ウエスティに猫な日々

日々の料理と外食、趣味の熱帯魚と読んだ本の感想と我が家の犬と猫の話。
ほか、日々のちよっとした独り言。

「 死んでいない者 」  滝口 悠生

2016-04-16 16:22:45 | 
   「 死んでいない者 」  滝口 悠生

      

第154回芥川賞受賞作品
ある故人のお通夜の一日が一冊の本になった作品です。 予想していた本の内容と少し感じが違いました。
故人の子供が5人。 孫とひ孫を入れ登場人物が30人余り。
故人の妻は10年ほど前に亡くなり、今は娘の子どもで27歳の孫の美之と暮らしていました。 美之は中学校時代は不登校で、今もプレハブにこもったままです。
ややこしいので、紙に5人の名前と配偶者を書き出し、子供と孫の名前と年齢を表にして読みました。

それぞれの兄弟や孫たちの過去のエピソードや現在の様子が語られています。
故人が八十半ばで、子供たちもそれぞれ独立しているので、哀しみや悲壮感が少なく、それぞれの生活感が描かれています。
子供達は温泉のお風呂に行き、孫たちは中高生で酒盛り。それぞれ各家庭でのお通夜のやり方があるんでしょうが、ちょっとね 

私も父方、母方の祖父・祖母・父・義母・叔父・伯母を見送りましたが、父母とも九人兄弟でその孫たち、ひ孫たちは数十人。 
哀しみの中でも、普段、めったに会うことのない人々は懐かしさに昔のことや近況を話し込みます。
それぞれの通夜は個人を偲んで厳かに執り行われました。
今は兄弟も少なくなり、家族葬で、近しい身内で済ませますが、雰囲気は故人の年齢にも依りますね。
高齢の方は大往生ですが、主人のいとこの子が10代で交通事故で亡くなり、広島に行ったときは親の悲しみを感じて耐え難かったです。

母は末っ子だったので、すでに兄弟は皆亡くなり、今は93歳の兄嫁さんが母の実家に元気で暮らしています。
母亡きあと、一番世話になった人です。 時々電話で話しますが、会いたくなりました。
妹を誘って近々会いに行ってこようと思います。 おばさん、元気で待っていてね!   


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