MUSIC IS THE SCENERY

いつも背景には音楽がある。
インディー・ポップ中心の洋楽ブログ。

Nat Johnson and the Figureheads - What the Heart Pours Into

2011-03-17 01:50:42 | レヴュー



Nat Johnson and the Figureheadsの
EP『What the Heart Pours Into』(CD-R)が届きました。

カヴァー(ジャケット)の紙の裏側の白い部分に
レーベルのプリントが少し写っていたり
それとは別に入っていた
カヴァーを120%くらいに拡大コピーした紙の裏には
メンバー5人の名前入りで
お礼の言葉が手書きで寄せられているなど
かなり手作り感覚です。

肝心の音楽の方は
先日書いた通り「Margot」は爽快な曲ですごく良かったのですが
残り2曲も違うタイプの曲ながらかなり気に入りました。
We Stole Light」は新メンバーEmilyの
ストリングスを取り入れたとても落ち着いた曲で
「Mick Kelly」はその2曲の中間といった感じ。



全曲に共通しているのが
Monkey Swallows the Universe時代に比べて
ソリッドで研ぎ澄まされたサウンド。
09年の1stアルバム『Roman Radio』よりも
曲の輪郭が良い意味ではっきりとしてきて
これまでは試行錯誤している印象が強かったのですが
ここに来て方向性が固まってきたのだと思います。

Nat Johnsonのヴォーカルも文句なく良いので
この流れで2ndアルバムを制作してもらいたいところです。


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Field Mouse - You Are Here

2010-12-05 21:54:46 | レヴュー

ソロで活動していたRachel Browneを中心とする
ニューヨーク・ブルックリンのField Mouse。
女性ヴォーカルのシューゲイズ/ドリームポップ・バンドです。
そのデビュー・アルバムが
今年5月に発表したセルフ・リリース作品『You Are Here』。

The Field Miceに名前が似ていたのと
写真の雰囲気からなんとなく聴いてみましたが
グランジの要素も感じられながら
メロディックで透明感のある音楽とヴォーカルは
ドリーミーで心地よいです。



bandcampで全曲ストリーミングできますが
気に入ったらBuy Nowをクリックして
購入またはフリー・ダウンロード(0ドルにする)できます。
個人的には「Good at Me」「Where You Go」「Tide Came In」の
3曲がとくに気に入りました。
結構オススメのアルバムです。

bandcamp
MySpace
オフィシャル・ページ → ♭


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Silje Nes - Opticks

2010-11-28 22:46:15 | レヴュー

ノルウェーの宅録系女性シンガー・ソングライター
Silje Nesの2ndアルバム『Opticks』。
今年8月のMAP(Music Alliance Pact)に登場していて
その時の「The Card House」と
その後に聴いた「Crystals」がとても良かったので
かなり注目していたアーティストです。

ピアノ、アコギ、グロッケンシュピール、ストリングスなどの
シンプルな音をエレクトロニカに優しく味付けした
手作り感覚のフォークトロニカですが
囁くようなヴォーカルがそれによく合っています。
慌てて購入して聴いた
07年の1stアルバム『Ames Room』の延長線上ですが
今作は無駄な部分を極力排除して作り込んだかのようで
透明感とともに軽い浮遊感が出て心地よいです。



冒頭に書いた「The Card House」「Crystals」2曲のほか
「Symmetry of Empty Space」「The Grass Harp」
「Hello Luminance」「Ruby Red」など美しい曲がそろっています。
夜寝ながら聴きたい天使のような一枚です。

Crystals
Ruby Red
The Grass Harp
Symmetry of Empty Space
MySpace


コメント (2)
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The Concretes - WYWH

2010-11-22 23:43:25 | レヴュー

The Concretesとしては6枚目のアルバムで
Victoria Bergsmanが脱退して
ドラムスのLisa Milbergがリード・ヴォーカルになってからは
07年の『Hey Trouble』に次ぐ2作目。

Pitchforkでは「4.1」の低評価でかなりの酷評
一方でPopMattersなどではそこそこの評価を得ているように
賛否両論のような形になっている今回の『WYWH』。

強いビートを取り入れたディスコ・ミュージックな部分が
この作品の好き嫌いを分けそうですが
Lisa MilbergとMaria Erikssonが好きだということもありますが
個人的にはクールでオシャレな面も感じられ
割とまとまった作品だと思います。



アルバム通して聴いてみると
確かにビートが少し画一的かなとも思いますが
「Knck Knck」「All Day」の2曲はかなり良く
「I Wish We'd Never Met」「Oh My Love」と
「Good Evening」あたりも曲の出来はなかなかです。

All Day
Knck Knck
Good Evening
MySpace
オフィシャル・ページ


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V.A. - After Twilight

2010-11-21 12:28:56 | レヴュー

英語の「twilight」(黄昏、夕暮れ)はフランス語で「crépuscule」
さらに日本語では「逢う魔が時」という古語もあります。
今回の作品は80年代から90年代初めにかけて隆盛を極めた
ベルギー・ブリュッセルのインディーズ・レーベル
Les Disques du Crépusculeの6アーティストのその後
という意味合いのコンピレイション・アルバムのようです。
LTMレーベルからの発売です。

収録アーティストはAntena、Anna Domino、Cathy Claret、
The Names、Paul Haig、Blaine L. Reiningerで
新曲と過去の曲の新録ヴァージョンで構成されています。
(それぞれ3曲、The Namesは2曲)

この中で個人的な目玉はAnna Domino
「Rythm」「The Light」「Wonderkeys」が収められましたが
このうち「Rythm」は初期シングルのリメイク。
残り2曲が新曲で
「The Light」は「The Light Downtown」
「Wonderkeys」は「Wonderkey」のタイトルで
MySpaceにアップされています。
(「Rythm」新録も聴けます)
どちらもニューヨークを歌ったもので
「The Light」はニューヨークへの愛を込めた曲で
「Wonderkeys」は77年に書いたシンプルな曲とのことです。



Snakefarmの活動を潜り抜けてたどり着いた音楽で
歳を重ねた分の余裕は感じられますが
80年代の曲と比べても
それほど大きく変わったという印象はありません。
変わらず良いという意味です。
欲を言えば「On the Hudson」も入れてもらいたかった。

他のアーティストではCathy Claret「Toi」の新録と
新曲の「Tell Me Why, Soledad」
Antenaの「Little Boxes」がとくに良かったです。

冒頭に「逢う魔が時」と書きましたが
Crépuscule作品をいち早く日本に紹介した新星堂には
オーマガトキという関連会社・レーベルがあります。

Antena - Little Boxes
Anna Domino - Rythm(オリジナル・ヴァージョン)
Cathy Claret - Toi(オリジナル・ヴァージョン)


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El Perro Del Mar - White Session at France Inter FM

2010-11-17 23:39:56 | レヴュー

MP3で入手したEl Perro Del Marのライヴ盤。
公式アルバムにはないものなので
多分これはブートなのだろうと思います。

08年5月のライヴのようなので
2ndアルバム『From The Valley To The Stars』発表後
それほど時間の経っていない頃の音源です。

最初の4曲がギターの弾き語り
その後の6曲がピアノの弾き語りという
至ってシンプルな構成ですが
オリジナル・アルバムより凝っていないところが良い。

録音状態も素晴らしく
ヘッドホンで聴くとEPDMが耳元で歌ってくれているような
変な錯覚すら感じてしまう
ヴィヴィッドでキュートなヴォーカルが生々しいです。

<収録曲>
01 Coming Down the Hill
02 Party
03 I'm not Saying
04 Dog
05 Happiness Won Me Over
06 Do not Despair
07 How Did We Forget
08 Someday I'll Understand
09 Hello Goodbye
10 Shake it Off

1st収録曲が4曲で2nd収録も4曲
残り2曲のうちの1曲は豪州盤1stのボーナス・トラック曲
もう1曲は「I'm not Saying」という未発表曲で
これはオリジナルなのかどうかも定かではありません。

どの曲もかなり良いのですが
なかでも「I'm not Saying」「Someday I'll Understand」と
「Happiness Won Me Over」の3曲は
思わず声を上げてしまいたくなるくらいの出来。

YouTubeなどで探してみましたが
この音源はどうしても見つからなかったので
8tracksに1曲だけ入れてみました。
お試しあれ!

8tracks


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New Found Land - The Bell

2010-11-14 21:39:04 | レヴュー

ヨーテボリ出身のAnna Roxenholtを中心にする
ベルリンとスウェーデンで活動する
New Found Landの2ndアルバム『The Bell』。

昨年発表の1st『We all die』も今年初めに聴いて
ここでレヴューしましたが
今作では驚くほど音楽性が広がりました。
1stアルバムのフォーキーなイメージが強かったので
最初は少し戸惑った部分もありますが
繰り返し聴くうちに良さが分かってきました。

エレクトロをかなり大胆に取り入れ
サウンドもリズムも実験的と言ってもいいくらいですが
根っこの部分はやはりフォーキー。



一足早くニュー・シングルとして発表された「Human」、
タイトル曲でオープニングを飾る「The Bell」、
1stのようにゆったり落ち着いた曲で
Annaのヴォーカルとサックスが光る「Stay With Me」、
テンポが良くヴォーカルが小気味良い「A Storage Plan」、
歌心あふれる「Jag Tar Smällen」など
本当に粒ぞろいの11曲です。

しなやかなAnnaのヴォーカルは前作の時も書きましたが
Feistに似ているというのを
今作ではさらに強く感じさせてくれます。

MySpace
オフィシャル・ページ


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Suzanne Vega - Close-Up Vol.2, People & Places

2010-11-09 23:09:49 | レヴュー

デビュー25周年を機にメジャーを離れて
インディー・アーティストとなったSuzanne Vega。
その25周年の集大成として
テーマ別に4枚のセルフ・カヴァー・アルバムを発表する
『Close-Up』シリーズの第2弾が『People & Places』。
娘のRuby Froomがバッキング・ヴォーカルで
参加しています。

第1弾『Love Songs』も素晴らしい出来でしたが
今作はそれを上回っていると言って良いと思います。
アコースティックな部分を前面に出しているのは変わりません。
収録されているタイトル13曲を見て
「NY is a Woman」と「The Queen & the Soldiers」が
とくに気になりました。
なんとこの2曲はストリングス入りで
シンプルながらゴージャスな曲に仕上がりました。

他では「Ironbound/Fancy Poultry」
「In Liverpool」「Luka」が予想通り良かったのですが
意外だったのは「Zephyr & I」。
アコースティック・サウンドに生まれ変わって
新たな発見がありました。



今回のアルバムについて
「オリジナルのプロダクションから離れて
こういうヴァージョンをみんなが聴いてみたいのでは」と
Suzanne Vega自身が語っている通り
狙いは的中しています。

第3弾『States of Being』は
過激で内面的な曲をテクノ・フォーク的に取り上げるようで
ラストの第4弾『Songs of Family』は
家族をテーマにした
ストレートなフォーキー・アルバムになるとのことです。

それにしても50歳を過ぎて
20代、30代の頃よりも歌声が力強くなっているのが凄い。
もちろん円熟味も増しています。


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Frida - Dear, Let it out

2010-10-06 00:06:20 | レヴュー

ハウスの方面では有名らしい
Rasmus Faberのプロデュースで制作された
スウェーデン・ヨーテボリの新人女性シンガー・ソングライターで
現役医大生でもあるという
Fridaのデビュー・アルバム『Dear, Let it out』。
6月に日本先行発売になっています。

そのRasmus Faberがネット上で歌声を聴いて惚れ込み
今年春の新曲のゲスト・ヴォーカルに起用し
その曲が日本でラジオヒットしているそうです。

このアルバムからも「Towers」という曲が  
各地ラジオ局のパワープレイを獲得したようです。
全体的には軽めのエレクトロニクスを取り入れた
清涼感のある抑え目なキラキラ・ポップ。
ピュアで透明なヴォーカルはかなり魅力的、
曲も爽快かつメロディアスでどこか懐かしい感じです。

ジャケットを見てLykke Liに似ているかなと思いましたが
全体の印象はもう少し生真面目な感じ。
だいぶ昔に見た昼下がりのドラマの主題歌に
あったタイプの曲が多いですが
個人的には話題の「Towers」よりも
もう少しシンプルな「I Was Surrounded」「Drop」の方が好み。

このところ購入しているCDは輸入盤ばかりで
今年購入した日本盤CDとしては
The Radio Dept.『Clinging to a Scheme』に次いで2枚目です。

Towers
MySpace


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Katie Goes to Tokyo - My Naked Heart

2010-09-28 00:24:48 | レヴュー

スウェーデン北部の町シェレフテオ出身の女性
Kathrine Bergströmによるソロ・プロジェクト
Katie Goes to Tokyoが8月に本国で発売した
2ndアルバム『My Naked Heart』。

06年発表のセルフ・タイトルの
1stアルバムの延長線上にある飛び切りポップな1枚。
今回はオーケストラやシンセも使い
さらにスケールアップしています。

前作でもそうでしたが
今作も最初の1、2曲を聴いただけで
ガーリーでありながら美しくどこまでもピュアで真っ直ぐな
Kathrineのヴォーカルの虜になってしまいます。

アップテンポなポップ・チューン
スロー・バラードと切ないミディアム・テンポの曲
そのどれにもぴったりとくるKathrineの
伸びやかなヴォーカルは本当に心地良いです。

曲のヴァリエーションと質の高さ
前作に比べての完成度
サウンド作りから曲の並べ方まで
すべての面で文句のつけようのない1枚です。

シングルになった「Little Sister」や
1、2曲目の「A Long Way From Anywhere」
「Will You Be Gone Summer?」の元気なポップ曲のほか
個人的には「Suburban Street」「Paper Moon」と
ラストの「You Don't Think I Know」の3曲に
ほろっと来てしまいました。

Little Sister
Will You Be Gone All Summer?
Paper Moon
You Don't Think I Know

MySpace
オフィシャル・ページ


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