「統合失調症の母と生きて」(原題:SWALLOW THE OCEAN A Memoir)ローラ・フリン/アメリカ 2014/2 読む
私が小学生のころ、母は父のことを「悪魔の手先」と言いはじめた――。
本書は、統合失調症患者の母親に育てられた著者が、幼少期からの家族の闘いの日々を綴った回想録である。
家族の物語は1970年代のサンフランシスコから始まる。いずれ自分も悪魔と呼ばれるのではないかと母親の言動に脅えながらすごす日々。家を出た父が起こした親権をめぐる訴訟。母親の目を盗み、唯一現実を逃れられた姉と妹との3人の遊び。やがて「妄想型統合失調症」という母親の病名を知らされる。そのとき著者は、母親に振り回されつづける自分の心の拠りどころができたと回想する。
病とともに生きつづけるのは患者本人だけではない――この物語は、その当事者や家族の苦悩を理解する第一歩となりうるかもしれない。医学用語を使わず、小説のような読み心地で統合失調症とともに生きることの困難さを伝える、秀麗なノンフィクション。(出版社)
私が小学生のころ、母は父のことを「悪魔の手先」と言いはじめた――。
本書は、統合失調症患者の母親に育てられた著者が、幼少期からの家族の闘いの日々を綴った回想録である。
家族の物語は1970年代のサンフランシスコから始まる。いずれ自分も悪魔と呼ばれるのではないかと母親の言動に脅えながらすごす日々。家を出た父が起こした親権をめぐる訴訟。母親の目を盗み、唯一現実を逃れられた姉と妹との3人の遊び。やがて「妄想型統合失調症」という母親の病名を知らされる。そのとき著者は、母親に振り回されつづける自分の心の拠りどころができたと回想する。
病とともに生きつづけるのは患者本人だけではない――この物語は、その当事者や家族の苦悩を理解する第一歩となりうるかもしれない。医学用語を使わず、小説のような読み心地で統合失調症とともに生きることの困難さを伝える、秀麗なノンフィクション。(出版社)