8フン、仕事が2フン、合計１０分の仕事ってどんな仕事なんですか？”と聞きにきた。時代が変ったのか、格言を知らないのか、一瞬ガックリくる。

まだ彼は独身だし、いつも外食ばかりしていると聞いていたので１週間ほど前に夕食でも奢ってやろうと思って言った時の彼の返事を思い出した。”○○君、食事をするなら和食、洋食、中華のうちどれが一番好き？”と聞いてみた。彼の口から出てきた言葉は”コンビニ弁当が一番好きです！”こちらは一瞬言葉が詰まった。アキバ系の思考回路はあなどれない......。

段取り（前準備）をしっかりしておけば、焦らなくてもすむ。怪我をしなくてすむ。実際、物理的に準備をする時間が取れなければ、頭の中で作業を進めるイメ－ジを整理しておけば良いことである。こういうイメ－ジ・トレ－ニングが出来てない人達を見ると、何か作業をする場合バタバタと動く。まるで、自分１人が忙しそうに動く。もう少し、ゆっくり作業しても同じなのに、周囲からはガサツな人だなと思われる事が多い。

腕の良い板前さんは、仕事が終わればゆっくり包丁を研ぐ。仕事で使う一番大事な道具である数本もの包丁を研ぐ。その間に明日の仕込みを考える。これが段取りである。
企業で事務作業や外周りをする人は、言葉を研ぐ事が大事である、問題が起きれば頭の中で自分の考えを整理して、明日に対応についてイメ－ジトレ－ニングを忘れない事が１人前の企業人だと思う。