「好きになった人」梯久美子 2018/6 読了 ☆☆☆☆☆
タイトルの「好きになった人」としたのは、自分について語ることはすなわち、自分が好きな人について語ることなのだ、と作者はいう。
職業についてから編集プロダクションの経営者として雑誌ライターとしてそしてノンフィクション作家としてたくさんの人たち出会いが語られる。また、熊本で生まれ5歳の時、父親の転勤で北海道に引っ越し大学までそこで過ごし、卒業・就職とともに東京に出てきた以後の自伝的エッセイにもなっている。
2012年に放送終了したNHK週刊ブックレビューの司会を一時つとめた時の気さくで飾り気ない印象や、「狂う人 「死の棘」の妻・島尾ミホ」を読んでノンフィクションのおもしろさを教えてくれた作者の個人の魅力に触れられることのできたエッセイだった。