アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

これな~んだ、キク科です(´∀`)

2024-06-23 12:00:00 | みんなの花図鑑
きょうはキク科の花を2つ。
と言ってもよく見る菊の花とは一味もふた味もちがいますよ。
ではまず第1問。

キリギリスが止まっている畑に咲いたこの花は何でしょう♪


アザミでしょうか?
いいえもっと背が高く灌木のように見えます。



ヒントは葉です。



少し引いてみました。
これなら分かるかな?



知る人ぞ知る、ゴボウの花でした \(^o^)/

そしてここからが大切なことなんですが、ゴボウがなぜキク科なのかというと・・・

実はキク科といっても花のしくみの違う3種類あるんですよ。
一番多いのが キク亜科
もうひとつは タンポポ亜科
あとひとつは アザミ亜科




そしてこのゴボウの花は アザミ亜科に属する花なんです。だから アザミに似ていて当然だったんです !(^^)!
キク科の花はたくさんの小花の集合で頭花を作っていますが、
キク亜科の花は周囲の花弁のような舌状花の集まりと 中心部の盛り上がったシベの集合(筒状花といいます)の両方で頭花を構成しています。
そして(あとで出て来る)タンポポ亜科の花は 上の2種類の小花のうち 筒状花の小花ばかりで出来ています。
となると、3番目のアザミ亜科はもうお分かりでしょう、菊の花で周囲の花弁を担当していた舌状花(大きな花弁一枚とひとつの雌雄シベでひとつの小花)ばかりで出来ているんです。



だからアザミ亜科の花はどれもこのように花弁のような部分(舌状花部分)が無いんです。シベの部分ばかりなんです。
キク科の筒状花というのは名前の通り煙突状の雄しべ筒(おしべが合着してひとつの筒になっちゃったんですね)と筒の中から出てきているめしべから構成されています。
もう少し詳しい説明は つぎの舌状花の集合で出来ている花のほうで説明します。




キクニガナ(チコリー)

花弁がキレイな るり色をしていますが、これを黄色に変えるとよく見る野草 ニガナそっくりになります。キクニガナとかニガナとかはタンポポ亜科のキク科なんですよ。タンポポ亜科というのは頭花がすべて舌状花で出来ています。



舌状花は大きな花弁が一枚とその付け根のところにシベが1個で構成されています。キク亜科の花だと花の周囲にあった舌状花が、タンポポ亜科では中心部まで舌状花。とにかく錯綜して雄しべ筒が立っています。





立っている色の濃い煙突部分が 雄しべ筒で、最初、筒の内壁に花粉を放出します。
つぎに、筒の中をめしべが上に伸びていきます。このとき、めしべは筒内の花粉をいっしょに押し上げます。




雄しべ筒の中をめしべが花粉を上へ押し上げるとき、自家受粉してしまわないかと心配する必要はありません。めしべはまだ成熟していないので受精しないのです。


上へ伸びためしべはその後 頭を2つに割り内側に柱頭(受粉器官)を展開します。



柱頭の縁に花粉が真珠のようについていますが、これは上へ伸長してくるときに体にまとわりついた花粉で、外から虫が運んできた花粉ではないと思います。






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