愛媛県では、お墓にシキミをお供えすることが一般的です。関東で生まれ育った私は、なぜ花をお供えしないのか納得できない習慣ではありますが、まあ、それはさておき、シキミについて調べてみました。
シキミの語源ですが、漢字で書くと、樒、木へんに佛と書くこともあります。いかにも密教、仏教に関わるらしい字です。ウィキペディアによると、果実がおしつぶされたような形をしているから「敷き実」、毒性があるから「悪しき実」だそうです。愛媛の地元のシキミ生産者の方に聞いたところによると、一年のうち、何度も新芽が出るから「四季芽」。実際、そういう植物なので、説得力のある語源だと思いますが、どうなのでしょう。呼び名も、松山地区ではシキビということが多く、地域によっては、花シバ、香の花、あるいは単純にハナと呼ばれています。
さて、なぜお墓にシキミなのか?ということですが、鑑真和上がもたらしたとかの歴史や宗教的な理由づけはいろいろあるようです。地元でよく言われているのは、毒性があるので土葬の時代の獣よけに使ったということ。あるいは、特殊な匂いは燃やすとさらに強くなるので、死臭を消したと言う話も信憑性があるように思えます。
シキミの毒性はかなり強く、植物では唯一劇物指定になっているそうです。でも、実際に扱ったことのあるものは、こんな匂いのするものを口にいれようとは思わないでしょう。悪い匂いという意味ではありませんが、日本人の感覚では食べ物の匂いではないと思います。でも、何年か前に大学生を含むグループが、椎の実と間違えて食べ、中毒を起こした事件がありましたね。子供たちにもう少し野山で遊ばせないと、こんな勘違いが起きたりするのだなあと印象に残った事件でした。だからといって、山のものを口にするな!という教育は人類の未来をよけい危くしそうですし。
戦前には、同じ属のスターアニス(八角)と間違えて輸出し、海外で中毒事件が起きたことがあったようです。今なら、国際的に大問題ですね。
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お墓はやっぱし定番の菊やしね。
よくお葬式でシキビって言ってたのが
シキミであるらしいって気づいたのも最近なんです。
浅草にある実家のお寺(浄土真宗)には、いつもシキミが置いてありましたが、誰がどういうタイミングで飾るのか不明でした。
お花を買えない人が葉っぱだけ飾るのかなあ(ごめんなさい!)なんて、子供時代は思っていたのです。
最近、山形のJAの方とお会いしたとき、シキミの話をしたら御存知なかったです。
中部地方以南に自生だそうですから。